豊田市 概説

豊田市

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/09 06:47 UTC 版)

概説

日本最大の工業地域である中京工業地帯の中核的な都市であり、2019年の製造品出荷額は15兆3570億円で全国第1位と、日本を代表する工業都市である[1]1937年愛知県刈谷市に本社を置く豊田自動織機製作所(現・豊田自動織機)が同社の自動車部門を独立させて、当時の挙母町にトヨタ自動車工業(現・トヨタ自動車)の工場を設立したのが当市の工業化の始まりである[2]

人口は愛知県で名古屋市に次ぐ2位であり、面積は県内で最も広い。愛知県で最初の中核市に指定されている。隣接している岡崎市とともに西三河地区での中核都市である。

豊田都市圏約48万人の中心都市で名古屋市を中心とした中京大都市圏の中核都市としても機能している。 豊田市の昼夜間人口比率は110.5%で、流出人口より流入人口のほうが上回っている。

豊田スタジアムは国際大会などが開催される施設であり、サッカーJリーグ名古屋グランパスエイト(J1)のホームスタジアムである。 また、豊田市は名古屋市とともに名古屋グランパスのホームタウンとなっており、豊田市内に名古屋グランパスの練習施設トヨタスポーツセンターがある。 2019年に開催されたラグビーワールドカップ2019日本大会において、豊田スタジアムでも試合が行われ、世界中から観戦者が訪れた。

毎年7月最後の週の日曜日に開催される豊田おいでんまつり花火大会は、全国の有名花火師が打ち上げるため、毎年約40万人が訪れる。

香嵐渓稲武温泉笹戸温泉松平郷勘八峡足助の古い町並みなど景勝地・保養地・文化資源も多く、観光都市という側面も持つ。

名称

市名の「豊田(とよた)」は、市内に本社を置くトヨタ自動車と、同社の創業者一族の姓「豊田(とよだ)」に由来する。 濁音で「とよ」と誤読される事があるが、正しくは清音で「とよ」である。

市制を敷いた当初は、「挙母市(ころもし)」という名称であった。自動車産業が本格的に軌道に乗り始めた1958年、商工会議所から市宛てに市名変更の請願書が提出された。理由は、トヨタ自動車の本社のある挙母市が全国有数の「クルマのまち」に成長した点と、地名の「挙母」が読みにくいという点であった(「挙母(ころも)」が長野県の「小諸(こもろ)」と混同されることもあった。また、市名変更前に生産されたトヨタ車の銘板にはカタカナで「愛知県コロモ市」と書かれていた)。「挙母」という地名には古代以来の歴史があり愛着を持つ市民も多く、一時は賛成と反対で市を二分するほどの論議が展開されたが、1959年1月、名称が「豊田市」に変更された。

なお、日本の自治体の中で私的団体に由来する市名を持つのは、当市の他天理教の本部がある天理市奈良県)のみである[注釈 1]岡山県には、藤田組の名を冠した藤田村及び金光教の名を冠した金光町が存在したが、前者は1975年に岡山市に合併され、後者は2006年の合併で浅口市となり、自治体名としてはそれぞれ消滅している。

「挙母」の地名は、市内町名の「挙母町」と「上挙母」、施設では名鉄三河線上挙母駅愛知環状鉄道線新上挙母駅」「挙母城(七州城)」「挙母神社」「挙母小学校」、キユーピー挙母工場などに残っている。また市章も、挙母市時代に制定したものを現在も使用している。




注釈

  1. ^ 日立市日立製作所)や日野市日野自動車)は自治体名の方が先行している。
  2. ^ 旧下山村:岡崎MA(0564)、旧稲武町:設楽MA(0536)。その他は豊田MA(0565)。
  3. ^ NTT西日本からの案内には記載されていないが、八草町秋合の一部(知の拠点あいち)では0561(瀬戸MA)が使用されている。
  4. ^ 知立駅から神宮前駅まで特急の特別車を利用し、神宮前駅でミュースカイに乗り換えてセントレアへ行く時に「乗継ミューチケット」が利用出来る場合も360円で乗り継ぎ可能。

出典

  1. ^ 工業統計調査(2014年) - 経済産業省(2017年12月10日閲覧)
  2. ^ CORPORATION, TOYOTA MOTOR. “歴史 | トヨタの歩み | 企業情報”. トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト. 2023年5月22日閲覧。
  3. ^ 矢作川「鵜の首地区」拡幅、洪水被害の解消期待 愛知・豊田市で着工式 中京テレビ 2021年3月22日
  4. ^ 気象予報区:分割される市区町村
  5. ^ 『豊田市統計書(平成28年度版)』:7ページ
  6. ^ a b 『新修豊田市史 概要版 「豊田市のあゆみ」』:49ページ
  7. ^ 『新修豊田市史 概要版 「豊田市のあゆみ」』:38ページ
  8. ^ a b 河川コード台帳(河川コード表編) - 中部地方整備局(国土交通省中部地方整備局、2019年(平成30年)1月20日閲覧)
  9. ^ 豊田 1991-2020年”. 気象庁. 2024年3月9日閲覧。
  10. ^ 稲武 1991-2020年”. 気象庁. 2024年3月9日閲覧。
  11. ^ a b c 豊田市の今月の人口|豊田市ホームページ
  12. ^ とよたの歴史>旧石器時代・縄文時代・弥生時代・古墳時代”. 豊田市 (2015年6月3日). 2020年8月13日閲覧。
  13. ^ 「舞木廃寺塔跡」『国指定史跡ガイド』(講談社)
  14. ^ a b とよたの歴史>奈良 平安時代・鎌倉室町時代・戦国時代・江戸時代”. 豊田市 (2018年10月11日). 2020年8月13日閲覧。
  15. ^ 図典 日本の市町村章 p138
  16. ^ 一般財団法人自治体国際化協会 データ
  17. ^ 「豪雨 愛知・岐阜も急襲 死者・不明97人」『朝日新聞』昭和47年(1972年)7月13日夕刊、3版、1面
  18. ^ 『豊田市史 四巻』豊田市役所、1977年3月1日、32-34頁。 
  19. ^ 『豊田市史 四巻』豊田市役所、1977年3月1日、36頁。 
  20. ^ 新修豊田市史編さん専門委員会編『新修豊田市史 資料編 現代Ⅰ』豊田市役所、2015年3月、106頁。 
  21. ^ 平成31年度当初予算関連資料” (PDF). 豊田市役所 (2019年2月15日). 2019年2月17日閲覧。
  22. ^ a b 平成31年4月7日執行 愛知県議会議員一般選挙 投票状況速報” (PDF). 愛知県選挙管理委員会 (2019年4月7日). 2019年4月7日閲覧。
  23. ^ 第49回衆議院議員総選挙(小選挙区) 投票状況速報” (PDF). 愛知県選挙管理委員会 (2021年10月31日). 2021年11月1日閲覧。
  24. ^ 消防「幽霊団員」に3億円 4700人、2年間活動なく 政府、実態把握へ 毎日新聞調査”. 毎日新聞. 2022年7月2日閲覧。
  25. ^ トヨタ支援の「空飛ぶクルマ」 愛知と東京で開発 日本経済新聞、2017年9月14日、2023年9月23日閲覧
  26. ^ 「あいちフレンドシップ交流アルバム」(あいちフレンドシップ交流アルバム)
  27. ^ 『豊田市統計書(平成28年度版)』:168ページ
  28. ^ 『豊田市統計書(平成28年度版)』:174ページ
  29. ^ とよたの名産品(豊田市、2018年(平成30年)8月30日閲覧)
  30. ^ 四季桜について|四季桜と紅葉の共演美”. 小原観光協会. 2022年12月15日閲覧。
  31. ^ a b 松平東照宮(「豊田市観光協会」ウェブサイト、2012年3月17日閲覧)
  32. ^ 『'99プロ野球 12球団全選手百科名鑑』 第23巻第3号(通算:第246号 / 1999年3月号)、日本スポーツ出版社、1999年3月31日、177頁。 
  33. ^ ほっとした戦力外通告「プロ野球の世界では負け組。でも社会人では勝ち組に…」94年中日・ドラフト1位の今は32人の部下を持つ工場の現場監督」『中日スポーツ中日新聞社、2020年5月28日。2020年5月28日閲覧。オリジナルの2020年5月28日時点におけるアーカイブ。






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