白川由美 来歴・人物

白川由美

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/10 08:54 UTC 版)

来歴・人物

頌栄女子学院高等学校の卒業間際に森永製菓のキャンペーンガール「森永スイート・ガール」に応募して採用される。1956年、スカウトにより東宝に入社[出典 2]。清楚で整った顔立ちから「日本のグレース・ケリー」のキャッチフレーズで、同年の三船敏郎主演の映画『ならず者』で映画デビュー[出典 3]

サザエさん』シリーズ、『サラリーマン出世太閤記』シリーズや特撮ものなど幅広い作品に出演[3][4]。清楚な魅力で人気を集め[9]、家庭的な女性役がハマり役となった[1]。また、都会的な令嬢役も得意とした[3][6]

1961年には小津安二郎監督が東宝で撮った映画『小早川家の秋』にも出演している。1956年『空の大怪獣 ラドン』のヒロインをはじめとして特撮映画にも多数出演。一方で、1957年には『大番』で初舞台を踏んだ[7]

1964年、ラジオのディスクジョッキーを務めた際に日活のスターだった二谷英明と意気投合し、結婚[1][2]。映画会社の垣根を越えての結婚は話題を呼んだ。同年に長女・友里恵を出産[1][8][注釈 2]

家庭を持ったのを機に活動の場をテレビドラマへ移行し[5]、1965年の日本テレビ系『奥様はトップレディ』でテレビドラマ初出演[7]。1980年代前半から『家族ゲーム』を筆頭に母親役を演じ、若年層からも広く支持されて「母親にしたい女性タレント」の上位ランクインの常連となった[注釈 3]

長渕剛とは1983年の『家族ゲーム』などでの共演により深い親交があり、1985年には長渕が作曲のシングル「おあいそして」で歌手デビューも果たしている[7]。また、1988年から1989年にかけて放送された『純ちゃんの応援歌』で親子役として共演した笑福亭鶴瓶とも親しく、2009年3月30日・4月6日に放送された『鶴瓶の家族に乾杯』では、21年ぶりに鶴瓶と共にドラマのロケ地であった和歌山県日高川町を訪れている[出典無効]。同事務所に所属した松嶋菜々子とは互いに「親友」と呼び合う間柄で、共演作品も多かった[出典 4]

2004年、就寝中にベッドから転倒して軽傷を負った際には、高齢であったこともあり関係者から復帰が危惧されたが、短期間で無事に復帰した。

夫の二谷とは仲むつまじい夫婦生活から「おしどり夫婦」として知られ、1988年から1993年にかけてJRフルムーン夫婦グリーンパス」のCMに2人で出演した[7][11]。2012年に夫・英明が死去した後は仕事量を徐々に抑えて、主だった作品では2014年のフジテレビ系『ブラック・プレジデント』が最後の出演となった[8]

東京都目黒区の自宅から東京都港区の友里恵宅に転居し生活していたが、2016年6月14日に浴室内で倒れて心肺停止の状態で病院に搬送され、心不全のため急逝した[8][11]。79歳没。亡くなるわずか2時間前には知人と電話で「軽井沢に行こう」と話していた[12]

葬儀は友里恵が喪主を務め、同年6月18日に東京都渋谷区にある祥雲寺にて営まれた[13]。葬儀には通夜に秋元康伊藤歩井上真央音無美紀子菅野美穂見城徹志穂美悦子津川雅彦藤澤恵麻、松嶋菜々子、村井国夫薬丸裕英が、告別式に王貞治司葉子石田純一、長渕剛、東尾修山本浩二らが参列した。


注釈

  1. ^ 二谷の死による死別。
  2. ^ 歌手の郷ひろみは白川の元娘婿。
  3. ^ 一時期は野際陽子と並んでTBSホームドラマの母親役として多く起用されていた。
  4. ^ 役名は若い夫婦。
  5. ^ 遺作。

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j k 『日本の女優 100人』宝島社別冊宝島2551〉、2017年、52頁。ISBN 978-4800268891 
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n 東宝特撮映画全史 1983, p. 531, 「怪獣・SF映画俳優名鑑」
  3. ^ a b c d e f ゴジラ大百科 1993, p. 122, 構成・文 岩田雅幸「決定保存版 怪獣映画の名優名鑑」
  4. ^ a b c d 東宝特撮女優大全集 2014, pp. 50–53, 文・鷺巣義明「白川由美」
  5. ^ a b 超常識 2016, p. 121, 「Column ゴジラ映画 俳優FILE」
  6. ^ a b ゴジラ画報 1999, p. 77, 「Bonus Column 東宝美女軍団1 河内桃子VS白川由美」
  7. ^ a b c d e “白川由美さん死去 79歳、家族と団らん中に倒れる”. 日刊スポーツ. (2016年6月16日). https://www.nikkansports.com/entertainment/news/1663837.html 2016年6月16日閲覧。 
  8. ^ a b c d e “白川由美さん、79歳で死去…二谷英明さんと「おしどり夫婦」で知られた名女優”. スポーツ報知. (2016年6月16日). オリジナルの2017年3月20日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20170320025315/http://www.hochi.co.jp/entertainment/20160616-OHT1T50055.html 2016年6月16日閲覧。 
  9. ^ 産経フォト. (2016年6月15日). https://www.sankei.com/photo/daily/news/160615/dly1606150025-n1.htmlltitle=白川由美さんが死去 俳優、二谷英明さんの妻 2024年3月10日閲覧。 
  10. ^ “松嶋菜々子、「親友」と呼び合う白川由美さん死去に「まだ受け止められない」”. スポーツ報知. (2016年6月16日). オリジナルの2017年3月20日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20170320025319/http://www.hochi.co.jp/entertainment/20160616-OHT1T50061.html 2016年6月16日閲覧。 
  11. ^ a b “白川由美さん急死 自宅の風呂場で倒れ…二谷英明さんとおしどり夫婦”. Sponichi Annex (スポーツニッポン). (2016年6月16日). https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2016/06/16/kiji/K20160616012790430.html 2016年6月16日閲覧。 
  12. ^ “白川由美さん、亡くなる2時間前に電話で「軽井沢に行こう」”. サンケイスポーツ. (2016年6月18日). https://www.sanspo.com/article/20160618-MLGAWQ6SBZISDFJV5L5XE3J4FU/?outputType=amp 2022年5月6日閲覧。 
  13. ^ “女優白川由美さんが死去 79歳ドクターXなど出演”. 日刊スポーツ. (2016年6月15日). https://www.nikkansports.com/entertainment/news/1663643.html 2016年6月15日閲覧。 
  14. ^ a b 別冊映画秘宝編集部 編「夏木陽介(構成・文 友井健人)」『ゴジラとともに 東宝特撮VIPインタビュー集』洋泉社〈映画秘宝COLLECTION〉、2016年9月21日、86頁。ISBN 978-4-8003-1050-7 

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