洪水 洪水の害

洪水

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/15 18:25 UTC 版)

洪水の害

ひとたび洪水が発生すると、該当地域に大きな被害をもたらす。死亡者は溺死が多く、家屋の浸水・流出のほか、自動車などで洪水に巻き込まれ、脱出できなくなり死亡するケースも発生している[25]。内水氾濫の場合、家屋内での被害は少なく、歩行者が冠水地域で流されたり深みにはまって溺れることによる死者が多い[26]。死者のほか、氾濫による家屋・住民の孤立も大きな問題となる[27]電気水道などのライフラインも大きな被害を受け、特に水道は復旧までに長い期間を要する[28]。浸水した地域では汚水による汚染が広範囲に広がっており、感染症の流行も起こりやすい[29]。さらに浸水した家財道具のほとんどは以後使用することができないため被害額が大きくなるほか、それらが災害ゴミとして多量に排出されるため周囲の空間を埋め尽くし、通行や衛生の障害となり、さらにその処理にもまた多額の費用が必要となる[30]

洪水が引いた後に必要となる後始末や清掃作業が、時に作業者やボランティアの安全を脅かす場合がある。それは、下水道水と混ざり合い汚染された水との接触、感電一酸化炭素中毒、運動器に関わる負傷、熱中症や逆に低体温症自動車などの事故、火災溺死危険物が晒された状態など多岐にわたる[31]。洪水が起こった地域は混乱した状態にあり、作業者は鋭くぎざぎざになった残骸類、溢れた水に潜むバイオハザード、露出した電線動物人間血液体液そして死体など通常ではありえない影響に脅かされかねない。被害地での対処を行うに当り、作業者には安全帽ゴーグル、重労働用の軍手ライフジャケット防水タイプのブーツ型安全靴などの装備を計画段階で整えられる[32]

洪水は世界各国で大きな被害をもたらしている。1980年代後半より世界の洪水発生件数は増加傾向にあり[33]、2000年から2017年にかけて、世界では年間平均で約8669万人が洪水の被災者となり、5424人が洪水により死亡しているが、これは死者数では地震や暴風雨、異常気温などより少ないものの、被災者数では自然災害の中で最も多い数字である。2018年には世界の洪水被災者は約3538万人、死者は2859人だった[34]

なお、日本における洪水被害額は、1993年から2002年の合計で外水氾濫が1.3兆円(54%)、内水氾濫が1.1兆円(46%)であり、ほぼ同値となっている[35]




注釈

  1. ^ 事態の深刻さに応じ、まず避難勧告が出され、重ねて避難を促すために避難指示が出されるのが基本。ただし、緊急的にいきなり避難指示が出される場合がある。
  2. ^ 市町村が指定する学校や公民館などの避難場所に行くことが基本。それが危険と思われる場合は、近隣の安全な場所や、自宅内のより安全な場所等に移る。
  3. ^ 明日までの期間に大雨警報を発表する可能性が[高]または[中]の場合。

出典

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