毛主席語録
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日本語訳
- 訳者不明 『毛主席語録』(外文出版社 北京 1966年)
- 和田武司他 訳『毛沢東語録』河出書房新社〈Kawade world books〉、1966年12月10日。NDLJP:3038099。
- 社会主義研究所毛沢東語録研究会 訳『毛沢東語録』宮川書房、1966年11月1日。NDLJP:3038097。
- 竹内実 訳『毛沢東語録 : 付・奪権闘争を論ず』角川書店〈角川文庫〉、1971年10月25日。NDLJP:12213958。(平凡社ライブラリー 1995年)
- 中嶋嶺雄訳 『毛沢東語録』(講談社文庫 1973年)
- 林茉以子訳、WIPジャパン監修 『超訳・毛沢東語録』(ゴマブックス 2013年)
その他
- 文化大革命中の中華人民共和国では、毛語録の輪読会などが開かれ、会話の折に暗唱されるなど市民生活の隅々にまで行き渡っていた。街角には「語録牌」という、フレーズを抜粋した看板も立てられていた。会合などでは「『語録』の××ページを開いてください。毛主席はわれわれに教えておられます」と引用することもごく普通に行われた。また、紅衛兵や造反(文革)派は攻撃を向ける相手にこれを暗唱させたり、内容の一部を都合よく解釈して批判の材料に使ったりした。外交部長だった陳毅がこうした機会に機知に富んだ返答をしたエピソードが知られている(詳細は陳毅#エピソードの項目を参照)。
- 文化大革命中に刊行された古典作品にも、〈出版説明〉などと称するまえがきのなかで、語録の文章が引用されて、その古典の批判的摂取のための理論づけがなされた(1973年に刊行された『梁書』など)。
- 新約聖書、コーラン、共産党宣言、我が闘争などと並ぶ大ベストセラーである。1966年3月から1976年8月までの間に約65億冊が印刷された[2](部数に関しては諸説ある)。
- 世界へ毛沢東思想を普及すべく、各言語への翻訳版も出版された。中国少数民族向けのモンゴル語版ウイグル語版チベット語版チワン語朝鮮語版等のほか、日本語版、英語版、ロシア語版、フランス語版、ドイツ語版、アラビア語版など、主要言語のほか、エスペラント版や点字版、知的障害者向けに文章が単純化された版も存在した。
- 1億人を超える中国国民が利用しているApp Storeで最もダウンロードされ、中国共産党中央宣伝部とアリババが共同開発したクイズアプリ[3]「学習強国」は、その毛主席語録との類似性から Little Red App とも呼ばれている[4][5]。
- 1969年、山口県の中学校教諭が卒業記念として生徒に毛語録を配布したことがあった。翌年、教諭は地方公務員法に違反したとして懲戒免職処分を受けている[6]。
- ^ 林彪による「まえがき」での表現。
- ^ 矢吹晋『毛沢東と周恩来』、講談社現代新書
- ^ “中国で一番ダウンロードされているアプリは「社会主義、習近平、共産党のクイズアプリ」”. ギズモード. (2019年4月11日) 2019年4月12日閲覧。
- ^ “Little Red App: Xi’s Thoughts Are (Surprise!) a Hit in China”. ニューヨーク・タイムズ. (2019年2月14日) 2019年4月12日閲覧。
- ^ “中国共産党の国民用アプリ、使ってポイントが貯まる仕組みの「真の狙い」”. WIRED. (2019年5月28日) 2019年5月30日閲覧。
- ^ 毛語録の先生懲戒免 政治的中立を犯す『朝日新聞』1970年(昭和45年)1月7日夕刊 3版 8面
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