歯車比 鉄道車両の歯車比

歯車比

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/05 01:20 UTC 版)

鉄道車両の歯車比

鉄道車両においては、電気車[2]及び電気式気動車・ディーゼル機関車の場合、主電動機側の小歯車(歯車数A)と被駆動大歯車(歯車数B)の歯車比 (=B/A) を表す。

この場合、歯車比が小さいと車輪の回転数が高くなり、低速性能(加減速)は低いが、高速性能(最高速度や高速域での加減速)は高くなる。このため、特急形電車新幹線車両などはこれに該当する。

逆に歯車比が大きいと車輪の回転力が大きくなり、低速性能は高いが、高速性能は低くなる。特に貨物電気機関車通勤形電車はこれに該当する。

内燃動力車は、機械式液体式共に変速機と最終減速機の組み合わせであることは自動車と同じであるが、逆転機を用いて前後進共に同じ歯車比で走行できる(同じ速度で運転できる)点が異なっている[3]

アイドラ歯車

つながった一連の歯車の場合、系全体の歯車比は最初の歯車と最後の歯車の歯数だけで計算できることに注意する必要がある。途中の歯車は大きさにかかわらず全体の歯車比には無関係であるが、歯車が1つ加わるごとに最後の歯車の回転が逆になる。

仕事をしない中間の歯車のことをアイドラ歯車(idler wheel遊び車)と呼ぶ。回転を逆にするために用いられるアイドラ歯車はリバースアイドラと呼ばれることがある。自動車のマニュアルトランスミッションの場合、2つの歯車の間にリバースアイドラを入れることで後進する様になっている。

アイドラ歯車は出力軸と入力軸の距離が離れていて、単純に2つの大きな歯車を使うことが現実的ではない場合にも用いられる。アイドラという言葉から受けるイメージとは異なり、駆動力と反力の両方を受けるため軸にかかる負荷は入手軸および出力軸よりも大きく、設計にあたっては十分な負荷容量の軸受が求められる。 大きな歯車を使う場合、より大きなスペースが必要になり、半径の自乗に比例して回転慣性(慣性モーメント)が大きくなるなどの問題が発生する。このような場合、アイドラ歯車の代わりにベルトやチェーンを使うこともできる。

脚注 


  1. ^ さらにトランスファーやディファレンシャルギアに副変速機を持つものや、ハブリダクションシステムを持つ車種もある。副変速機とハブリダクションを備えたメルセデス・ベンツウニモグは、計4段の減速装置を持つことになる。
  2. ^ 電車電気機関車
  3. ^ 自動車をベースとした軌陸車にも逆転機を持つものがある。





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