アイドラ歯車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/20 07:52 UTC 版)
つながった一連の歯車の場合、系全体の歯車比は最初の歯車と最後の歯車の歯数だけで計算できることに注意する必要がある。途中の歯車は大きさにかかわらず全体の歯車比には無関係であるが、歯車が1つ加わるごとに最後の歯車の回転が逆になる。 仕事をしない中間の歯車のことをアイドラ歯車(idler wheel、遊び車)と呼ぶ。回転を逆にするために用いられるアイドラ歯車はリバースアイドラと呼ばれることがある。自動車のマニュアルトランスミッションの場合、2つの歯車の間にリバースアイドラを入れることで後進する様になっている。 アイドラ歯車は出力軸と入力軸の距離が離れていて、単純に2つの大きな歯車を使うことが現実的ではない場合にも用いられる。アイドラという言葉から受けるイメージとは異なり、駆動力と反力の両方を受けるため軸にかかる負荷は入手軸および出力軸よりも大きく、設計にあたっては十分な負荷容量の軸受が求められる。大きな歯車を使う場合、より大きなスペースが必要になり、半径の自乗に比例して回転慣性(慣性モーメント)が大きくなるなどの問題が発生する。このような場合、アイドラ歯車の代わりにベルトやチェーンを使うこともできる。
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