悪魔の詩 「死刑」宣告とその影響

悪魔の詩

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/14 00:15 UTC 版)

「死刑」宣告とその影響

『悪魔の詩』の出版は、その直後から国内外のムスリムに反発を生み、10月にインド政府はこの本を発禁とした。イギリスでは12月2日にマンチェスターボルトンで8000人のムスリムが本書の発禁を求めるデモを行ない、翌年1月14日にはブラッドフォードで本書を焼くパフォーマンスを行なった。少数派のムスリムの政治運動としては最大の動きだったが、イギリスでもほとんど報道されることがなかった[8]

世界中の注目を浴びたのは、1989年2月14日イランの最高指導者ルーホッラー・ホメイニーによる著者のラシュディおよび発行に関わった者などに対する「死刑」の宣告であった。「死刑」宣告はイスラム法の解釈であるファトワー(fatwa)として宣告された。ラシュディはイギリス警察に厳重に保護された。


注釈

  1. ^ 訳書の邦題にルビはなく、読み方が固定されていない。
  2. ^ 伝承ではクルアーン第53章19節から22節、『あなたがたは、アッラートウッザーを(何であると)考えるか。 それから第3番目のマナートを。あなたがたには男子があり、かれには女子があるというのか。それでは、本当に不当な分け方であろう。』の部分に挿入されていたと伝えられる。

出典

  1. ^ Erickson, John D. (1998). “The view from underneath: Salman Rushdie's Satanic Verses”. Islam and Postcolonial Narrative. Cambridge, UK: Cambridge University Press. pp. 129–160. doi:10.1017/CBO9780511585357.006. ISBN 0-521-59423-5 
  2. ^ Erickson, John D. (1998). “The view from underneath: Salman Rushdie's Satanic Verses”. Islam and Postcolonial Narrative. Cambridge, UK: Cambridge University Press. pp. 129–160. doi:10.1017/CBO9780511585357.006. ISBN 0-521-59423-5 
  3. ^ Netton, Ian Richard (1996). Text and Trauma: An East-West Primer. Richmond, UK: Routledge Curzon. ISBN 0-7007-0326-8 
  4. ^ “'The Satanic Verses' author Salman Rushdie on ventilator after New York stabbing”. Fortune. https://fortune.com/2022/08/13/the-satanic-verses-author-salman-rushdie-on-ventilator-new-york-stabbing-liver-nerve-lose-eye/ 2022年8月15日閲覧. "The death threats and bounty led Rushdie to go into hiding under a British government protection program, which included a round-the-clock armed guard" 
  5. ^ Manoj Mitta (2012年1月25日). “Reading 'Satanic Verses' legal”. The Times of India. オリジナルの2013年4月29日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20130429125416/http://articles.timesofindia.indiatimes.com/2012-01-25/india/30662344_1_import-ban-book-satanic-verses 2013年10月24日閲覧。 
  6. ^ Suroor, Hasan (2012年3月3日). “You can't read this book”. The Hindu. http://www.thehindu.com/books/you-cant-read-this-book/article2953626.ece 2013年8月7日閲覧。 
  7. ^ How Salman Rushdie's Satanic Verses has shaped our society” (英語). the Guardian (2009年1月11日). 2013年10月24日閲覧。
  8. ^ Tariq Modood "RELIGIOUS ANGER AND MINORITY RIGHTS", The Political Quarterly, vol. 60, issue 3, 1989 July.
  9. ^ a b c d 立花書房編『新 警備用語辞典』立花書房、2009年、14-15頁。
  10. ^ a b 迷宮入りの「悪魔の詩」訳者殺人、問題にされた2つのポイント【平成の怪事件簿】”. デイリー新潮 (2019年4月29日). 2019年9月29日閲覧。
  11. ^ 「悪魔の詩」懸賞金を増額=「著者処刑の好機」-イラン財団
  12. ^ 共同通信 (2022年8月12日). “ラシュディ氏は講演直前に壇上で襲撃 | 共同通信”. 共同通信. 2022年8月12日閲覧。


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