子門真人 人物・エピソード

子門真人

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/08 00:00 UTC 版)

人物・エピソード

  • 3人兄弟の末っ子で兄と姉がいる[11]
  • 幼少時は引っ込み思案な性格であり、それを心配した母の勧めにより児童劇団「チャイム」に所属していた[6]。その際に劇団へ講師として訪れた菊池俊輔と対面している。後年再会した際に、子門は対面していたことを覚えていたが、菊池は失念していた[6]
  • 高校2年生のとき、クラシックの声楽を学ぶ[11]が、当時はサラリーマンを目指しており、歌手になるつもりはなかった[11]。大学4年生のとき、忘年会でフォークソングを歌い、友人の勧めで歌手に興味を持ち始める[11]
  • 熱心な日本聖公会クリスチャンであり、芸名の「子門(シモン)」も聖書に由来するとされ[21]、自身の洗礼名から名付けたという説もある[18][5]。彼がクリスチャンになったのは玉川大学在学時代である[11]
  • 芸名の「真人」は中学生時代の友人の名前から拝借したものである[11]
  • アマチュア無線家でもある。自身が肝臓を傷め入院していた時期にアマチュア無線の免許を取得した[11]1978年発行の『アマチュア無線運用マニュアル』(電波新聞社)の表紙を大橋照子と共に飾っている[22]。コールサインはJI1KLK(1970年代時点)[11][22]
  • 子門自身は歌手活動を副業と位置づけており、特定のレコード会社と専属契約を結ばなかった[5]。そのため作品は多数のレコード会社にまたがっており[5]、子門の活動には以下のような特徴がみられる。
    • 上記の事情から楽曲の版権元も分散しており、「子門真人 ヴォーカル・コンピレーション」シリーズ発売以前ではベストアルバムの編集などが困難となっていた[23]
    • 「子門真人」という名前の他にも様々な変名を用いて楽曲を発売しており、同じ歌をレコード会社によって「子門真人」「谷あきら」で歌い分けたこともある。別名義には藤浩一(デビュー当時の芸名)、谷あきら(主に円谷音楽出版在籍時に使用した芸名[23])、大安蓮、布川富美雄、司馬拳、ピーター・サイモン、サタンタなどがある。また、「椿もとみ」のペンネームでGSグループへの楽曲提供をしていた時期もある。
    • 同時期に複数のレコード会社で活動することもあり、オリジナル音源の販売権を持たないレコード会社が独自にカバー音源を制作する際、子門を起用することがあった。中には子門自身がオリジナル版も歌っている例(「ガッチャマンの歌」「アイアンキング」「ジャンボーグA」など)や、同じ歌を複数のレコード会社でカバーした例もある。特に『ウルトラマンレオ』の主題歌は日本コロムビアキャニオン・レコード(現:ポニーキャニオン)CBS・ソニービクター音楽産業(現:JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント)の4社でカバーしている。
  • 子門が主題歌を歌唱した『恐竜探険隊ボーンフリー』の登場人物「権田明」(初期案では「権田三郎」)は、子門が声優を務めることを前提に書き起こされたキャラクターであり[24]、子門自身がモデルとなっている[25]
  • 仮面ライダー』などで造形を担当したエキスプロダクションレインボー造型企画の小松義人は小学校の同級生である[26]

楽曲に関するエピソード

  • 代表曲「レッツゴー!! ライダーキック」は、1曲2万5,000円のアルバイトで歌唱[15]したものであり、子門はCMソングの収録だと思って参加していた[4]。同曲は事前に主演の藤岡弘によって収録されていたが、日本コロムビアのディレクターであった木村英俊の判断により子門の歌唱でも録音された[27]。放映では当初藤岡弘が収録したテイクが使用されており、自分の歌が流れることを期待して放送を見た子門はしばらく呆然とし[23]、ひどく落胆したという[4][5][3][注釈 2]。のちに藤岡が撮影中の事故で番組を一時降板したため、それに伴い主題歌も子門が歌唱したテイクに変更されたが[注釈 3]、子門は友人からの指摘で変更を知ったという[4][3]
  • 勇者ライディーン』主題歌「勇者ライディーン」の収録直後、喫茶店でコーヒーを注文しようとした子門が思わず「ライディーン!」と叫んでしまったという逸話がある[28]。また、同作の挿入歌「海よ」は、後年子門自身がアニメ雑誌にて「一番気に入っている(楽曲)」と述懐している[24]
  • 「およげ!たいやきくん」は当初生田敬太郎が歌唱したものが放送されていたが、後に子門の歌唱するものに変更された。なお、同曲も1曲5万円のアルバイトで歌ったものであり、子門自身この曲がメガヒットになるとは思わなかったため、レコード会社から「歩合と買取どちらが良いか」聞かれた際に軽い気持ちで「買取で」と答えている。なお同曲のヒットにより、後に100万円と白いギターをもらったとされる[29]
  • 青春ラジメニア』の主題歌「青春ラジメニアの歌」の歌詞は、リスナーから応募された歌詞の中から子門自身がピックアップしたものである[30]
  • Aランクサンダー 誕生編』の主題歌「Aランクサンダーの歌」は、当初ヒデ夕樹の起用が検討されていたもののヒデへのオファーが難航し、子門が起用されることとなった[31]。また、実際のゲームソフトには収録されなかったもののレコーディング自体はフルサイズでされていたとのこと[32]

注釈

  1. ^ 資料によっては90万枚[10]
  2. ^ エンディングは、番組開始当初から子門の歌唱であったが、それには気づかなかった[5]
  3. ^ レコードでも当初藤岡版がリリースされたが、同一品番で藤浩一(子門)版に差し替えられている。なおそれ以降、『仮面ライダー』のソングアルバム制作にあたり「レッツゴー!! ライダーキック」原盤は日本コロムビアに移管。新曲をコロムビアが制作し、アルバムとしてリリースした。そのためシングル2曲は「藤浩一」名義、新曲分は子門真人名義で記載されている。
  4. ^ ジャッキー吉川とブルー・コメッツの「センチメンタル・シティ」と同一曲。
  5. ^ 作曲は当時無名の筒美京平が師匠であるすぎやまこういちの名義を借りて発表、のちに筒美京平名義に変更された。
  6. ^ a b ミュージックファイルシリーズ」としてリリース。
  7. ^ クレジットなし。仮面ライダーアマゾンの変身シーンでこだまする声に、子門の声が使用された。

出典

  1. ^ 【連載】歌謡曲番外地 HMV ONLINE編(5)「中山恵美子」”. HMV ONLINE. 2015年3月2日閲覧。
  2. ^ a b c 子門真人”. 日本コロムビア. 2015年3月2日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i j k l 仮面ライダー怪人大画報 2016, p. 203, 「仮面ライダー スタッフ・キャスト人名録 2016年版」
  4. ^ a b c d 仮面ライダー怪人大全集 1986, p. 221, 「仮面ライダーSTAFF CAST SPONSORインタビュー」
  5. ^ a b c d e f g h i j k l OFM仮面ライダー6 2004, p. 33, 早川優「仮面ライダー音楽考 第4回 ライダー・ソングの歌い手たちその1 子門真人 伝説のシンガー」
  6. ^ a b c 宇宙船編集部、1996、「「宇宙船談話室」菊池俊輔」、『宇宙船』(vol.75(1996年冬号))、朝日ソノラマ p. 60
  7. ^ a b 『子門真人 ヴォーカル・コンピレーション SONG FOR HEROES <赤盤>』(CDライナー)子門真人、バップ、1997年。VPCD-81235。 
  8. ^ 月刊セブンティーン』1976年4月号、85頁。
  9. ^ 木村英俊『THEアニメ・ソング―ヒットはこうして作られた』角川書店、1999年、147頁頁。ISBN 4048531522 
  10. ^ 大下英治『日本(ジャパニーズ)ヒーローは世界を制す』角川書店、1995年、25-26頁頁。ISBN 4048834169 
  11. ^ a b c d e f g h i 「ジョセフはいま栄光を手にしたのです〈子門真人の浮き沈み人生〉 / 子門真人」『婦人生活』第30巻第4号、婦人生活社、1976年4月1日、178 - 171頁、NDLJP:2324553/75 
  12. ^ 『子どもの文化』1987年1月号、11頁。
  13. ^ a b 『商工ジャーナル』1983年2月号、56頁。
  14. ^ a b c 「『およげ!たいやきくん』の子門真人 サラリーマン辞め ミュージカルへ転身」『朝日新聞』1987年3月9日付東京夕刊、13面。
  15. ^ a b 「子門真人 再び脚光『はたらくくるま』が人気 声に懐かしさ」『読売新聞1987年3月12日付 東京夕刊 8面
  16. ^ TBSの呼び掛けも… 表舞台から消えた子門真人氏の謎NEWSポストセブン2019.10.09(2020.1.27 last access)
  17. ^ a b 堺正章「およげ!たいやきくん」子門真人の“捜索”呼びかけ「歌って!」デイリースポーツ2020.01.27(2018.2.27 lastaccess)
  18. ^ a b 【1976年1月】およげ!たいやきくん/子門真人5万円のバイトで歌い大変なことに”. スポニチアネックス (2012年1月5日). 2014年3月11日閲覧。
  19. ^ TBSの呼び掛けも… 表舞台から消えた子門真人氏の謎NEWSポストセブン2019.10.09(2021.6.23 last access)
  20. ^ 堺正章、子門真人さんの“捜査”依頼「今どこにいるか分からない」 - SANSPO.COM(サンスポ)”. www.sanspo.com. 2021年5月21日閲覧。
  21. ^ ふくいんのなみ「BOX190 2011年4月13日(水)放送」”. CRC・メディアミニストリー (2011年4月13日). 2014年3月8日閲覧。
  22. ^ a b <元・JL1GPK>フリーアナウンサーの大橋照子さん、Webサイトで「アマュア無線再開」を宣言!、hamlife.jp、2013年12月27日 6:51。
  23. ^ a b c 『子門真人 ヴォーカル・コンピレーション -TV SIZE COLLECTION-』(CDライナー)子門真人、コロムビアミュージックエンタテインメント、2003年。COCX-32076。 
  24. ^ a b 『子門真人 ヴォーカル・コンピレーション SONG FOR HEROES <桃盤>』(CDライナー)子門真人、日本コロムビア、1998年。COCX-30226。 
  25. ^ 宇宙船編集部、1988、『宇宙船』(vol.43)、朝日ソノラマ
  26. ^ 「特別対談 小松義人×前澤範×野中剛」『宇宙船』Vol.149(SUMMER 2015.夏)、ホビージャパン、2015年7月1日、124頁、ISBN 978-4-7986-1049-8 
  27. ^ 木村英俊『THEアニメ・ソング―ヒットはこうして作られた』角川書店、1999年、60-61頁。ISBN 4048531522 
  28. ^ 『子門真人 ヴォーカル・コンピレーション SONG FOR HEROES <青盤>』(CDライナー)子門真人、日本コロムビア、1997年。COCC-14585。 
  29. ^ 「メロディーとともに (4) およげ!たいやきくん」『神戸新聞』1999年5月14日付夕刊、3面。
  30. ^ 8/4(日)神戸でアニソンライブ☆ / 南かおり”. 「かおりんの関西探検隊♪」(南かおり公式ブログ) (2013年8月6日). 2014年3月8日閲覧。
  31. ^ 遠藤正二朗Twitter2013年6月24日9:52の発言
  32. ^ 遠藤正二朗のTwitter、2013年6月24日9:55の発言
  33. ^ 「ガス安全使用PR映画『きいて下さい青い妖精の話』完成」『日本瓦斯協会誌』第31巻・第10号、日本瓦斯協会、1978年、写真ページ(ノンブルなし)。NDLJP:2337836/3
  34. ^ 「コマーシャルフィルムが完成 -電波によるガス安全使用PR-」『日本瓦斯協会誌』第32巻・第10号、日本瓦斯協会、1979年、写真ページ(ノンブルなし)。NDLJP:2337848/4
  35. ^ 「『ガスあんぜんぬりえ』を作成 静岡ガス」『日本瓦斯協会誌』第32巻・第11号、日本瓦斯協会、1979年、65頁。NDLJP:2337849/39
  36. ^ 沿革|会社情報 ABOUT | 株式会社新東通信”. www.shinto-tsushin.co.jp. 2024年1月27日閲覧。
  37. ^ 日本コロムビア|子門真人”. 日本コロムビア. 2015年2月16日閲覧。
  38. ^ 『円谷プロ画報 円谷作品五十年の歩み』 第1巻、竹書房、2013年8月9日、226頁。ISBN 978-4-8124-9491-2 
  39. ^ 「『SFドラマ 猿の軍団』全話ストーリー&解説」『別冊映画秘宝 円谷プロSFドラマ大図鑑』洋泉社〈洋泉社MOOK〉、2013年、118頁。ISBN 978-4-8003-0209-0 
  40. ^ 杉並児童合唱団について「合唱団のあゆみ」”. 杉並児童合唱団. 2014年3月11日閲覧。


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