大阪高速鉄道1000系電車 大阪高速鉄道1000系電車の概要

大阪高速鉄道1000系電車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/20 16:17 UTC 版)

大阪高速鉄道1000系電車
1000系電車02編成・第1期製造車オリジナル色(万博記念公園駅付近で撮影・側面方向幕取付改造後)
基本情報
運用者 大阪高速鉄道→大阪モノレール
製造所 日立製作所笠戸事業所
川崎重工業
製造年 1987年 - 1998年
製造数 4両編成13本(52両)
運用開始 1990年6月1日
投入先 大阪モノレール本線彩都線
主要諸元
編成 4両編成
(将来の6両編成化に対応)
軌間 軌道桁幅 850 mm
電気方式 直流 1,500 V(剛体複線式)
最高運転速度 75 km/h
設計最高速度 80 km/h
起動加速度 3.0 km/h/s
減速度(常用) 4.0 km/h/s
減速度(非常) 4.5 km/h/s
編成定員 494人(01 - 06編成)
車両定員 先頭車 118人(座席40人)
中間車 129人(座席46人)(01 - 06編成)
自重 26.2 - 28.1 t(01 - 06編成)
編成重量 108.6 t (01 - 06編成)
編成長 60,200 mm
全長 先頭車 15,500 mm
中間車 14,600 mm
車体長 先頭車 14,800 mm
中間車 13,900 mm
全幅 2,980 mm
車体幅 2,900 mm
全高 5,200 mm
車体高 3,740 mm
床面高さ 1,130 mm
車体 アルミニウム合金
台車 鋼板溶接構造2軸ボギー跨座形台車
主電動機 EFZO-SPKK60 直流複巻電動機
主電動機出力 80 kW
駆動方式 2段減速直角カルダン駆動方式
歯車比 6.55
編成出力 1,280 kW
制御方式 他励界磁チョッパ制御方式
GTOサイリスタ素子使用)
制動装置 回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ保安ブレーキ駐車ブレーキ
保安装置 車内信号ATC
備考 出典[1]。車両重量・車両定員は01 - 06編成落成時点のものである。
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登場の経緯

1987年に先行試作車として06編成が製造され、1990年大阪モノレール線(本線)千里中央駅 - 南茨木駅間の開業に備えて01編成-05編成が製造された(同時に06編成が車籍編入)。続いて、1994年の千里中央駅 - 柴原駅の延伸準備とその翌年の増備のために31編成と32編成が製造された。さらに、1997年春の柴原駅 - 大阪空港駅の延伸準備及び同年夏の南茨木駅 - 門真市駅の延伸準備のために21編成から24編成が、1998年彩都線万博記念公園駅 - 阪大病院前駅間の開業に備えて25編成が製造された。

4両固定編成であるが、将来の6両編成化に対応し、編成内の車両番号は300番台と400番台を飛ばして付番されている。

駆動方式は2段階減速直角カルダン駆動方式である。いずれの車両も日立製作所川崎重工業で製造された。

外装・内装

1000系電車23編成・第3期製造車オリジナル色(南茨木駅付近で撮影)

後の2000系と同様に、内外装ともに製造年で相違点がある。

1000系共通の外・内装

  • 車体は[[アルミニウム合金]製である。
  • 窓は上部のみ内側に開く方式であり、下部は固定式である。
  • 車体の上部は無塗装でラインが入っているが、腰部から下のスカート部は薄い灰色になっている。これらは後の2000系の最終編成に至るまで受け継がれている。
  • 運転席付き車両と2両目の間の貫通幌は、極めて幅広のものが採用されている(キノコ型)。
  • 室内照明の蛍光灯にはカバーが取り付けられている。これらは2000系最初の11編成まで受け継がれている。ただし、一部の改造車は改造に伴いカバーが外されている。

01 - 06編成

05編成の「梅丹号」の頃の改造前の車内

以下の特徴は2007年から始まった改造前の状態についての説明である。全編成とも改造を受けオリジナルの内外装を持つ編成は消滅した。

外装

  • アルミ無塗装にマリンブルーのラインで、腰部及び側面のスカート部にも同色のラインがある。貫通ドアの窓下にロゴマークが描かれている。かつては、広告ラッピング車両が多く、オリジナル塗装車は02編成しかない時期もあった。
  • 側面方向幕および車外スピーカーは、設置されていない。
  • 前照灯の周囲はステンレス地の銀色の無塗装で、角は丸みを帯びている。

内装

  • シートは阪急電鉄のシートに類似した系のロングシートである。
  • 運転席も緑色である。
  • 運転席直後に車椅子スペースはなく、2人掛けのロングシートが両側にあり、前面展望用の2人がけ高床シートは、設置されていない。車椅子固定用の手すりが運転席直後に取り付けられている。その周辺は優先座席になっている。
  • 床敷物の色は小豆色一色である。
  • 室内の蛍光灯は31編成以降と異なり、少し間隔をおいて取り付けられている。
  • ロングシートの足元には電熱式の暖房器が設置されている関係で、網状の穴を開けた鉄板が設置されているが、06編成だけは全面的に網状の穴がなく、実際に暖房器が設置されている部分だけが網状になっている。

なお、2007年から2008年にかけて改造工事を受け、02編成、06編成、05編成、03編成、01編成、04編成の順に改造を行い、内装などが改装を受けている。詳細は後述する。

31・32編成

32編成の改造前の車内

以下の特徴は2007年から始まった改造前の状態についての説明である。2編成とも改造を受けオリジナルの内外装を持つ編成は消滅した。

外装

  • マリンブルー一色から、31編成ではマリンブルー、アザレアパープルのラインを採用した。32編成ではマリンブルーとアザレアパープルのラインの間の狭い隙間にホワイトのラインが追加されており、このラインがこれ以降2000系に至るまで採用されている。腰部のマリンブルーのラインは引き継がれているが、スカート部のラインは省略されている。なお、以前は2編成とも広告ラッピング車両になっていた。
  • ロゴマークの配置が貫通ドアの右上に変更されている。
  • 31編成には新製時は側面方向幕がなく、側面方向幕は32編成から採用されている。
  • 31編成から、車外スピーカーが設置されている。
  • 31編成から、前照灯の周囲は黒地で、角は直角である。

内装

  • 全車ともドア間は転換クロスシートを採用している。シートの色はピンク系の濃淡2色に変更されている。クロスシートの背もたれが若干低いタイプで、成人だと頭が背もたれよりも上に来るため、背もたれカバーは取り付けられていない。
  • 車端部はロングシートである。バケット式ではないが、一人あたりの区画が縫い目で表現されている。
  • 運転席は31編成はそれまでの緑系の席を引き継いだが、32編成では客席と同様のピンク系の色に変更されている。
  • 床敷物の色は中央部だけが薄茶色で両側はクリーム色系の2色に変更されている。
  • 32編成にはLEDの車内案内表示器が設置されている。
  • この編成から、運転席直後に車椅子スペースと前面展望用の2人がけ高床シートが採用されている。
  • この編成から室内の蛍光灯が間隔をおかずに連続して取り付けられている。

21 - 25編成よりも前に製造された編成である。なお、2007年に31編成が、2008年には32編成がロングシート化等の改造が行われ、オリジナルの内装を持つ編成は消滅した。詳細については後述する。

21 - 25編成

22編成の改造前の車内
25編成の改造前の車内

以下の特徴は2008年から始まった改造前の状態についての説明である。現在は全編成とも改造を受けオリジナルの内装を持つ編成は消滅している。

外装

  • ラインやスカート部の塗色は32編成と同様である。現在は23編成が広告ラッピング車両となっている。
  • 全編成に新製時から32編成同様の側面方向幕・車外スピーカーが取り付けられている。

内装

  • 運転台付き車両は全席が深めのバケット式のロングシートに変更され、中間車両だけがドア間のみ転換式クロスシートを引き継いでいる。
  • 31・32編成同様クロスシートの背もたれは若干低いタイプである。
  • 31・32編成に引き続き、先頭車両の運転台の後ろに車椅子スペースと前面展望用の2人がけ高床シート、32編成と同型のLEDの案内表示機を採用している。
  • シートの色は24編成までは31・32編成に引き続きピンク系の色であるが、1000系最後となった25編成の座席の色のみ後の2000系にも引き継がれた色である、ロングシート部は薄紫色1色のバケット式のロングシートとなっている。また、クロスシートは2人がけ高床シートと同様の青と薄紫色の2色となっている。
  • 運転席は濃い紫色に変更されている。
  • 床敷物の色は24編成までは31・32編成と同じであるが、25編成は中央部がクリーム系の色で、両側が茶色のかかった灰色に変更されている。25編成の床の色は2000系の11編成にも引き継がれている。
  • 2008年から改造が始まり、25編成・24編成・21編成・22編成・23編成の順にがロングシート化等の改造が行われ、オリジナルの内装を持つ編成は消滅した。詳細については後述する。なお、23編成の改造をもって大阪高速鉄道からクロスシート車は消滅した。

  1. ^ 交友社「鉄道ファン」1990年2月号新車ガイド4「大阪モノレール1000系」pp.56 - 59。
  2. ^ a b ジェー・アール・アール編『私鉄車両編成表 2022』交通新聞社、2022年、204頁。
  3. ^ ジェー・アール・アール編『私鉄車両編成表 2023』交通新聞社、2023年、204頁。
  4. ^ a b ジェー・アール・アール編『私鉄車両編成表 2021』交通新聞社、2021年、204頁。
  5. ^ nissei.softcreamの投稿(647877528729231) - Facebook
  6. ^ a b 大阪モノレール中期経営計画2017 – 2021 (PDF) - 大阪高速鉄道 2017年3月
  7. ^ “大阪モノレール1000系1132編成が陸送される”. railf.jp (鉄道ファン). (2020年8月9日). https://railf.jp/news/2020/08/09/200000.html 
  8. ^ 大阪モノレール<公式>のツイート (2020年9月8日)
  9. ^ さよなら1000形02編成【公式】 - YouTube大阪モノレールチャンネル【公式】
  10. ^ 大阪モノレール<公式>のツイート (2021年8月5日)


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