大阪高速鉄道1000系電車
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車両の更新・改造
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クロスシート車のロングシート化
2000年代に入り、本線を中心にラッシュ時の混雑が激しくなり、その対策として2007年からクロスシート車のロングシート改造が開始された。2007年には最初の改造として、クロスシート車最古の31編成が改造された。改造後の内装は次のとおり2000系の17編成とほぼ同様となっている。
- 薄紫色の浅いバケット式ロングシート。
- 15編成以降と同様にロングシートの中央にもスタンションポールを設置。
- ドアブザーから12編成以降と同様のドアチャイムへの変更。
- ドアチャイムと連動してドアの開閉を示す赤色の開閉予告灯のドア上部への設置。
- 12編成以降と同様の石材調の色の床材への張り替え。
- 12編成以降と同様に、蛍光灯カバーの省略。
相違点は、運転台の後ろの前面展望用の2人がけ高床シートの色が薄紫色1色であることである。従来は全て灰色だったゴムは、ドアを閉じた時にドア同士が接触する部分のみ黒色のものに交換されている。窓ガラスを固定する灰色のゴムや1両目と2両目間の広い貫通幌などはオリジナルのままとなっている。31編成はクロスシート車で唯一、側面方向幕がなかったが、今回の改造で取り付けられた。
また、新たな試みとして、各車両につき対角線上の2か所のドア上に「案内情報画面」が設置されている。案内情報画面は2つの小型液晶ディスプレイからなり、左側は日本語・英語・中国語・韓国語で次駅の案内などを表示し、右側は「モノレールニュース」と題する広報ビデオをエンドレスで放映していたが、現在はそれに加えて「GAMBA EX」と題するJリーグガンバ大阪の応援番組と交互で放映している。改造当初は4:3比率の画面であったが、2008年になって16:9サイズのワイド液晶に交換された。また、31編成の改造のあと、01編成から06編成までの改造を優先させたために、クロスシート車の次の改造は1年以上後となった。
2008年8月に32編成の改造が完成した。31編成の改造との相違点は、次のとおりである。
- 32編成には最初からLEDの案内表示機が設置されていたが、今回の改造ではそれがそのまま残され、「案内情報画面」への交換はされなかった。
- 照明の蛍光灯カバーは撤去されずに存置されている。
- ゴムは31編成とは逆に窓ガラスを固定する部分は黒色のものに交換されているが、ドアを閉じた時にドア同士が接触する部分は灰色のまま交換されていない。
2008年11月には25編成の改造が完成した。25編成は中間車のみクロスシートであったが、今回の改造ではもともとロングシートであった制御車のシートも交換されている。シート形状やシート端部の形状は31・32編成に準じているが、ドア間の定員は制御車が12人掛け、中間車が10人掛けになっている。LEDの案内表示機の存置と「案内情報画面」が設置されなかった点や照明カバーの存置は32編成と同様である。ゴムは32編成と同様の部分のみ交換されている。2009年1月には24編成の改造が完成した。改造の内容は25編成と同じである。2009年5月には21編成の改造が完成した。この改造では25編成の改造に準じているが、天井部分にも更新が加えられ、再び蛍光灯のカバーが撤去されている。また、改造にあわせて広告ラッピングが外されている。2009年7月に完成した22編成の改造は21編成と同様である。2009年9月には23編成の改造が完成し、クロスシート車は消滅した。
なお、これらの車両は車内改造とは別に、2014年頃に第31編成以外の編成の前照灯が白色LEDに更新されている。
01 - 06編成の改造
1000系最初の編成である01 - 06編成は車椅子スペースや側面方向幕・車外スピーカーがなかったため、全車両とも改造を受けた。2007年に最初の改造として02編成、次いで06編成、05編成、03編成が改造された。2008年に入ってから01編成、04編成が改造された。31編成同様、2000系に準じた車内に改造され、運転席後ろには前面展望用の2人がけ高床シートが設置された(改造前はロングシートだった)。外部には側面方向幕や車外スピーカーも取り付けられている。また、蛍光灯も連続して取り付けられており、蛍光灯カバーはない。31編成の改造との相違点は、次のとおりである。
- ロングシートが改造前と同じ12人掛けのままで、ロングシートの中央にあるスタンションポールによって6人掛けずつに分けられている。
- ロングシート端部の肘掛け用の仕切り板がなく、パイプのみとなっている。
- ロングシートは、02編成の改造当初は全車両のロングシートとも32編成のシート同様の薄紫色の縫い目によって一人あたりの区分が示されているタイプに変更されている。なお、その後中間車のみ31編成改造車と同様の浅いバケット式ロングシートに交換され、最終的には全車両のシートが交換された。その後の編成は改造当初から浅いバケット式ロングシートとなっている。
- ゴムが、運転席との仕切りの窓を除き、すべて黒色のものに交換されている。
- 02編成ではドア上の案内情報画面は、改造当初は準備工事のみ施されていて、液晶ディスプレイは取り付けられていなかった。4:3サイズの型枠が取り付けられていたが、その後16:9サイズのワイド液晶ディスプレイが取り付けられている。
- 以降の編成の改造は、02編成の改造と微妙な差異がある。
- 06編成の改造では、ロングシートが、全車両とも改造当初から31編成改造車と同様の薄紫色の浅いバケット式ロングシートになっている。ドア上の案内情報画面に、改造当初から液晶ディスプレイが取り付けられている。31編成とは異なり16:9サイズを採用しており、案内表示も相違点がある。「しんたまご」ラッピング車は、側面方向幕がちょうど「全農」のロゴの部分に当たったために、ロゴが少し右側に移されている
- 05編成の改造では、改造当初はドア上の案内情報画面は再び準備工事のみ施されていた。なお取り付け枠は02編成と異なり16:9サイズ用が準備されていたが、その後すぐに取り付けられている。
- 03編成の改造では、改造当初からワイド液晶画面が搭載されている。中間車の窓の上に「ビルも人も笑顔がいい」というコピーが書かれていたが、そのコピーの中間に当たる「も笑」の2文字の上3分の2に改造により側面方向幕がかかり、営業運転復帰後数日間だけその文字の大部分が欠けたまま営業運転に入っていたが、その後コピーの位置を窓のすぐ下に移している。
- 01編成の改造では、「彩都号」の広告ラッピングを外している。
運転席の椅子は各編成とも改造前と変わらない緑色である。また、2017年から方向幕をフルカラーLEDに、LED式車内案内表示機を液晶ディスプレイに更新した編成も登場している。
安全性の向上における更新
大阪モノレール中期経営計画[6]において、1000系・2000系のうち13編成に対し、新型車両3000系に準じた改造を行うと発表され、2017年度に21編成・22編成・23編成が、2020年度に24編成・25編成が以下の内容で改造が行われた。
- 先頭車両の一部座席を撤去し、非常用脱出シューターを設置。
- ATC装置の更新。
- 前面・側面の行先表示が幕式からフルカラーLEDに交換され、駅番号も表示されるようになった。
- 既存のLED式車内案内表示装置に代わり、ドア上に4:3サイズの案内情報画面が設置されたが、対角線上の2か所に設置された01 - 06編成や31編成と異なり4か所全てに設置されており、案内のフォーマットも異なる。
- ^ 交友社「鉄道ファン」1990年2月号新車ガイド4「大阪モノレール1000系」pp.56 - 59。
- ^ a b ジェー・アール・アール編『私鉄車両編成表 2022』交通新聞社、2022年、204頁。
- ^ ジェー・アール・アール編『私鉄車両編成表 2023』交通新聞社、2023年、204頁。
- ^ a b ジェー・アール・アール編『私鉄車両編成表 2021』交通新聞社、2021年、204頁。
- ^ nissei.softcreamの投稿(647877528729231) - Facebook
- ^ a b 大阪モノレール中期経営計画2017 – 2021 (PDF) - 大阪高速鉄道 2017年3月
- ^ “大阪モノレール1000系1132編成が陸送される”. railf.jp (鉄道ファン). (2020年8月9日)
- ^ 大阪モノレール<公式>のツイート (2020年9月8日)
- ^ さよなら1000形02編成【公式】 - YouTube大阪モノレールチャンネル【公式】
- ^ 大阪モノレール<公式>のツイート (2021年8月5日)
固有名詞の分類
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