大町市 概要

大町市

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/01 02:00 UTC 版)

概要

市の北部には仁科三湖と呼ばれる3つの構造湖が南北に連なっており、糸魚川静岡構造線活断層系が走っていると考えられている。 大町・北安曇地区の唯一の市であり、政治・経済の都市機能が集積している。

地理

大町市中心部周辺の空中写真。1977年撮影の8枚を合成作成。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成。
後立山連峰仁科三湖及び市郊外を流れる高瀬川

長野県の北西部に位置し[1]、市の面積の88パーセントは森林である[2]

位置

信濃川の最上流部にあり[2]、市の西部には標高3,000メートルの広大な北アルプス、東部には1,000メートル近い山々がそれぞれ連なる山岳文化都市である[1]富山県長野県を結ぶ「立山黒部アルペンルート」の長野県側の玄関口である[3]。 山に挟まれた盆地高瀬川が南北に縦断している。

地形

地質

北アルプスから流れる鹿島川と高瀬川の扇状地にある[4][5]。糸魚川静岡線に沿った断層谷を中心に広がる地にあり、多くの地下水が集まって湧出し、冬が長い豪雪地帯でもあるため雪解け水にも恵まれる[4][6]。古来、これら豊富な水資源を利用した稲作・そばなどの産業が発展した[4]

山岳

2008年(平成30年)、鹿島槍ヶ岳のカクネ雪渓が日本で4カ所目、長野県内では初めての「氷河」と認定された[2]

主な山

河川・湖沼

北アルプスから出る高瀬川や鹿島川など豊富な水量を誇る複数の河川と、天然の湖である仁科三湖のほか、水力発電のために人工的に造られたダム湖「高瀬ダム」「七倉ダム」「大町ダム」などがある[2]。仁科三湖は湖沼からの湧水を主な水源として天然のため池の役割を果たし、ここで温められた水は農具川によって下流の耕地を潤した[5]。農具川沿いでの稲作は約2000年前に始まったとみられる。市街地には生活用水を供給する呑堰(のみぜき)が巡らされており、町川が流入する要所地には「水分神(みくまりのかみ)」として若一王子神社を祀っている[5]

主な河川
主な湖

人口

"大町市"と全国の年齢別人口分布(2005年) "大町市"の年齢・男女別人口分布(2005年)
紫色 ― "大町市"
緑色 ― 日本全国
青色 ― 男性
赤色 ― 女性

"大町市"(に相当する地域)の人口の推移
総務省統計局 国勢調査より

隣接自治体

長野県
富山県
岐阜県

気候

寒暖の差が大きく気温の年較差、日較差が大きい顕著な大陸性気候である。旧八坂村地域を除き、豪雪地帯に指定されている。冬季は-15℃前後の気温が観測されることが珍しくなく、寒さが厳しい。

大町(1991-2020)の気候
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高気温記録 °C°F 13.7
(56.7)
18.0
(64.4)
22.6
(72.7)
28.2
(82.8)
31.8
(89.2)
34.6
(94.3)
34.9
(94.8)
35.5
(95.9)
32.8
(91)
28.2
(82.8)
24.0
(75.2)
18.3
(64.9)
35.5
(95.9)
平均最高気温 °C°F 1.6
(34.9)
2.8
(37)
7.4
(45.3)
15.0
(59)
20.8
(69.4)
23.8
(74.8)
27.2
(81)
28.5
(83.3)
23.7
(74.7)
17.7
(63.9)
11.6
(52.9)
4.8
(40.6)
15.4
(59.7)
日平均気温 °C°F −2.8
(27)
−2.3
(27.9)
1.6
(34.9)
8.0
(46.4)
14.0
(57.2)
17.9
(64.2)
21.6
(70.9)
22.4
(72.3)
18.1
(64.6)
11.8
(53.2)
5.8
(42.4)
0.2
(32.4)
9.7
(49.5)
平均最低気温 °C°F −7.5
(18.5)
−7.4
(18.7)
−3.4
(25.9)
2.0
(35.6)
8.1
(46.6)
13.2
(55.8)
17.4
(63.3)
18.0
(64.4)
13.9
(57)
7.2
(45)
0.9
(33.6)
−3.9
(25)
4.9
(40.8)
最低気温記録 °C°F −17.0
(1.4)
−18.0
(−0.4)
−14.5
(5.9)
−11.1
(12)
−1.2
(29.8)
3.6
(38.5)
10.3
(50.5)
9.0
(48.2)
2.0
(35.6)
−4.2
(24.4)
−7.6
(18.3)
−14.8
(5.4)
−18.0
(−0.4)
降水量 mm (inch) 84.7
(3.335)
78.1
(3.075)
100.1
(3.941)
98.1
(3.862)
111.5
(4.39)
159.4
(6.276)
195.3
(7.689)
136.1
(5.358)
165.0
(6.496)
129.1
(5.083)
69.8
(2.748)
78.8
(3.102)
1,405.9
(55.35)
降雪量 cm (inch) 164
(64.6)
133
(52.4)
76
(29.9)
5
(2)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
6
(2.4)
73
(28.7)
454
(178.7)
平均月間日照時間 107.2 125.3 163.4 185.1 198.4 146.6 137.4 169.4 118.9 137.6 132.2 108.6 1,730
出典:気象庁[7]

  1. ^ a b 『わたしたちの大町市』大町市教育委員会、2020年、3頁。 
  2. ^ a b c d 『わたしたちの大町市』大町市教育委員会、2020年、4頁。 
  3. ^ 『わたしたちの大町市』大町市教育委員会、2020年、5頁。 
  4. ^ a b c 『わたしたちの大町市』大町市教育委員会、2020年、14頁。 
  5. ^ a b c 『信濃大町』まちなみカントリープレス、2014年、42頁。 
  6. ^ 大町市史編纂委員会『大町市史 第1巻自然環境』大町市、1984年、494頁。 
  7. ^ 大町 1991-2020年”. 気象庁. 2024年3月7日閲覧。
  8. ^ a b 大町市教育委員会『わたしたちの大町市』大町市教育委員会、2020年、06頁。 
  9. ^ a b c d 『大町市制施行50周年記念誌 やまなみ仰ぎて』(2004年10月、大町市発行)、p2-3。
  10. ^ 『わたしたちの大町市』大町市教育委員会、2020年、3頁。 
  11. ^ 『わたしたちの大町市』大町市教育委員会、2020年、8頁。 
  12. ^ 『わたしたちの大町市』大町市教育委員会、2020年、10頁。 
  13. ^ 令和5年4月9日執行長野県議会議員一般選挙市町村別投票結果確定速報”. 長野県庁 (2023年7月10日). 2023年10月22日閲覧。
  14. ^ 大町市教育委員会『わたしたちの大町市』大町市教育委員会、2020年、13頁。 
  15. ^ 大町市教育委員会『わたしたちの大町市』大町市教育委員会、2020年、12頁。 
  16. ^ 『市立大町山岳博物館 研究紀要』市立大町山岳博物館、2023年、51頁。 
  17. ^ 地球の歩き方編集室『ダムの歩き方』ダイヤモンド社、2018年、56頁。 
  18. ^ 市立学校通学区域の再編審議等の経過について
  19. ^ http://www.omachi-sanpaku.com/ 大町山岳博物館






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