コンピュータウイルス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/02 07:34 UTC 版)
誤解
本来は特定の働きを持つマルウェアの一種を指す「ウイルス」という語であるが、任意のマルウェアや、さらにはプログラムではない誤動作を起こさせるデータをも指して使われる誤用が大変多い。
以下、その他の誤解について解説する。
ウイルスとコンピュータウイルスの混同
生物学上のウイルスとサイバー上のコンピュータウイルスの違いがまったく分からないか理解しきれていないほどの場合には、コンピュータから人間に対して病原体が感染すると勘違いすることがある。その大規模な例としては、2007年4月上旬にアフガニスタンから発してパキスタンにまで流布した「携帯電話を介して伝染する致死性ウイルスが発生した」という噂を挙げることができる[13]。これは、カブール市内で未知のウイルスが発生してすでに死亡者が数人出ているらしいという噂が多くの携帯電話ユーザーの耳にも届き、ユーザーらがウイルスとコンピュータウイルスを混同したことに端を発したもので、「特定の電話番号からの着信に出てしまうとそこにはウイルスが仕込まれていて致死性の病原体に感染してしまう」「だから、心当たりのない電話番号からの着信に出てはならない」という注意喚起を家族や友人同士でやり合ってしまったことで際限なく拡大したわけである[13]。その結果、沈静化のための声明を携帯電話各社と政府が発表する事態にまで発展した[13]。
ほかにも人間に影響を及ぼすコンピュータウイルスの噂はコンピュータネットワーク上で多数流布している。しかしながら、その大部分は小説・漫画・アニメなどの創作物から派生したものである。古くは『セーラームーン』に「コンピュータから離れて!」という台詞がある。また、長時間見つめると精神に異常をきたすというflashやGIF、長時間聴くと自殺したくなるという音楽ファイルなど、生理的作用を標榜する各種ファイルも数多く存在する。
注釈
出典
- ^ 情報処理推進機構 セキュリティセンター (IPA/ISEC) (2012年3月16日). “コンピュータウイルス対策基準”. 公式ウェブサイト. 独立行政法人 情報処理推進機構. 2020年5月23日閲覧。
- ^ “情報技術用語データベース JIS X 0008:2001 情報処理用語(規制,完全性及び安全保護) 2001改正●1987制定”. Yamasaki Lab (2001年). 2020年5月23日閲覧。
- ^ 独立行政法人 情報処理推進機構 (2004年1月5日). “コンピュータウイルス対策基準”. 公式ウェブサイト. 経済産業省. 2020年5月23日閲覧。
- ^ 英国の賭博サイトを停止させる恐喝犯 [リンク切れ] @police(警察庁)、2004年04月06日。
- ^ 三柳英樹 (2006年4月17日). “命令を受けて2ちゃんねるへの攻撃を行なうボット「Trojan.Sufiage.C」”. INTERNET Watch. Impress Watch. 2020年5月23日閲覧。
- ^ Singh, Amit (2004年6月). “A Taste of Computer Security”. Kernelthread.com. Digital Life: Viruses. 2020年5月23日閲覧。
- ^ Cohen, Fred (1984年). “Computer Viruses - Theory and Experiments”. Fred Cohen & Associates. 2020年5月23日閲覧。
- ^ Ludwig (1995).
- ^ Raymond (1996).
- ^ Ford and Spafford (2007).
- ^ 「【中国軍事情勢】厚いベールに包まれた人民解放軍サイバー部隊 「網電一体戦」構想で一体何を仕掛けようとしているのか?」『産経ニュース』産業経済新聞社、2016年3月5日、1面。2020年5月23日閲覧。
- ^ http://www.symantec.com/region/jp/news/year04/040922.html [リンク切れ][出典無効]
- ^ a b c 「携帯電話で感染する致死性ウイルスのうわさ、アフガニスタン」『Reuters.com』ロイター、カーブル(16日)、2007年4月27日。2020年5月23日閲覧。
固有名詞の分類
マルウェア |
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