キノクニシオギク キノクニシオギクの概要

キノクニシオギク

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/25 16:26 UTC 版)

キノクニシオギク
キノクニシオギク
三重県度会郡南伊勢町にて、2020年12月
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: キク目 Asterales
: キク科 Asteraceae
: キク属 Chrysanthemum
: キノクニシオギク C. kinokuniense
学名
Chrysanthemum kinokuniense (Shimot. et Kitam.) H.Ohashi et Yonek.[1]
シノニム
  • Dendranthema shiwogiku (Kitam.) Kitam. var. kinokuniense (Shimot. et Kitam.) Kitam.[2]
  • Chrysanthemum shiwogiku Kitam. var. kinokuniense Shimot. et Kitam.[3]
和名
キノクニシオギク

特徴

イソギクとシオギクとの中間的な形態[4]の下部はやや匍匐し、高さ20-30 cm[8]は厚く、長さ2-5 cm、幅1-3 cmで全縁または上半は羽状に浅裂し、裏面は銀白色で[8]縁は白色[9]。イソギクに似ていて[4]、シオギクよりも細長く[6]、倒披針形のものが多く、羽状浅裂する[5]花序頭状花序で、頭花は直径8 mm前後で、多数の筒状花をつけ[8]、イソギク(直径約5 mm[9])より少し大きく、シオギク(直径8-10 mm[9])との中間くらい[4]花柄はイソギクより長く、頭花はイソギクほど密生しない[5]。頭花のまわりの雌花はノジギクのような舌状にならない[4]。花期は10-12月[4]。毎年地上部は期に枯れて、根茎また は茎の基部から新芽を伸ばして翌年茎となり栄養繁殖する[10]。また種子繁殖もして新しい個体が生じる[10]

日ノ御崎周辺ではシマカンギクとの雑種であるヒノミサキシオギク(D. x ogawae Kitam.)がよく見られる[4][5]。本種と栽培菊、リュウノウギクとの雑種も発見されている[4][5]

分布と生育環境

海を臨む斜面の土壌のあるところや、岩壁の隙間などに生育するキノクニシオギク
三重県志摩市にて

日本紀伊半島固有種[8]三重県和歌山県に分布する[4][5]。東限は三重県鳥羽市国崎町で、志摩市大王崎、御座岬)、尾鷲市元行野、熊野市新鹿町鬼ヶ城、羽市木)、和歌山県東牟婁郡那智勝浦町宇久井半島駒が崎、太地町梶取崎串本町(古座石切、紀伊大島の戸島崎と樫野崎、出雲崎、潮岬)、西牟婁郡すさみ町白浜町など、日高郡美浜町日ノ御埼にかけて[10]太平洋海岸に沿って分布する[4][5]

を臨む斜面の土壌のあるところや、岩壁の隙間などの直接を被らない場所[8]に生育する[10]。特に岩壁や断崖上に群落をなすことが多い[11]ノイバラアゼトウナハマボッスなどがわずかに混じり、トベラハマヒサカキが混じる場合もある[11]


  1. ^ a b c 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “キノクニシオギク”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2021年8月16日閲覧。
  2. ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “キノクニシオギク”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2021年8月16日閲覧。
  3. ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “キノクニシオギク”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2021年8月16日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m 門田 (2013)、525頁
  5. ^ a b c d e f g h 佐竹 (1981)、165頁
  6. ^ a b c 林 (2009)、71頁
  7. ^ 下斗米 (1968)、498頁
  8. ^ a b c d e f 和歌山県レッドデータブック「2012年改訂版」、植物” (PDF). 和歌山県. pp. 321. 2021年8月17日閲覧。
  9. ^ a b c d e f g 門田 (2013)、524頁
  10. ^ a b c d 下斗米 (1968)、499頁
  11. ^ a b 谷口 (1958)、159頁
  12. ^ イソギク”. 筑波実験植物園. 2021年8月17日閲覧。
  13. ^ a b c d e 下斗米 (1968)、505頁
  14. ^ レッドデータブックあいち2020、イソギク” (PDF). 愛知県. pp. 182. 2021年8月17日閲覧。
  15. ^ 京都府レッドデータブック2015、イソギク”. 京都府. 2021年8月17日閲覧。
  16. ^ 環境省レッドリスト2019の公表について”. 環境省. 2021年8月17日閲覧。
  17. ^ 吉野熊野国立公園特別地域内で許可を受けずに採ってはいけない植物”. 三重県. 2021年8月17日閲覧。
  18. ^ 三重県レッドデータブック2015、維管束植物” (PDF). 三重県. pp. 640. 2021年8月17日閲覧。


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