キノクニシオギク
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/25 16:26 UTC 版)
近縁種との識別ポイント
形態が似る同属のシオギクとイソギクとの識別ポイントを下表に示す。キク属は、染色体の数を大きく変化させながら進化したことが知られていて、染色体数が8倍体(2n=72)のシオギクが太平洋岸を西から東に向かって染色体の数を増やしながら、染色体数が10倍体(2n=90)のイソギクに進化したものと見られている[12]。本種は染色体数は8倍体(2n=72)と10倍体(2n=90)があり、8倍体の個体の外部形態はシギクに、10倍体の個体はイソギクにそれぞれかなり似ている[13]。本種は8倍体のシオギクと10倍体のイソギクとの間の移入交雑によってできたものと推定されている[13]。
和名 学名 |
画像 | 識別のポイント |
---|---|---|
シオギク C. shiwogiku |
頭花直径:8-10 mm[9] 分布域:徳島県、高知県[9] 染色体数:8倍体(2n=72)[13] | |
キノクニシオギク C. kinokuniense |
頭花直径:8 mm前後[4] 分布域:三重県、和歌山県[4] 染色体数:8倍体(2n=72)、10倍体(2n=90)[13] | |
イソギク C. pacificum |
頭花直径:約5 mm[9] 分布域:千葉県、東京都、神奈川県、静岡県[9]、愛知県[14]、 (京都府、島根県、山口県[15]) 染色体数:10倍体(2n=90)[13] |
種の保全状況評価
日本では環境省による国レベルのレッドリストの指定を受けていないが[16]、分布域の以下の両県でレッドリストの指定を受けている。吉野熊野国立公園の指定植物で、特別地域内で許可を受けずに採取又は損傷してはいけない対象種の指定を受けている[17]。
脚注
- ^ a b c 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “キノクニシオギク”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2021年8月16日閲覧。
- ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “キノクニシオギク”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2021年8月16日閲覧。
- ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “キノクニシオギク”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2021年8月16日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m 門田 (2013)、525頁
- ^ a b c d e f g h 佐竹 (1981)、165頁
- ^ a b c 林 (2009)、71頁
- ^ 下斗米 (1968)、498頁
- ^ a b c d e f “和歌山県レッドデータブック「2012年改訂版」、植物” (PDF). 和歌山県. pp. 321. 2021年8月17日閲覧。
- ^ a b c d e f g 門田 (2013)、524頁
- ^ a b c d 下斗米 (1968)、499頁
- ^ a b 谷口 (1958)、159頁
- ^ “イソギク”. 筑波実験植物園. 2021年8月17日閲覧。
- ^ a b c d e 下斗米 (1968)、505頁
- ^ “レッドデータブックあいち2020、イソギク” (PDF). 愛知県. pp. 182. 2021年8月17日閲覧。
- ^ “京都府レッドデータブック2015、イソギク”. 京都府. 2021年8月17日閲覧。
- ^ “環境省レッドリスト2019の公表について”. 環境省. 2021年8月17日閲覧。
- ^ “吉野熊野国立公園特別地域内で許可を受けずに採ってはいけない植物”. 三重県. 2021年8月17日閲覧。
- ^ “三重県レッドデータブック2015、維管束植物” (PDF). 三重県. pp. 640. 2021年8月17日閲覧。
- 1 キノクニシオギクとは
- 2 キノクニシオギクの概要
- 3 近縁種との識別ポイント
- 4 参考文献
- 5 外部リンク
- キノクニシオギクのページへのリンク