キクラゲ 栽培

キクラゲ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/18 15:25 UTC 版)

栽培

中国、台湾、日本、ベトナムなどで仲間のアラゲキクラゲなどと共に広く、原木か菌床で栽培される[4]。市販の乾燥品は、近縁種のアラゲキクラゲの栽培品であることが多い[3]

害菌抵抗性も高く、原木栽培は比較的容易。菌床栽培は農業用ハウスが転用できる[11]。生育温度が18 - 23℃程度であるため、菌床栽培では種菌接種から蔓延開始までの期間は、害菌に汚染されないための管理が重要である。温度や湿度の管理にIoT機器を利用する例もある[11]。地中に埋設する配水管路に使われるコンクリート製のボックスカルバートを利用した栽培システムのような効率的な手法であれば、初期費用は短期間で回収できるとされる[13]

日本で消費されるキクラゲの約90%は中国からの輸入であるが[13]、国内栽培に取り組む事業者もいる[14][11]

日本産のアラゲキクラゲの収穫量は岐阜県が1位、熊本県が2位、茨城県が3位、宮城県が4位[11]鹿児島県沖永良部島では特産のサトウキビから出るバガスを栄養源にして栽培されている。

原木栽培
  • 原木伐採は休眠期(11 - 3月)に行い、数か月の乾燥の後、種菌を接種する。
  • 排水良好な、直射日光の当らない、散水管理が可能な林地に伏せ込む。
  • 発生は、接種年の7月下旬頃から始まり、翌年は春から降雨の都度発生する。
  • 3 - 5年程度継続。
菌床栽培

原木に生えた状態の子実体は軟らかく破れやすいので、収穫は慎重に行う。いったん乾燥させてしまえば丈夫になる。


  1. ^ 文部科学省日本食品標準成分表2015年版(七訂)
  2. ^ a b c 猪股慶子監修 成美堂出版編集部編『かしこく選ぶ・おいしく食べる 野菜まるごと事典』成美堂出版、2012年7月10日、161頁。ISBN 978-4-415-30997-2
  3. ^ a b c d e f g h i j k l 吹春俊光 2010, p. 100.
  4. ^ a b c d e f g h i j k 瀬畑雄三監修 2006, p. 41.
  5. ^ 根田仁 『きのこミュージアム』(八坂書房、2014年)p.240
  6. ^ 今関六也、大谷吉雄、本郷次雄他・増補改訂新版『山溪カラー名鑑 日本のきのこ』(山と溪谷社、2011年)p.534
  7. ^ a b c d e 牛島秀爾 2021, p. 54.
  8. ^ 白水貴, 稲葉重樹, 牛島秀爾, 奥田康仁, 長澤栄史「日本産“Auricularia auricula-judae”および“A. polytricha”の分子系統解析と形態比較に基づく分類学的検討」『日本菌学会会報』2018年 59巻 1号 p.7-20, doi:10.18962/jjom.jjom.H30-02, 日本菌学会
  9. ^ a b c 吹春俊光 2010, p. 101.
  10. ^ 講談社 編『からだにやさしい旬の食材 野菜の本』講談社、2013年5月13日、212頁。ISBN 978-4-06-218342-0 
  11. ^ a b c d e f Corporation), NHK(Japan Broadcasting. “岩間瞳キャスターが取材!キクラゲ栽培に挑戦 25歳の農家”. www.nhk.or.jp. 2023年8月29日閲覧。
  12. ^ 鄭銀淑『食べ歩きが楽しくなる韓国料理用語辞典』(日本経済新聞社、2005年)p.290
  13. ^ a b コンクリを活用したキクラゲ栽培システムで生産効率向上へ ニュースイッチ by 日刊工業新聞社”. ニュースイッチ by 日刊工業新聞社. 2023年8月29日閲覧。
  14. ^ 「山口で純国産キクラゲ生産 印刷業の藤本コーポ、業務多角化」日経産業新聞』2021年1月6日(食品・日用品・サービス面)2021年4月3日閲覧





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