エンドレスナイト 番組の終了

エンドレスナイト

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/04 16:52 UTC 版)

番組の終了

関西地区で土曜深夜の時間帯に、唯一長時間の生放送番組を続けてきたエンドレスナイトだったが、1989年4月に、フジテレビ系列の土曜23時台の全国ネット枠が拡大。それまで関東ローカルの深夜番組で人気を博していたバラエティ番組「夢で逢えたら」(出演:ダウンタウンウッチャンナンチャン野沢直子清水ミチコ)が全国ネットに昇格。この番組が23時30分から24時までの放送になり、エンドレスエイト開始前に放送されていた『DATE LINE』『スポーツワイド プロ野球ニュース』が30分繰り下がったため、それまで24時45分前後の放送開始だった番組が、25時15分開始になった。

その後、番組は衰退を迎える。そして第12期ギャルズが登場した後に番組の終了が決まり、1990年春に発表された。

しかし番組末期も数多くのイベントを展開。1989年12月には「エンマガ」第8号に掲載された小説「エンドレスナイト殺人事件」(作/法月綸太郎)の舞台となった、滋賀県・竹生島を巡っての犯人探しツアー、大阪湾を航行する客船「さんふらわあ」を使ってのイベント、そして視聴者参加による大晦日のクイズ大会など、止まることはなかった。

さらに番組終了発表後も、番組キャスト・関係者総出演の映画「ラビットマン物語」を梅田コマ劇場で上映し、出演者が全員登場してのファイナルイベントも同時開催した。そして最終回は琵琶湖に浮かぶ豪華客船で行われた(但し最終回は録画放送)。歴代出演者や関係者などが総出演し、フィナーレは番組初期のオープニングテーマ曲「あの素晴しい愛をもう一度」を全員で歌い、6年間の歴史に終止符を打った。

エンドレスナイトが残したもの

放送開始時刻の繰り下げはあったものの、それでも大きな支持を受けたエンドレスナイトは、それまでの関西の情報バラエティ番組にはなかった手法を生み出し、テレビ番組の形態に影響を与えた。加えてこの番組をきっかけに「情報」と「バラエティ」をミックスした形の番組は数多く生まれた他、グッズや本といった番組外でのコンテンツ収入の可能性をテレビ界に与えた。

第2のエンドレスナイト「熱血!ハイテンション」

エンドレスナイトの終了以降、関西テレビでは深夜の生放送は一時なくなったが、1993年には3年ぶりに深夜の生放送が復活する。「熱血!ハイテンション」というタイトルで、エンドレス時代のスタッフも参加。出演者は松澤一之(俳優)、角田信朗(格闘家)など。これにセクシー女性タレントグループのT-BACKSが加わった。視聴者とのコミュニケーションツールに家庭でも普及してきたファクシミリを使用。エンドレス出演経験のある角田の登場もあって「第2のエンドレスナイト」と期待する声もあったが、既にバブル経済も弾け、深夜番組にも予算削減の波が押し寄せていた事もあり、短期間で終了した。

しかし「様々な人気者」の項にもあるように、この番組の横山順一ディレクターが正道会館の門下生や、館長の角田を再三テレビに登場させ、さらに「熱血」では角田を司会に起用するなど、そのキャラクターにも注目していた事、現在も格闘技界の第一人者として、そしてTVタレントとしても活躍している事実からもわかるように、エンドレスナイトがその嚆矢となり、今日も続く格闘技ブームの先駆的存在であった。

この頃(1990年代前半)、関西地方で人気のあった深夜のテレビ番組に、1992年10月に放送を開始した、毎日放送テレビの「テレビのツボ」(月曜〜金曜・深夜生放送/司会:ぜんじろう大桃美代子藤岡久美子)があった。これはエンドレスナイトとは対照的に、低予算を売りにした番組で、テレビに関することなら、自局のこと以外も紹介するというアナーキーさが受けていた。

この「テレツボ」でも、一度「エンギャルは今」という特集が放送された。この時に横山ディレクターと、第5期エンギャルの中村里花(貝津幸典ディレクター夫人)がゲスト出演し、当時のエピソードを語った。放送終了から2年以上経ても、こうした形で、且つ他局の番組で取り上げられている。

大型特番に残るエンドレス色

当時の番組スタッフが手がけた後の番組にも、エンドレス当時のテイストを色濃く残したものも多かった。前出の「MAGMA30」がそうであったように、生放送とイベントを合体させた、関西テレビ開局35周年記念特別番組「アスメディア88祭り」(1993年8月7〜8日/17時間)などの大型スペシャルなどである。

また1995年と1996年に放送された「今年はこのくらいにしといたろスペシャル」(12月30日(1995年)、12月28日(1996年)・12:00〜18:00/司会:上岡龍太郎[注釈 3]板東英二やしきたかじん(95年のみ)・桂南光(95年のみ)・月亭八方(96年のみ)・桑原征平)では、移動中継車を使用しての視聴者プレゼント企画や、扇町公園に視聴者を集め、クイズ大会で優勝した人にその場で温泉旅行やハワイ旅行に招待する企画など、エンドレスナイト時代に培った「生放送とイベントの合体」が数多く放送された。これらの特別番組のプロデューサーには、エンドレスナイトの苧木晃ディレクター(当時)が名を連ねていた。

「ラビットマン」星になる

番組で「怪しいオカマキャラ」「紅ハンカチ」そして後期は「ラビットマン」「おぎピョン」などのニックネームで親しまれていた苧木晃ディレクターは、番組終了の後に深夜番組「ばらいろ海綿体」や、日中の情報ワイド番組「痛快!エブリデイ」「2時ドキッ!」をはじめ、数多くの番組を手がけたが、2002年5月25日に逝去した。47歳という若さで急死した彼を偲び、この年の11月、大阪市内のホテルで「苧木晃さんを偲ぶ会」が開かれた。発起人は「痛快!エブリデイ」司会の桂南光、ハイヒールリンゴ・モモコ。賛同人にばんばひろふみと兵藤ゆきの名前があった。

会場内では彼が手がけた数多くの番組に加え、エンドレスナイト時代に制作された、苧木ディレクター主演の映画「ラビットマン物語」が上映された。また、この会の席上で、苧木ディレクター(プロデューサー)のテレビマンとしての功績を讃え「関西ディレクターズ大賞」特別賞が贈られた。

千草プロデューサーのその後

「シーチャカ」のあだ名で親しまれ、そのキャラクターが視聴者から絶大な支持を受けた千草宗一郎プロデューサー(1986〜1988年担当)は、2005年6月23日に開かれた関西テレビ株主総会取締役会での決議事項を受けて、同社の代表取締役社長に就任した。

1986年9月、それまで番組を統括していた上沼真平プロデューサーが、土曜日の朝のワイドショー「シュートinサタデー」の立ち上げのため、一時的に番組から離れ、その穴埋めのために登場した千草だが、その独特な風貌が視聴者に衝撃を与え、たちまち番組の人気者となった。一方でカメラに映ると「イヤイヤ」と照れる様からその真面目さも伝わり、番組のファンを拡大した。しかし1988年春、当時の制作部内のシフトチェンジで番組を去るも、大晦日のスペシャル放送、そして番組の最終回などの節目には必ず登場し「エンドレスにシーチャカ千草あり」を印象づけた。

エンドレスナイト担当を外れた後、千草は「ノックは無用!」のプロデューサー、また「鶴瓶の1/10女子マラソン」をはじめ、スポーツバラエティー番組を制作し、その後古巣であるスポーツ局に異動。毎年1月に開催される「大阪国際女子マラソン」の陣頭指揮を執り、この他のスポーツ関連のイベントや特別番組を数多く手掛けた。

その後、2000年に事業局長、2001年に営業局長。2003年からは取締役となった。これまで関西テレビの社長は、大株主の産経新聞阪急電鉄(現・阪急阪神ホールディングス)、フジテレビジョンの出身者が務めてきたが、関西テレビからの生え抜きでは千草が初めてとなった。

しかし2007年、千草は全国ネット放送だった「発掘!あるある大事典II」(2007年1月打ち切り)のデータ捏造問題の対応に追われ(同年1月、2月の2回「月刊カンテレ批評」に自ら出演し、視聴者に謝罪している)、この年の4月3日、遂に引責辞任した。その後、取締役を経て、相談役へ退いている。

時を刻み続ける

天保山にあるエンドレスナイトの時計台

昭和63年(1988年)、番組では「ロータスクーポン100万点大作戦」と称して、視聴者と番組関係者が一体となって、食品や家庭用品などのパッケージに付いているロータスクーポンを集めた。番組の人気と、参加者の熱意が功を奏し、約4ヶ月で100万点分を集めた。そして「番組の名がいつまでも残るようなものを作ろう」と提案し、この年の夏「日本一低い山」と呼ばれている、大阪市港区天保山に時計台を設置、市に寄贈した。この時計台には「endless night」の文字が刻まれており、当時とは一変した天保山エリアの中で、21世紀を超えてもなお、時を刻み続けている。

CSでの再放送『復活!エンドレスナイト』

2005年11月9日の深夜(11月10日未明)1時50分から、関西テレビで『復活!エンドレスナイトって!?』が放送され、ばんばひろふみ杉山一雄アナ、山本浩之アナらが、当時の映像と共に番組の思い出を振り返った。

また、CS放送の『関西テレビ☆京都チャンネル』(スカイパーフェクTV!Ch.726。JCNなど一部ケーブルテレビでも放送)で2005年11月26日深夜(11月27日未明)から『復活!エンドレスナイト』と題した再放送が放送され、1987年1月10日に放送されたものから順次放送されている。また、この再放送開始にあたって、番組のステッカーを復刻。当時の放送を見ての感想を寄せた視聴者と、当時番組で放送したイラストを書いていた投稿者にプレゼントしていた。

再放送の放送時間が2時間のため、一部のコーナーのみの放送となった(放送前にこの番組はダイジェスト版ですと断りがあった)。放送されたコーナーは番組内容の項を参照されたい。CMは放送されなかったが、コーナーの合間に放送当時のエンドレスギャルズ(6期・7期)の紹介や番組グッズの紹介、天保山の時計台のフィラーが流れていた。

なお、「あるある捏造問題」の影響により、2007年1月27日より放送を休止していたが、3月3日の放送より再開した。ただし、千草プロデューサー(当時)の出演部分やエンディングスタッフロールでの名前表示部分がカットされた状態での放送となった。そして12月に放送された『エンドレスナイトスペシャル』(1987年12月31日深夜〜1988年1月1日早朝にかけて放送。第7代エンドレスギャルズ卒業の回でもあった)の再編集版の放送をもって、CSでの再放送を終了した。

なお『復活!エンドレスナイト』を放送していた『関西テレビ☆京都チャンネル』は、関西テレビの経費削減などの関係から、2009年4月をもってチャンネルの放送を終了した。

復活版『勝手にエンドレスナイト』

2021年8月からAmazon Prime Videoの「カンテレドーガCHANNEL」で『勝手にエンドレスナイト』が配信されている[4]。MCは番組のファンである増田英彦ますだおかだ)と放送作家の小林仁


注釈

  1. ^ この意向は関西テレビのみならず在阪のテレビ局には共通で見られた。特に厳しかったのは朝日放送テレビであり、当時のテレビ朝日のお色気番組の看板であった『トゥナイト』を一切受けずに『ナイトinナイト』を立ち上げたのはこの所以である。
  2. ^ その後、当時の郵政省からのクレームで「オールナイトフジ」からもお色気が排除された
  3. ^ 上岡は『歌って笑ってドンドコドン』(ラジオ大阪)を関テレの特設スタジオから生放送するため途中退席。(一部テレビとラジオでサイマル放送)

出典

  1. ^ a b c 日本民間放送連盟編「制作ノートから "君だけ"の、夢のある面白情報番組 エンドレスナイト / 上沼真平」『月刊民放』第15巻第5号、日本民間放送連盟、1985年5月1日、37 - 39頁、NDLJP:3470993/19 
  2. ^ a b 日本民間放送連盟編「これぞローカル番組 在阪・在名テレビ10局」『月刊民放』第18巻第7号、日本民間放送連盟、1988年7月1日、14頁、NDLJP:3471031/8 
  3. ^ 嵐山メディアギャラリー・憧屋のホームページ
  4. ^ あの人気深夜番組が復活!?「勝手にエンドレスナイト」を、カンテレドーガCHANNELで配信 | 企業情報 | 関西テレビ放送 カンテレ 2021年8月22日



エンドレス・ナイト

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/10/23 02:56 UTC 版)

『エンドレス・ナイト』Endless Night)は、2015年のドラマ映画。監督はイザベル・コイシェ。スペイン=フランス=ブルガリア合作。


  1. ^ Isabel Coixet's Nobody Wants the Night to Open the 65th Berlinale”. ベルリン国際映画祭. 2015年1月10日閲覧。
  2. ^ Barraclough, Leo (2015年1月9日). “Berlin Film Festival to Open with Juliette Binoche Starrer ‘Nobody Wants the Night’”. バラエティ. 2015年1月10日閲覧。
  3. ^ Endless Night - Metro Films International”. 2017年1月8日閲覧。
  4. ^ Peter Bradshaw. “Berlin 2015 review: Nobody Wants the Night – Juliette Binoche's Arctic role requires more defrosting”. ガーディアン. 2016年4月3日閲覧。
  5. ^ SensaCine. “Nadie quiere la noche: Críticas de prensa”. SensaCine.com. 2016年4月3日閲覧。
  6. ^ 'The Bride' Leads Spain's Goya Award Nominations”. ハリウッド・リポーター. 2015年12月28日閲覧。


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