アマルガム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/17 18:48 UTC 版)
アマルガム(amalgam)は、水銀と他の金属との合金の総称である。
広義では、混合物一般を指す。水銀は他の金属との合金をつくりやすい性質があり、常温で液体になる合金も多い。
語源、英語での関連用語
アマルガムという語は、約1400年頃に使われるようになった。中世ラテン語のamalgamaまたは、古フランス語のamalgameを語源とする。
それらの語源は、ギリシャ語の「やわらかいかたまり」を意味するmalagmaまで遡る。別の説では、アラビア語のal-malghamから来た可能性も指摘されている[1]。
- amalgamate(動詞):アマルガメイト
- 訳:水銀と化合させてアマルガムにする、(会社が)合同[合併]する、(人種・思想が)混交[融合]する
- 1640年代から50年代にアマルガムを動詞として使用する為に、語形変化した[2]。
- amalgamation(名詞):アマルガメーション
- 訳:アマルガムにすること、合併、融合
- 1610年代に、アマルガムの古語から名詞に変化した[3]。
歯科治療用
アマルガムは歯科修復材料として知られる。アマルガムが歯科修復材料として使われだしたのは1826年のフランスといわれる。現在はあまり使われていない[4]。
銀スズアマルガム
現在使われているもので、銀とスズの合金に銅や亜鉛を添加した粉末を、水銀で練ったものである。歯質との接着性はないが、硬化時に膨張するためぴったり患部をふさげることや、なにより手軽で安価なことが長所であるが、見た目が金属色(銀灰色)で目立つこと、そして水銀が溶け出すおそれがあることが短所である。
銀スズ合金と水銀との反応はアマルガメーションと呼ばれる。反応は銀スズ合金粉末内に水銀が拡散し、合金の表面と水銀が反応する過程を経て中心に未反応部分を残しながら結晶化する。
- 反応式(非平衡)
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