こりつ‐は【孤立波】
孤立波(こりつは)solitary wave
孤立波
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/09/02 11:56 UTC 版)
孤立波(こりつは、英: solitary wave)とは、波動方程式の解 u(x, t) であって、|x| → ∞ で速やかに |u| → 0 となるものを指し、噛み砕いて言えば、ただ一つの山だけが伝わっていく波である。
概要
水面を伝わる孤立波に初めて注目して研究したのは、1834年のスコットランドの造船技術者ラッセルで、1895年にはオランダのD.J.コルテベークとド・フリースが浅い水の表面を伝わる波の方程式として ∂u/∂t + αu ∂u/∂x + β ∂3u/∂x3 = 0 を提案し、このKdV方程式が孤立波の解をもつことを示した[1]。
宇宙における孤立波
地球や太陽系の各惑星近傍では孤立波が観測衛星によって観測されている[2]。プラズマ中を伝わる孤立波は局所的で大きな双極電場を伴った波動として観測される。
先述の通り、孤立波を記述する理論モデルとしてKdV方程式が知られている。しかし宇宙空間では幅と振幅の比例関係がKdV理論に反する孤立波がしばしば観測されている。これはKdV方程式が導出過程で有限振幅での摂動展開を伴う弱非線形理論であることに起因していると考えられている。
そこで、宇宙空間での孤立波を説明するために摂動展開を用いないSagdeevの疑似ポテンシャルを用いた完全非線形理論による解析が行われている。実際に、完全非線形理論を用いた解析では、小振幅領域では孤立波の性質がKdV方程式と一致したうえで、完全非線形理論がその拡張となっていることが示されている[3]。
脚注
- ↑ 孤立波 - コトバンク(世界大百科事典)
- ↑ G. S. Lakhina et al. (2018). “A review of nonlinear fluid models for ion-and electron-acoustic solitons and double layers: Application to weak double layers and electrostatic solitary waves in the solar wind and the lunar wake”. Phys. Plasmas. doi:10.1063/1.5033498.
- ↑ S. S. Ghosh and G. S. Lakhina (2004). “Anomalous width variation of rarefactive ion acoustic solitary waves in the context of auroral plasmas”. Nonlin. Processes Geophys. doi:10.5194/npg-11-219-2004.
外部リンク
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