反例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/01 10:00 UTC 版)
反例(はんれい、英: counterexample)とは、ある主張について、それが成立しない例のことである。したがって、成立しない主張を指すものではない。つまり、論理式 ∀x P(x) が成り立たないことを証明するために導入される、¬P(a) を満たすような a のことである。
反例が存在する場合、∃x ¬P(x) が成立し、これが元の論理式の否定になるため、∀x P(x) は成り立たない。[1]
脚注または引用文献
- ^ Lucien Chambbadal (1969). DICTIONNAIRE DES MATHÉMATIQUES MODERNES. LIBRAIRIE LAROUSSE
日本語版: ラルース現代数学百科. 平凡社. (1977-09-01). p. 275
参考文献
- 数学の様々な分野での幾つかの反例を挙げている:岡部恒治; 白井古希男; 一松信; 和田秀男 (1989-10-20). 反例からみた数学 (改定増補 ed.). 星雲社. ISBN 4-7952-6862-2
反例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/12/31 09:03 UTC 版)
反例を構成するために、最小の非アーベル群である3文字の対称群 B ≅ S 3 {\displaystyle B\cong S_{3}} をとる。A で交代部分群を表し、 C = B / A ≅ { ± 1 } {\displaystyle C=B/A\cong \{\pm 1\}} とする。q と r をそれぞれ包含写像と符号写像とすると、 0 → A ⟶ q B ⟶ r C → 0 {\displaystyle 0\rightarrow A{\stackrel {q}{\longrightarrow }}B{\stackrel {r}{\longrightarrow }}C\rightarrow 0\,} は短完全列である。 S 3 {\displaystyle S_{3}} はアーベルでないので、条件 (3) は成り立たない。しかし条件 (2) は成り立つ。u: C → B を生成元を任意の2次の巡回置換に写すことで定義できる。完全にするために条件 (1) が成り立たないことに言及しよう。任意の写像 t: B → A はすべての2-サイクルを単位元に写さなければならない、なぜならば写像は群準同型でなければならないが、2-サイクルの位数は2であり A の元の位数は単位元を除いて A は S 3 {\displaystyle S_{3}} の交代部分群すなわち位数3の巡回群なので3であるがそれで割り切れない。なので t は自明な写像で、それゆえ tq: A → A も自明であり、恒等写像ではない。
※この「反例」の解説は、「分裂補題」の解説の一部です。
「反例」を含む「分裂補題」の記事については、「分裂補題」の概要を参照ください。
「反例」の例文・使い方・用例・文例
- >> 「反例」を含む用語の索引
- 反例のページへのリンク