ミトコンドリア・イブとは? わかりやすく解説

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ミトコンドリア‐イブ【mitochondrial eve】

読み方:みとこんどりあいぶ

イブの仮説で、現在の人類母系祖先遡っていったとき、最初にたどりつく共通する一人女性祖先のこと。

[補説] 現在の人類はミトコンドリアイブの遺伝子受け継いではいるが、人類その女性から始まったわけではない。ミトコンドリアイブの同時代には、他にも多く女性存在し、その一部遺伝子は、途中で男系子孫介しながら、現在まで受け継がれている。また、ミトコンドリアイブからさらに祖先遡るともできる。その母系祖先たちも現在の人類共通する女性祖先ひとりであるが、その中で現在の人類最も近い世代祖先が、いわゆるミトコンドリアイブである。また将来、ミトコンドリアイブにつながる複数系統のどれかが途絶えた場合、現在ミトコンドリアイブとされている女性次世代以降女系子孫新たにミトコンドリアイブとなる可能性もある。


ミトコンドリア・イブ


ミトコンドリア・イブ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/28 09:59 UTC 版)

ミトコンドリア・イブ(mitochondrial Eve)とは、ヒトについての分子生物学において、現生人類の最も近い共通女系祖先(matrilineal most recent common ancestor)に対し名付けられた愛称。約16±4万年前にアフリカに生存していたと推定され、アフリカ単一起源説を支持する有力な証拠の一つである。


  1. ^ a b Cann et al. 1987.
  2. ^ Underhill et al. 2000.
  3. ^ a b c 図を見ると昔は多様であったミトコンドリアの系統が失われ画一化していくように見えるが、そうではない。「系統」とは「任意のある時点で生きている女性に個別に貼り付けたラベル」でしかない。たとえばB系統に属するとは、B1の女系子孫であると言うことしか意味しない。仮にA1 - D1の4人の女性が姉妹で、ミトコンドリアの多様性など無いに等しくとも、この考え方は成り立つ。また第6世代の4人の女性にあらためてラベルをふり、再び同じ実験を行っても同じ事である。我々のルーツを探る研究は現代人を第6世代と見なすところから出発しているが、遠い将来を考えれば、いつか現代人が第1世代と(同様に第2 - 第5世代とも)見なされる時代がやってくる。
  4. ^ サイクス 2001, p. 320「誰もが一族の母になる可能性がある」
  5. ^ a b クロノスケープ 著、森瀬繚監修 編『ゲームシナリオのためのSF事典 知っておきたい科学技術・宇宙・お約束110』ソフトバンク クリエイティブ、2011年4月5日、115頁。ISBN 978-4-7973-6421-7 
  6. ^ Wilkins A (2012年1月27日). “The scientists behind Mitochondrial Eve tell us about the "lucky mother" who changed human evolution forever”. On the Human. Gawker Media 2013. 2015年12月15日閲覧。


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