ウォーフォージド
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| ウォーフォージド Warforged |
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|---|---|
| 特徴 | |
| 属性 | 様々 |
| 種類 | 人造 |
| 掲載史 | |
| 初登場 | Eberron Campaign Setting |
ウォーフォージド(warforged)は、ファンタジー・ロールプレイングゲーム(RPG)『ダンジョンズ&ドラゴンズ』(D&D)の、エベロン・キャンペーン設定に登場する種族。プレイヤー・キャラクターとして選択可能な種族でもある。
出版物での歴史
Dungeons & Dragons第3版
ウォーフォージドは、『D&D第3版』向けの『Eberron Campaign Setting』(2004)において、プレイヤー・キャラクター種族として紹介され、同書ではウォーフォージド・タイタンも初登場した[1][2][3][4][5][6]。ウォーフォージドは、『モンスターマニュアルIII』(2004)でもプレイヤー・キャラクター種族として再登場し、warforged chargerとwarforged scoutが新たに追加された[7]。ウォーフォージドは『Races of Eberron』(2005)において、エベロン設定のプレイヤー・キャラクター種族として再登場した[8]。psiforgedは『Magic of Eberron』(2005)で登場した。warforged scorpionとquorcraft wargorged・テンプレートは『ゼンドリックの秘密(Secrets of Xen'drik)』(2006)に登場した[9]。warforged raptorは『Forge of War』(2007)に登場した。
Dungeons & Dragons第4版
2008年6月に『D&D第4版』の『モンスター・マニュアル』が発売された時点で、ウォーフォージドはコアのPoints of Lightキャンペーン設定の公式な一部となり、さらに全てのキャンペーン設定 (以前のコア・キャンペーン設定であるグレイホークやフォーゴトン・レルムなど) の一部として推奨されるようになった。
解説
ウォーフォージドは知性ある人造の種族であり、表面上はゴーレムに似ている。主に石、木、そして何らかの金属を混合した素材で構成されている。エベロンでは「最終戦争」に備え、カニス氏族により魔法の「創造炉」で、ゼンドリックから回収された技術を基に造られた。最終戦争終結後、スローンホールド条約により自由を与えられた。
性別は持たないが、特に他種族との交流を長く経験した新造モデルにおいては、個性の表現として性役割を採用することがある。他の種族のように老化せず、最初の真のウォーフォージドが創造されてまだ33年であるため、時間の経過が彼らに与える影響はまだ不明である。ただし、あらゆる生物と同様に、時間の経過と共に身体は劣化していくとされている。他の種族と同様、ウォーフォージドはあらゆるキャラクタークラスでレベルを上げられるが、「複雑な」クラスにおける初期年齢は「単純な」クラスよりも低い。これは、そのような技能セットを持つウォーフォージドが、最近になって開発されたためである[2][10][11]。
ウォーフォージドの種族特性と調整値は『Eberron Campaign Setting』で初出され、後に『モンスターマニュアルIII』で再掲載された。ウォーフォージドは独自の鎧を持って製造され、毒や病気など様々な状態に完全耐性を持つ。治療呪文の効果はウォーフォージドに対して弱まるが、一連の修理呪文は完全に効力を発揮する。標準的なヒューマンサイズ・形状のモデルに加え、これまでに発表されたウォーフォージドの形態には以下が含まれる。
- merchurion(MM5)– 巨大な、極めて強力な生きた水銀の人造体。エベロンでは古代型のウォーフォージドであるが、他の設定では起源が異なる。
- quorcraft warforged(SoX) - 様々な古代型のウォーフォージド。知性を持たないが、現代型よりわずかに強力で頑丈である。
- warforged charger(MM3) - 標準型より大型で、力を重視して設計されたウォーフォージド。知性は低い。
- warforged raptor(FoW) - 巨大な鳥や昆虫に似たウォーフォージド。空中爆撃用に設計され、構造はウォーフォージド・タイタンに似ている。
- warforged scout(MM3) - 標準型より小型でハーフリング並みのサイズ。
- warforged scorpion(SoX) - ゼンドリックのドラウが古代より創造した巨大サソリ型。構造はウォーフォージド・タイタンに似ている。
- ウォーフォージド・タイタン(ECS) - カニスのウォーフォージド・プログラム初期に製造された巨大人造体。心の無いゴーレムとは異なり限定的な問題解決能力を持つが、後期モデルのように真に生きているとは言えない。
これらの基本モデルに加え、個々のウォーフォージドは独自の特徴を持つ場合がある。標準装甲をミスラルやアダマンティンに強化する、cognizance crystal(サイオニック・パワー用キャパシタ)を直接体内に組み込む、スパイクや牙などの追加攻撃形態を装備するなどである。
ウォーフォージドは製造後もある程度身体を改造できる。その例として、warforged juggernaut[10](ゴーレムに近づいた孤高の戦士)、reforged[8](より生物に近づいた社交的個体)、landforged walker[9](木製部品の成長を促すドルイド)などの上級クラスが代表的である。
ウォーフォージドの歴史
ゼンドリックのウォーフォージド
エベロンにおけるウォーフォージドの起源はよく分からない。『ゼンドリックの秘密』に登場する「ドーセント(案内人)」(古代の知性を持つ記憶保持魔法アイテム)によれば、最初のウォーフォージドはクォーリ(王国歴(YK)998年のクォーリとは大きく異なる)の一団のための「宿主」として創造された。ゼンドリックの巨人族は、ウォーフォージドがクォーリの戦術の多くに耐性を持つことから、クォーリとの戦争のために独自のウォーフォージドを開発した。しかし『Tales of the Last War』によれば、巨人族がウォーフォージドを発明した後、クォーリが巨人族の夢から秘密の創造法を盗み[注 1]、自らのウォーフォージドを生み出したとされる。
いずれにせよ、ウォーフォージド創造の秘密はゼンドリック大陸に起源を持つようである。古代ゼンドリックのドーセントが現代のウォーフォージドと融合できる能力は、この説を裏付ける。ゼンドリックに存在する巨大で強力なウォーフォージド、Xuloの存在もまたこの説を支持している。
コーヴェアのウォーフォージド
最終戦争以前、ガリファーの最後の王はドラゴンマーク氏族であるカニス氏族に、現代のウォーフォージドに似た、ヒューマンサイズの「機械兵士」の建造を命じた。これらの兵士は知性の欠如と高コストのためほとんど役に立たなかったが、カニス氏族はこの概念の研究を続け、より実用的な製品を期待していた。
最終戦争の中盤近く、メリックス・ド=カニスは大軍を構成するゴーレムを、疲れを知らぬ戦士として建造するよう命じられた。鍛冶場が生み出す無機質で知性なき巨体にも、一体ずつ手作業でゴーレムを創造する法外なコストにも満足できなかったメリックスは、魔法を用いた実験を開始した。生き物のように自らの行動を決定し、自己維持プロセスによって増殖可能な生命の火花を彼らに吹き込むためである。YK965年、幾度もの失敗を経て、メリックスの息子アーレン・ド=カニスが、ついに現代の創造炉で用いられる手法を発明した。
アーレンの創造炉が作り出したウォーフォージドは完全な知性を持ち、感情や対人関係を築き、死を経験する能力さえあった。世代が進むごとに洗練度と知性は増し、かろうじて知性を持つタイタンから、高度な教育と魔法の能力を完全に習得できる最年少のウォーフォージドまで存在した。しかし、アーレンとメリックスはその用途を巡って意見が対立した。アーレンは「カニス氏族が生命を創造した」と主張し、自らの創造物が道具として扱われることを拒んだ。メリックスはこれを無視し、無力感を抱いたアーレンは去っていった。今日に至るまで強力な占術で確認できたのは、彼が生存しているという事実のみであり、その所在は不明のままである。
YK994年(現在より4年前)、原因不明の災害がサイアリ国全体を壊滅させ、悪夢のような霧に包まれた領域「モーンランド」が残された。この事件の多くの影響(世界的な停戦宣言を含む)の一つとして、カニス氏族は複数の創造炉と、当時組織の本拠地であった施設との連絡を断たれた。
YK996年、スローンホールド条約により、最終戦争は正式に終結した。この条約には、ウォーフォージドに関する二つの重要な裁定が含まれていた。
- 全てのウォーフォージドは「人」と宣言され、所有物ではないとされた。
- カニス氏族の創造炉は閉鎖され、生ける人造物の生産は永久に禁止された。
この裁定にも関わらず、多くのウォーフォージドは依然として余所者と見なされ、年季奉公人として雇われる者も多い。
また、初代メリックスの孫であるメリックス・ド・カニスが、失われた創造炉で違法なウォーフォージドを製造しているという噂もある。さらに不穏なのは、反逆のウォーフォージドである「ロード・オヴ・ブレード」が、モーンランドで破壊を免れた創造炉を発見し、軍隊の製造を開始したという噂である。
最近、「Psiforged」を名乗る新たなウォーフォージド集団がエベロン各地に現れ始めた。極めて強力なサイオニック能力を使用できる彼らの起源は、その動機と同様に謎に包まれている。一部はモーンランド出身とされ、他はシャーンの深淵から出現している。カニス氏族は新設計との一切の関係を否定し、サイオニック強化型ウォーフォージドの開発は決して行わなかったと主張している。
宗教と精神性
ウォーフォージドは自由意志を持つが、魂の有無は定かではない。ヒューマンの魂を蘇生させる呪文で復活させられるものの、ヒューマンとは異なり、復活後も“死の領域”ドルラーに関する記憶は一切持たない。同様に、ウォーフォージドはアンデッド化することもできない。
一部のウォーフォージドは既存の宗教に従うものの、この点や肉体を持つ種族とのその他差異から、彼らは独自の信仰や哲学を急速に発展させてきた。
ウォーフォージドの精神性において最も大きな存在は、「ロード・オヴ・ブレード」と呼ばれる救世主的人物である。彼は「悲嘆の日[注 2]」を利用し、モーンランド内に独立したウォーフォージドの前哨基地を設立した。有機生命体の存在が常に脅威となり、自らの民が再び奴隷となることを防ぐという哲学により、彼はコーヴェアにおけるヒューマンの支配を最終的に排除することを目標に、ゲリラ戦を展開している。そのため、彼の工作員は多くのエベロン・キャンペーンにおいて、明確な敵役として機能する。この設定における最大の謎の一つは、ロード・オヴ・ブレードの正体と、彼が実際に存在しているのか、あるいは神話化されているのかという点である。
ウォーフォージドが崇拝するもう一人の存在が、彼らの解放者である「ブルワーク」である。かつてブレランドのボラネル王の寵臣であったブルワークは、スローンホールド条約にウォーフォージドの人格を認めさせた原動力として広く知られている。自由を得た後、ブルワークは東へと姿を消した。ウォーフォージドの中には、彼が戻ってきて種族を統一すると信じる者もいれば、彼を探す旅に出た者もいる。さらに一部の者達は、彼とロード・オヴ・ブレードが同一人物だと主張している。
Godforgedは、現代のウォーフォージドの魂が「The Becoming God」と呼ばれる存在の断片であると信じる放浪のモンク集団であり、その神が宿る巨大なウォーフォージドの身体を構築しようとしている。多くのGodforgedは、ロード・オヴ・ブレードが「The Becoming God」と特別な繋がりを持つと信じつつも、直接崇拝すべきではないと考えている。また、Godforgedには少数の非ウォーフォージド信者も集い、自らの肉体の一部をゴーレムやウォーフォージドの部品で置き換えることで、この宗教の「肉体を神殿とする」という哲学を実践している。
創造の起源
ウォーフォージドは、外見、コンセプト、そして歴史において、コミック『en:Battle Chasers』に登場する「ウォーゴーレム」と非常によく似ている。ウォーゴーレムもまた戦争で戦うために造られ、戦争後は社会から追放された。同様に、ウォーフォージドは『モンスター・マニュアルII』で初めて言及されたニンブルライトと多くの偶然の共通点を持っている。しかし、ニンブルライトは自己認識能力を持つだけでなく、多くの耐性を含む、初期の人造物の設計の大部分を継承しているようである。
評価
マーク・シルコックスとジョナサン・コックスは、著書『Dungeons and Dragons and Philosophy: Raiding the Temple of Wisdom』の中で、ウォーフォージドのプレイヤー・キャラクターのロールプレイングにおける可能性を強調した。彼らは次のように語っている。「この新たなプレイアブル種族は、伝統的なハイ・ファンタジーのストーリーテリングで受け入れられてきた多くの比喩を覆し、プレイヤーに興味深い哲学的実験の可能性をいくつか提供する。[中略] 金属、革、そして繊維質の関節でできたこの巨大な二足歩行のメタヒューマンは、独自の思考と(やや素朴な)感情を持つが、明確な戦争のない世界においては、明確な目的を持たない」[12]
Geek & Sundryは「2002年にWotC社主催のファンタジー設定コンテストで優勝したエベロンは、魔法とスチームパンクの技術を融合させ、エレメンタル飛空船、産業貴族、そして秘術を扱う職人の世界を提示している。[中略] プレイ可能なウォーフォージド種族は、プレイヤーを目的を求める兵士ドローンの心境にさせる(ただし、あからさまな男性性は、衒学的に言えば的外れである)。仕立ての良いコートを着て呪文を唱えたいなら、エベロンをチェックしてみてほしい」と評した[13]。
脚注
注釈
出典
- ^ Baker, Keith; Slavicsek, Bill; Wyatt, James (2004). Eberron Campaign Setting. Wizards of the Coast, Inc. ISBN 0-7869-3434-4
- ^ a b Hoffer, Christian (2018年7月31日). “'Dungeons & Dragons' Has a New Powerhouse Race: the Warforged” (英語). Comicbook.com. 2021年1月27日閲覧。
- ^ “Baldur's Gate 3 Needs These 5 Unique Dungeons & Dragons Races” (英語). CBR (2020年10月23日). 2021年1月27日閲覧。
- ^ “Dungeons & Dragon's Eberron Setting Explained” (英語). Game Rant (2020年1月15日). 2021年1月27日閲覧。
- ^ Schubert, Stephen (2005年3月10日). “NEWS: Warforged, Shifters, Changelings, and Kalashtar in Your D&D Game”. 3.5 D&D Archive. Wizards of the Coast. 2016年1月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年11月25日閲覧。
- ^ Reynolds, Sean K. (2004年11月14日). “Eberron Under the Glass – Race Relations and Prejudice”. D&D 3.5 Archive. Wizards of the Coast. 2015年10月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年11月25日閲覧。
- ^ Burlew, Rich, et al. en:Monster Manual III (Wizards of the Coast, 2004)
- ^ a b Decker, Jesse; Sernett, Mathew; Kestrel, Gwendolyn F.M.; Baker, Keith (April 2005). Races of Eberron. Renton, WA: Wizards of the Coast. p. 192. ISBN 0-7869-3658-4
- ^ a b Baker, Keith. Secrets of Xen'drik. Renton, Washington: Wizards of the Coast, 2006. ISBN 0-7869-3916-8
- ^ a b Baker, Keith; Slavicsek, Bill; Wyatt, James (2004). Eberron Campaign Setting. Renton, WA: Wizards of the Coast. pp. 45. ISBN 978-0-7869-3274-0. OCLC 55943911
- ^ Baker, Keith (2019年11月20日). “Rising From The Last War: The Warforged” (英語). 2021年1月28日閲覧。
- ^ Silcox, Mark; Cox, Jonathan (2012). “Do Warforged Dream of Magically-Sentient Sheep?”. Dungeons and Dragons and Philosophy: Raiding the Temple of Wisdom. Chicago: Open Court Pub. pp. 124–127. ISBN 978-0-8126-9803-9. OCLC 811563646
- ^ “The Coolest Campaign Settings in D&D” (英語). en:Nerdist (2015年12月30日). 2019年11月25日閲覧。
参考文献
- Polojac, John. "Arcane Upgrade: warforged Magic Items." Dragon #341 (Paizo, 2006).
- Sehestedt, Mark, ed. Tales of the Last War. Renton, Washington: Wizards of the Coast, 2006. ISBN 0-7869-3986-9
- Wizards of the Coast – Dragonshards: The warforged, Part One
- Wizards of the Coast – Dragonshards: The warforged, Part Two
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