アルペジオ
アルペジオは、和音を同時に鳴らすのではなく1音ずつ順番に連続的に発する演奏方法のことである。いわゆる「分散和音」の一種である。
アルペジオ(arpeggio)という言葉は他の音楽用語と同様イタリア語に由来する外来語である。原語の発音に倣って「アルペッジョ」あるいは「アルペッジォ」のように表記される場合もある。
アルペジオは、厳密にいえば、和音を構成している音を「高い音から低い音へ」もしくは「低い音から高い音へ」一方向的に流れてゆくように、かつ、ある程度の速さで音を発する奏法を指して用いられる。譜面上を音符が上下に波打つように並ぶような順に演奏する方法は、厳密にいえばアルペジオには含まれない。とはいえ一般的には、任意の順で分散和音を発する演奏も含めて全般的にアルペジオと呼ぶ場合が多い。
ギターなどの弦楽器においては、コードを押さえた状態で1音ずつ発する(ピッキングする)奏法をアルペジオと呼ぶ。コード(和音)を構成する個々の音が分離して鳴るように極めてゆっくりとストロークする弾き方をアルペジオに含める場合もある。
ギター演奏においてしばしば言及される「アルペジオ奏法」と呼ばれる演奏スタイルは、指板はコードを押さえ、複数本の指で弦を1音ずつ弾き、その中に主旋律を織り込むように演奏する方法である。連続的に鳴る音が叙情的な雰囲気を醸し、素朴でもあり華やかでもあり、ギターの独奏にも向く。
アルペジオ【(イタリア)arpeggio】
読み方:あるぺじお
アルペッジョ【(イタリア)arpeggio】
アルペジオ [arpeggio(伊)]
分散和音[arpeggio(伊)]
アルペッジョ
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アルペッジョあるいはアルペジオ (伊: Arpeggio) とは、和音を構成する音を一音ずつ低いものから(または、高いものから)順番に弾いていくことで、リズム感や深みを演出する演奏方法。日本においては順番に弾くことだけではなく、コードを押さえた状態で弦を一本ずつ弾く事全般を言う場合もある。「ハープ(伊: arpa)を演奏する」という意味のイタリア語 "arpeggiare" を語源としている[1]。余韻の長い鍵盤楽器や撥弦楽器などで効果を発揮し、管楽器ではほとんど使用されない[1]。琵音(びおん)とも呼ばれる[2]。
概要
アルペッジョは分散和音の一種であるが、発声が上昇もしくは下降の音高順に発音され(例:ドミソド)、ランダム発声や同音反復を含むパターン(例:ドソミソ)はこれに該当しない。ただし、「分散和音」と「アルペッジョ」は厳密に区別されることなく使用されることがある[1]。
アルペッジョの指定は譜例の1段目の2小節目のような波線や、音符の上部にArpeggioと書くことで行われる。実際の演奏においては、譜例のように、初音を記譜位置に合わせ全和音の演鳴は遅らせる奏法と、初音を前倒して記譜位置に最終音(全和音)を鳴らす奏法の両者が認められている。
ローランド・ジュピター4、8、ヤマハのエレクトーンなどには、コードの根音を押さえると、自動的にそのコードのアルペジオを演奏する「オートアルペジオ」という機能がある[3]。
ギターにおけるアルペジオの奏法
左手で弦を押さえる場合には右手の親指・人差し指・中指・薬指の四本で弾く(右手で押さえる場合には左手)。それぞれの指に記号が付いている。親指はp、人差し指はi、中指はm、薬指はa。親指は6~4弦、人差し指が3弦、中指が2弦、薬指が1弦の場合が多い。弦を弾く方向は外側から内側、つまり6 - 4弦は下に、3 - 1弦は上になる。
ストローク奏法はピックなどで多数の弦を同時に鳴らすが、アルペッジョ(またはアルペジオ)は弦を一本一本指の爪で弾く。
脚注
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