三角多項式
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/08/04 16:21 UTC 版)
三角多項式(さんかくたこうしき)とは、数値解析や解析学の数学の分野で、単数か複数の自然数nの定数で与えられるsin(nx)とcos(nx)の関数で表される有限[要曖昧さ回避]の線型結合である。関数の係数は実数の関数として、自然数で与えられるべき物である。複素数の係数だと、この関数はフーリエ級数と同じ物になる。
三角多項式は、周期関数の内挿で使用される三角補間の例を挙げるように、幅広く使用されている。離散フーリエ変換にも大抵使用されている。
実数の場合における三角多項式は、sin(nx)及びcos(nx)の関数が、多項式から単項式へ簡略化することが出来るグレブナー基底と親和性があるという類推に使われる事として表されることが出来る。複素数の場合においては、eixにおける正や負の冪乗と関係してくる物である。
公式の定義
以下の式において、ある関数Tを定義する。
0 ≤ n ≤ Nにおける定数Cで表されるan, bnは、Nにおける複素三角多項式と呼ばれている(Rudin 1987, p. 88)。
オイラーの公式をこの多項式に適用し、書き直すと以下のようになる。
an, bnをRに近似させて、Nが0 ≤ n ≤ Nであり、aN ≠ 0 or bN ≠ 0であるならば、以下の式となる。
これは、N次の実数三角多項式と呼ばれている(Powell 1981, p. 150)。
特徴
三角多項式は実数線上における周期関数として、その周期は2πの倍数か単位円の関数になると考えられている。
三角多項式は、ストーン=ワイエルシュトラスの定理に基づいた特別な場合における一様ノルム下(Rudin 1987, Thm 4.25)で、単位円の 連続した空間における稠密集合であるとするのが基本的な結果である。より具体的に言うと、どの連続した関数ƒとε > 0において、どのzでもƒ(z) − T(z)| < εと表される三角多項式Tが存在する。フェイェールの定理は、フーリエ級数ƒの部分和の算術平均は一律にƒに収束する、それ故に三角多項式Tの近似式を発見するのに明確な方法を与えると説明している。
Nにおける三角多項式は、ゼロ関数の場合を除き、空間Rの区間[a, a + 2π)において、高々2N個の零点を持つ(Powell 1981, p. 150)。
出典
- マイケル.J.D.パウエル (1981), Approximation Theory and Methods, Cambridge University Press, ISBN 978-0-521-29514-7
- ウォルター・ルーディン (1987), Real and complex analysis (3rd ed.), New York: McGraw-Hill, ISBN 978-0-07-054234-1, MR:924157.
関連項目
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