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タワー・オブ・パワー

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/01 05:19 UTC 版)

タワー・オブ・パワー
Tower of Power
タワー・オブ・パワー(2008年)
基本情報
出身地 アメリカ合衆国 カリフォルニア州オークランド
ジャンル
活動期間 1968年 -
レーベル
公式サイト towerofpower.com
メンバー
旧メンバー 下記参照

タワー・オブ・パワーTower of Power)は、アメリカファンクR&Bバンドバリトンサックスをフィーチャーした重厚なホーンセクションが大きな特徴である。ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースのバックで活動していた頃は、タワー・オブ・パワー・ホーンズとも呼ばれていた。

略歴

テナーサックス奏者のエミリオ・カスティーヨとバリトンサックス奏者のステファン"ドク"クプカが中心になってカリフォルニア州オークランドで結成。その後活動の拠点をサンフランシスコに移し、1970年にデビューした。

1973年のアルバム『タワー・オブ・パワー』収録の「ホワット・イズ・ヒップ?」によってバンドはその名が知られることとなる。重厚なホーンセクションのみならず、ベースフランシス“ロッコ”プレスティアドラムのデイヴィッド・ガリバルディによる16ビートを駆使した強力なリズムセクション、ソウルフルなバラードも彼らの持ち味であった。

1974年末に来日した時には、かまやつひろしの「ゴロワーズを吸ったことがあるかい」や、RCサクセションのアルバム『シングル・マン』のバックをつとめた[1]1975年には朱里エイコバックをつとめて、シングルが発売された。

メンバーチェンジを繰り返しながらも1970年代はコンスタントにアルバムを発表していたが、1980年代前半はレコード会社との契約がなく不遇を託っていた。しかし1980年代半ばに大人気となったサンフランシスコ出身のヒューイ・ルイス&ザ・ニュースがホーンセクションとして彼らを起用したことで再び注目が集まり、1987年に復活アルバムを発表する。また同年、中村あゆみのアルバム『Smalltown Girl』にもホーンセクションとして参加。

1990年代は1970年代のファンク・ミュージックが再評価されたことで、彼らはいわゆる「リスペクト」の対象となり、定期的にアルバムを発表した。現在も主にライブで活動中。たびたび来日公演も行なっている。

メンバー

現在のメンバー

  • エミリオ・カスティーヨ (Emilio Castillo) - テナーサックスボーカル (1968年– )
  • ステファン"ドク"クプカ (Stephen "Doc" Kupka) - バリトンサックス (1968年- )
  • デイヴィッド・ガリバルディ (David Garibaldi) - ドラムパーカッション (1968年-1975年、1979年-1981年、1998年- )
  • ロジャー・スミス (Roger Smith) - キーボード、バック・ボーカル (1998年- )
  • アドルフォ・アコスタ (Adolfo Acosta) - トランペットフリューゲルホルン (2000年- )
  • トム・ポリッツァー (Tom E. Politzer) - テナーサックス (2002年- )
  • ジェリー・コルテス (Jerry Cortez) - ギター、バック・ボーカル (2010年- )
  • サル・クラキオーロ (Sal Cracchiolo) - トランペット (2011年- )
  • マーク・ヴァン・ヴァーヘニンゲン (Marc van Wageningen) - ベース (2018年- )

旧メンバー

少なくとも60人のミュージシャンが、50年の歴史の中でバンドとしてツアーまたはレコーディングを行っている。その中には、現在の『サタデー・ナイト・ライブ』の音楽ディレクターでサックス奏者のレニー・ピケット、伝説のファンク・ベーシストであるフランシス"ロッコ"プレスティア、オルガン・マスターのチェスター・トンプソン、サックス奏者のリチャード・エリオットやユージ・グルーヴ、ギタリストのブルース・コンテなどが含まれている。

ビクター・コンテはブルース・コンテの従兄弟であり、1977年から1979年までバンドのベーシストを務めた。彼はヴィト・サン・フィリッポの後任となった。

元リード・ボーカリストのリック・スティーヴンス(本名ドナルド・スティーヴンソン)は、バンド脱退後に罪を犯し、麻薬取引の失敗に関連した3度にわたる第1級殺人罪により懲役刑を宣告された。スティーヴンスは、36年にわたって刑務所に収容された後、2012年7月20日に仮釈放された。ガンとの戦いの末、2017年9月5日、77歳で亡くなっている。

ブルース・コンテは1973年にリード・ギター担当としてバンドに参加し、1979年に脱退した。彼は、フィリピンのセブに移住する前に、2006年に復帰し、14か月間ツアーを行った。2012年にブルースは白血病と闘っていると発表したが、2021年8月8日に71歳で死去している。

ディスコグラフィ

スタジオ・アルバム

  • 『イースト・ベイ・グリース』 - East Bay Grease (1970年)
  • 『バンプ・シティ』 - Bump City (1972年)
  • 『タワー・オブ・パワー』 - Tower of Power (1973年) ※米国ゴールドディスク
  • 『バック・トゥ・オークランド』 - Back to Oakland (1974年)
  • 『オークランド・ストリート』 - Urban Renewal (1975年) ※米国22位
  • 『イン・ザ・スロット』 - In the Slot (1975年)
  • 『夜の賭博師』 - Ain't Nothin' Stoppin' Us Now (1976年)
  • 『オークランド・スタジアム』 - We Came to Play! (1978年)
  • 『バック・オン・ザ・ストリート』 - Back on the Streets (1979年)
  • 『ダイレクト』 - Direct (1981年)
  • TOP (1986年) ※ヨーロッパ限定リリース
  • 『パワー』 - Power (1987年) ※上記アルバムの米国盤
  • 『モンスター・オン・ア・リーシュ』 - Monster on a Leash (1991年)
  • 『T.O.P.』 - T.O.P. (1993年)
  • 『ソウルド・アウト』 - Souled Out (1995年)
  • 『リズム・アンド・ビジネス』 - Rhythm & Business (1997年)
  • Dinosaur Tracks (1999年) ※1980年–1983年録音
  • 『オークランド・ゾーン』 - Oakland Zone (2003年)
  • 『アメリカン・ソウルブック』 - The Great American Soulbook (2009年)
  • 『ソウル・サイド・オブ・タウン』 - Soul Side of Town (2018年)
  • 『ステップ・アップ』 - Step Up (2020年)[4]
  • 『イッツ・クリスマス』 - It's Christmas (2024年)

ライブ・アルバム

  • 『ベスト・ライヴ』 - Live And In Living Color (1976年)
  • 『ソウル・ヴァクシネイション』 - Soul Vaccination: Live (1999年)
  • The East Bay Archive Volume 1 (2008年) ※1973年4月、マサチューセッツ州ボストン、K-K-K-Katy's録音
  • 『ライヴ・アット・フィルモア - 結成40周年記念ライヴ』 - 40th Anniversary: The Fillmore Auditorium, San Francisco (2011年)
  • 『ヒッパー・ザン・ヒップ ライヴ・イン・ザ・スタジオ74』 - Hipper Than Hip: Yesterday, Today & Tomorrow (Live On The Air & In The Studio 1974) (2013年)[4]

コンピレーション・アルバム

  • Funkland (1974年)
  • 『タワー・オブ・パワー・アンソロジー!』 - What is Hip? The Tower of Power Anthology (1999年)
  • 『ヴェリー・ベスト・オブ・タワー・オブ・パワー』 - The Very Best of Tower of Power: The Warner Years (2001年)
  • 『ソウル・ウィズ・ア・キャピタル“S”- ザ・ベスト・オブ・タワー・オブ・パワー』 - Soul With a Capital "S" - The Best of Tower of Power (2002年)
  • Havin' Fun (2003年)
  • What is Hip and Other Hits (2003年)[4]
  • 『ユー・オートゥ・ビー・ハヴィン・ファン コロムビア&エピック・アンソロジー』 - You Ought To Be Havin' Fun (The Columbia/Epic Anthology (2018年)

映像作品

  • Credit (1986年) ※バンド初のミュージック・ビデオ。アルバム『Power』のプロモーション
  • 『タワー・オブ・パワー・イン・コンサート』 - Tower of Power in Concert (2003年) ※デヴィッド・ガリバルディ復帰後の1998年、Ohne Filterでのライブ収録
  • 『スーパーファンク・ライヴ 2005』 - Live from Leverkusen (2007年) ※2005年11月収録
  • 『ライヴ・アット・フィルモア - 結成40周年記念ライヴ』 - 40th Anniversary (Live) (2011年) ※2008年収録[5]
  • Look In My Eyes (2020年) ※30年ぶりとなるミュージック・ビデオ。アルバム『Step Up』のプロモーション

脚注

出典

  1. ^ 山口隆対談集『叱り叱られ』(幻冬舎)P.195
  2. ^ Rufus Miller Home”. Rufus Miller and Kathryn Branch. 2014年12月30日閲覧。
  3. ^ Rick Stevens Home”. Rick Stevens. 2017年9月5日閲覧。
  4. ^ a b c Tower of Power Discography”. AllMusic. AllMusic. 2017年6月29日閲覧。
  5. ^ Discography”. Tower of Power. Tower of Power. 2016年1月18日閲覧。

外部リンク


「Tower of Power」の例文・使い方・用例・文例

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