TDK MAとは? わかりやすく解説

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TDK MA

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/22 10:13 UTC 版)

1979年5月から1981年9月まで発売された初代TDK MA-R
(画像は1980年7月以降の後期ロットの製品)

MA(エムエー、メタル・アロイ、Metal Alloy)は、かつてTDK1983年昭和58年〉2月28日以前は東京電気化学工業名義)が1979年(昭和54年)4月から2001年平成13年)12月まで製造・出荷していたメタルポジション(IEC TYPE IV)用コンパクトカセットテープの商品名。

本項では便宜上、下記の派生製品・後継製品についても記述する。

MA-R
MA-X
MA-XG
MA-XG Fermo
MA-EX


概要・製品

MA

1979年7月1日発売。TDKの標準クラスのメタルポジション用コンパクトカセットテープとして発売。磁性体には後述するMA-R同様、当社が開発したメタルパウダー「ファイナビンクス」(FINAVINX)が採用されている。発売開始当初は後述するMA-R同様、46分用と60分用のみの発売だったが1980年(昭和55年)3月1日には90分用が追加された。同年7月に製品の一部仕様変更を実質し、カセットハーフ上面にメタルポジション対応のオートテープセレクター用の検出孔が付くようになった。その後、数回の改良[1]を経て、1998年(平成10年)9月に後述するMA-EXと入れ替わる形で製造・出荷・販売終了。

MA-R → MA-XG

1979年5月10日、上記のMAに先行する形で発売[2]。カセットハーフが透明樹脂とアルミダイキャストを用いた3ピース構造を用いたRSメカニズム[3]を採用した重厚感のあるカセット。こちらも46分テープのみラージハブが採用されている。そのため、標準価格も1,750円(1979年3月当時)とかなり高価である。発売当初は46分用と60分用の製品のみの発売だったが上記のMA同様、1980年3月には90分用の製品が追加されたのに伴い標準価格を改定、更に同年7月に製品の一部仕様変更を実施し、カセットハーフ上面にメタルポジション対応のオートテープセレクター用の検出孔が付くようになった。その後、1981年(昭和56年)5月、および1983年(昭和58年)8月の各種一部改良を経て、1985年(昭和60年)10月の全面改良に伴い、商品名をMA-XGに改称したのち、1990年3月に後述するMA-XG Fermo(日本国外:2代目MA-XG)と入れ替わる形で製造・出荷終了となった。

MA-X

1985年10月中旬発売。当初は従来のMA(3代目)に代わる製品として開発・発売されたが、1988年(昭和63年)4月にMAが4代目としてラインアップに復活したのに伴い初の全面改良を実施。事実上4代目MAの上位製品として発売されたものの、1990年(平成2年)3月を以て5代目MAに統合される形で製造・出荷終了となった。

MA-XG Fermo(フェルモ)

海外市場では2代目MA-XG名義で発売されたMA-XG Fermo

1990年3月中旬発売。先述のMA-XGの後継かつ、最終形態となるシリーズ最上位の製品。従来品のMA-XG(←MA-R)と大きく異なり、MAシリーズ史上初にして唯一の二層塗り構造のファイナビンクス磁性体[4]が採用されているほか、業界初の5ピースの多重構造によるRS-Ⅲメカニズムを採用したカセットハーフが用いられ、材質にはセラミックのほか、ガラス繊維強化黒色樹脂が採用された。この他の特徴として、テープパス周辺の重量を増加させたサウンドスタビライザーウエイトや高充填型ガイドブロックも採用された。また、50分テープ以下の短尺テープに採用されがちなラージハブは設計段階から採用されていない。標準価格も従来のMA-XGより更に高価であった[5]ほか、その直後のDATMDなどの各種デジタルオーディオ系のハードウェア記録メディアの台頭・普及・低価格化に太刀打ちできず、1996年(平成8年)2月に製造・出荷終了。なお、当製品のサブネームであるFermoの商標は日本市場限定であり、海外市場では2代目MA-XGとして発売された。

MA-EX(エクステンデッド、EXtended)

1998年(平成10年)9月中旬発売。MA、およびCDing METALDJ METALをそれぞれ統合した製品で、事実上、TDK最後にして日本ブランド(≒メーカー)製最後のメタルテープである。先代のMAに対し、若干のコストダウンが図られた。発売当初は日本国内で製造されていたが、1999年(平成11年)8月以降の製造ロットの製品よりパンケーキ磁気テープ本体)を除き製造・出荷はタイで行われた(いわゆる海外生産)[6]。2001年12月までに製造・出荷終了[7]を経て、2007年(平成19年)12月までに流通在庫が完売。これによりMAの商標は名実共にシリーズ通算28年の歴史に幕を下ろすこととなった。

脚注

  1. ^ 1981年(昭和56年)9月、および1983年(昭和58年)10月、1988年(昭和63年)4月、1990年(平成2年)3月、1992年(平成4年)9月、1995年(平成7年)3月
  2. ^ なお、同1979年5月10日には競合メーカーのソニーもメタルポジション用コンパクトカセットテープ「METALLIC」(メタリック)を発売している。
  3. ^ 1985年に後述するMA-XGとして全面改良を実施した際にNew RS(RS-Ⅱ)メカニズムへと進化した。
  4. ^ 下層:中低域用ファイナビンクス磁性体、上層:中高域用ファイナビンクス磁性体
  5. ^ 当時の税別標準価格は46分用が1,800円、60分用が2,000円、90分用が2,300円だった。
  6. ^ ただし、パンケーキ(磁気テープ本体)自体は日本国内で製造された。
  7. ^ ちなみに、ほぼ同期に開発・製造・発売された競合商品の6代目マクセル METAL UDは2003年(平成15年)7月までに製造・出荷終了となった。

参考文献




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