SYSLINUX
FATファイルシステム上に格納したLinuxカーネルを起動できるブートローダ。FATファイルシステムとは、MS-DOS(PC-DOS)やWindowsなどで標準的に使われるファイルシステムである。
SYSLINUXは、Linuxが使えなくなった場合の起動ディスク作成や、MS-DOS/Windows環境からのLinux起動などに良く利用される。GRUBなどに比べると機能が少ないが、その分、実行ファイルの大きさが小さく、フロッピーディスクやUSBメモリなどの小容量デバイスからの起動に便利である。
なおSYSLINUXパッケージには、ネットワークブート用の「PXELINUX」や、CD-ROMブート用の「ISOLINUX」というブートローダなども含まれる。
関連見出し
GRUB
LILO
ブートローダ
関連URL
SYSLINUX(http://syslinux.zytor.com/)

SYSLINUX
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/27 06:38 UTC 版)
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開発元 | ハンズ・ピーター・アンビン |
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最新版 |
6.03
/ 2014年10月6日 |
リポジトリ | |
対応OS | Linux |
種別 | ブートローダ |
ライセンス | GPLv2以降 |
公式サイト | syslinux.zytor.com |
SYSLINUX は軽量なブートローダで、主にLinuxカーネルを起動するために使用される。作者はハンズ・ピーター・アンビン。いくつかの独立したプログラムから構成されており、ISOLINUXなどのコンポーネントが知られている。
SYSLINUXのコンポーネント
SYSLINUXには次のコンポーネントが含まれている。
- SYSLINUX
- フロッピーディスクやUSBメモリなどのFATファイルシステムからLinuxカーネルをブートするプログラム。
- ISOLINUX
- CD-ROMなどで使われるISO 9660ファイルシステムからLinuxカーネルをブートするプログラム。
- PXELINUX
- Preboot Execution Environment (PXE)を使用したネットワークブートを行うプログラム。
- EXTLINUX
- Linuxで一般的なext2やext3、ext4、btrfsといったファイルシステムからのブートを行うプログラム。
- MEMDISK
- MS-DOSなどの古いOSを起動するプログラム。
また、2つの異なるメニューシステムを備えており、追加モジュールを開発するための開発環境も用意されている。
使用例
SYSLINUXとISOLINUX
HDDにインストールされたLinuxの起動にSYSLINUXを用いる例は少ない。なぜなら、Linuxは通常FATファイルシステムにはインストールされないからである。いっぽう、起動ディスクやレスキューディスク、Live USB、そのほか軽量システムのブートにはよく利用されている。また、ISOLINUXはLinuxのLive CDやブータブルなインストールCDで広く使われている。
CD-ROMからのブートについては、標準規格であるEl Torito standardでは2つの異なるブートモードが規定されているため、若干複雑である。
- フロッピーエミュレーションモード
- ブート情報がフロッピーディスクのイメージファイルとして格納されており、CDからロードされたイメージはその後仮想フロッピーディスクとして認識される。このイメージファイルのファイルシステムはFATであるため、ブートローダにSYSLINUXが必要となる。
- エミュレーションなしモード
- ブート情報はCDに(フロッピーイメージとしてではなく)直接格納される。このモードではISOLINUXを使用してブートが可能である。このモードは制約が少ないものの、BIOSのバグによって正しく動作しないことがある。特に、1999年ごろ以前に作られたコンピュータではISOLINUXによるブートが不可能なものが多い。そのような場合はフロッピーエミュレーションモードを使用し、SYSLINUXによるブートを行う必要がある。なお、最近のコンピュータではエミュレーションなしモードを問題なく利用できることがほとんどである。
最近ではLive USBでSYSLINUXが多く使われている。また、ディスクへのインストールの必要なしに利用できるSlaxといったディストリビューションでも使われている。
PXELINUX
PXELINUXはPXE互換のROMを備えたネットワークカードと組み合わせて利用される。PXE環境は基本的なTCP/IPネットワークを有効にするためにDHCPやBOOTPを使用し、ブートプログラムをTFTPによってダウンロードする。このブートストラッププログラムはTFTPサーバーからダウンロードされた指示に従い、カーネルのロードや設定を行う。
よくある例としては、PXELINUXは中央ネットワークサーバーからのLinuxのインストールや、シンクライアントのブートといったものが挙げられる。
EXTLINUX
EXTLINUXはLILOやGRUBのような汎用ブートローダとして使われることが多い。
ハードウェア探知ツール (HDT)
リリース3.74より、SYSLINUXプロジェクトはHardware Detection Tool (HDT)プロジェクトをホストしている。このツールはx86互換システムの低レベル情報を表示するSyslinux com32モジュールで、コマンドラインインターフェイスおよび閲覧のためのセミグラフィカルメニューモードを備えている。HDTはcom32ファイルおよびブート可能ISOイメージ、2.88MBフロッピーディスクイメージといった形で提供されている。
関連項目
- ブートローダーの比較
外部リンク
- SYSLINUXウェブサイト
- ダウンロードサイト
- "SYSLINUX". Freecode.
- Joseph's Site - PXELinux - Notes on getting it working
- Syslinux's dedicated com32/hdt directory
- Syslinuxのページへのリンク