SMK (戦車)とは? わかりやすく解説

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SMK (戦車)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/24 14:13 UTC 版)

SMK(СМК)重戦車
性能諸元
全長 9.60 m[1]
全幅 3.20 m[1]
全高 3.20 m[1]
重量 45 t[1]
懸架方式 トーションバースプリング
速度 32.2 km/h[1]
行動距離 150 km
主砲 30.5口径76.2 mm戦車砲 ×1
副武装 42口径45 mm戦車砲 ×1
7.62 mm機関銃 ×3
装甲 大砲塔
防盾60mm 全周60mm
上面30mm
小砲塔
防盾50mm 全周60mm
上面30mm
車体
前面上部75mm
前面傾斜部・下部60mm
側面60mm 上面30mm
後面55mm 底面30-20mm
エンジン BD-2、V12気筒ガソリンエンジン[1]
400 馬力[1]
乗員 7 名[1]
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SMK(ロシア語: СМКとはソ連の試作多砲塔重戦車である。

「SMK(СМК)」という名称は、1934年に暗殺されたソ連共産党レニングラード州委員会書記長、セルゲイ・ミローノヴィチ・キーロフSergei Mironovich Kirov:ロシア語: Сергей Миронович Киров)にちなんだものである。

概要

側面写真

T-35多砲塔重戦車の後継として開発された重戦車の一つで[1]、当初は3砲塔型として開発されたが、多砲塔戦車の効率の悪さをデパートになぞらえて批判したスターリンの言葉によって設計変更され、2砲塔型として設計が変更された。この他、単一の砲塔に76.2mmと45mmの2つの砲を装備した車両も開発され、これが後のKV-1重戦車である。

これらの開発経緯から、本車のレイアウトは同時期のT-100重戦車に類似しており、また履帯や転輪等はKV重戦車とほぼ同じものであるが、同一の設計から派生したものではなく、全くの別設計である。

1939年に試作車1両が完成し、冬戦争(第1次ソ連・フィンランド戦争)に投入された[2]。その装甲は敵の対戦車砲に耐え抜いたが、雪溜りにはまり込んで(地雷または収束爆薬による肉薄攻撃による損傷説もあり)行動不能となり放棄の已む無きに至った。その後2ヶ月の間、地形と大重量のためフィンランド軍もこれを捕獲できず、またソ連軍は後にT-28中戦車を6輌も使って牽引、現場からの移動には成功したものの、結局そのまま輸送することは叶わず、現地で溶断されていくつかのブロックに分けて回収された。

その後、SMKは正式に不採用となり、溶断された各部は再度組み立てられることもなくスクラップとして処分された。

脚注

出典

  1. ^ a b c d e f g h i 上田 1997, p. 103.
  2. ^ 鮎川ほか 2024, p. 40.

参考文献

  • 鮎川置太郎ほか『世界の戦車パーフェクトBOOK 決定版』コスミック出版、2024年2月4日。ISBN 978-4-7747-4337-0 
  • 上田信『戦車メカニズム図鑑』グランプリ出版、1997年3月25日。 ISBN 4-87687-179-5 
  • スティーブン・ザロガ、ジム・キニア:著 高田裕久:訳『世界の戦車イラストレイテッド10 KV-1&KV-2重戦車 1939-1945』 ISBN 978-4499227476 大日本絵画 2001

登場作品

WarThunder
ランク2、ソ連プレミアム車輌として購入可能。
トータル・タンク・シミュレーター
ソビエト連邦の超重戦車SMKとして使用可能。

関連項目




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