SC分析
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 00:21 UTC 版)
1つ目の分析方法として、小節の主語と述語は独立した別々の構成素を成し、さらにこれらが構造上の姉妹関係にあると仮定する方法が挙げられる。この場合、画像で示すように、小節は主要部のない外心構造を成し、その内部要素は統語上対照的な関係にあることになり、SCとラベル付けされる(この分析を採用する場合、ラベル付けは行われないと考える研究者もいる)。なお、この分析を採用する場合、Williams (1980)の叙述理論のように、主語と述語を結びつける文法メカニズムが必要となる。 注意点として、この分析方法は「全ての句範疇は主要部をもつ」と仮定するXバー理論との互換性がない。さらに、主語要素と述語要素を結びつける機能的要素は統語上存在しないことになるため、不正確な統語表示を仮定する分析方法であるという批判もありえ、実際に通言語的観点から考察を行うと、ウェールズ語:310、ノルウェー語:160、さらに英語などにおける様々な言語において、音形を持つ機能的要素により叙述関係が構築されていると考えられるデータが数多く存在する。一例として、Bowers (2001)は、英語の事例研究において以下のようなデータを提示している (関連する機能的要素は太字で示す)。 ( ) a. I regard Fred as insane. ( ) b. I consider Fred as my best friend. この議論が正しい場合、主語と述語を仲介する音形を持つ要素がなくとも、通言語的に叙述関係は機能範疇により構築されるという分析が可能となる (ただし、上記例文における as は機能範疇ではなく、語彙範疇のPであるという反論分析もある)。
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