バルトーク:狂詩曲
英語表記/番号 | 出版情報 | |
---|---|---|
バルトーク:狂詩曲 | Rhapsodie Op.1 | 作曲年: 1904年 |
作品解説
バルトーク最初期の集大成ともいえる作品。初版はピアノ作品として、1904年に作曲され、1905年に初演が行われた。この頃、バルトークはまだ、ピアノ作品において独自の様式を確立しているとはいえない。基本的には伝統的な和声語法による、19世紀ロマン主義的な作品である。左手のアルペジオによる大きなうなりと、ジプシー風の旋律が印象的。
緩やかな幻想曲の部分と、急速なフィナーレからなり、最後に冒頭のモティーフが再現される。フィナーレにおいて、どんどん速度を増していくが、この形は、19世紀的なハンガリー音楽の伝統にのっとっている。また、一種の循環形式をもっており、構造的にリストからの影響がみられる。ヴィルティオーゾ的な性格をもつ難曲。
第2版はピアノと管弦楽のための《ラプソディ》として編曲されている。バルトークはこれを1905年、パリのルビンシティン・コンクールに提出したが、落選した。
この曲の作曲と同時期に、ハンガリー農民の家政婦が歌ううたに深く感動したバルトークは、この後、民謡を組織的に研究するために、本格的な民謡の採集、記譜を開始することになった。
- Rhapsodie Op.1のページへのリンク