P14の開発
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/05/22 04:19 UTC 版)
「P14エンフィールド」の記事における「P14の開発」の解説
第一次世界大戦が勃発した1914年、P13を従来の.303ブリティッシュ弾に適応させた上でいくつかの改良を加えたP14エンフィールド(P14 Enfield)が開発された。機関部上に設けられた「耳」(ears)と通称されるガードの付いた照門や「犬足」(dog-leg)と通称されたボルトハンドル、「太鼓腹」(pot-belly)と通称された弾倉部が外見上の特徴であった。機構は改良型モーゼル式ボルトアクションにリー・エンフィールド式ボルトアクションの特徴を加え、速射性を高めたものだった。これに取り入れられたコックオンクロージング方式などの特徴は、小銃兵の訓練において速射性を非常に重視しているイギリス陸軍からは高く評価されていたが、米軍やドイツ軍ではあまり評価されておらず、M1903やGew98に見られるようにコックオンオープニング方式が好まれた。コックオンオープニング方式はボルトハンドルを引く際、過熱した薬室から薬莢を引き出す為の力に加えて撃針バネの反発力が掛かる為、速射には不向きと見なされていた。P14は当時としては先進的な小銃であり、また第一次世界大戦において最も優れた軍用小銃であると呼ばれていた。P14は特徴的な照準器を備えており、1600ヤードまで調節可能なアパチャー・サイトと、機関部上の「耳」で保護される300ヤードのバトルセッティングを持っていた。またSMLEに類似した一斉射撃用の2600ヤード照準器を左側面に取り付ける事も出来たが、これらはほとんど使用されないまま、改良に合わせて除去された。ボルトはモーゼル・タイプのエキストラクターと2つのラグを備え、また機関部のボルトハンドルが収まる位置には後部安全ラグを備える。その操作はカム作用を利用してサポートされていた為、ボルトはモーゼルのM98ボルト機構よりも遥かに高速かつスムーズに動作した。特徴的な「犬足」ボルトハンドルも、低背かつ射手の手元に近い為に速射性を高める特徴の1つとなっていた。リー・エンフィールドと同様、安全レバーは左側面にあり、親指で操作する。強度と剛性を備え、また比較的重い銃身を備えていた事も精度を高めることに役立った。
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