Origin (グラフ作成ソフト)とは? わかりやすく解説

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Origin (グラフ作成ソフト)

(Origin (data analysis software) から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/19 10:06 UTC 版)

Origin
開発元 OriginLab Corporation
最新版
2020b / 2020年4月 (4年前) (2020-04)
対応OS Windows
種別 グラフ作成ソフト
ライセンス プロプライエタリ
公式サイト OriginLab Home Page, 株式会社ライトストーン
テンプレートを表示

Origin(オリジン)は、米国 OriginLab Corporation社のWindowsグラフ作成・データ解析用ソフト。ただし、Macintoshプラットフォームについては、Parallels Desktop for MacVMWar Fusionなどの仮想化ソフトウェアやBoot Campなどによるデュアルブートを、公式サポートに取り入れている。日本国内の販売元は株式会社ライトストーン。

グラフ作成では、種々の2D/3Dグラフをサポートする。

データ解析には、統計信号処理曲線フィット、ピーク解析、画像処理などを含む。Originの曲線フィットは非線形の最小二乗フィット機能を含み、それはLevenberg–Marquardt(LMA)のアルゴリズムに基づいている。

近年のバージョンではバッチ処理のための各種機能が導入され、プログラミングすることなくルーチン的なタスクを一括処理することができるようになった。 それらの機能には、通常の「バッチ処理」の他、カスタム化可能なグラフテンプレート、分析オプションの「テーマ」、データや処理パラメータ変更に伴う自動再計算機能、ワークブック内に一連の操作手順を保存した「分析テンプレート™︎」などの機能を利用することができる。

データインポート機能としてOriginは、ASCII, Excel, NI TDM, DIADem, NetCDF, SPCなどのデータフォーマットをサポートしており、また、ADO(ActiveX Data Objects)を通じたデータベースアクセスのための組み込みクエリー処理機能も含まれている。グラフエクスポート機能としては、JPEG, GIF, EPS, TIFFなどのイメージフォーマットをサポートしている。

OriginにはLabTalkと呼ばれるスクリプト言語や、OriginCとよばれるC言語準拠のプログラミング環境が備わっている。より高機能なバージョンOriginPro [1] はさらに高度な解析・統計機能を備える。 また、Origin Viewer[2]という無償配布のビューアーソフトウェアがあり、Originのプロジェクトファイル内のデータやグラフなどを閲覧することが可能である。 インターフェイスがやや独特であるが、高機能かつ安定している。日本語の取り扱いにも問題がなく、バージョン9.1より文字ラベル等でUnicodeにも対応するようになり、バージョン 2018 (=9.5)より、内部コードレベルで完全にUnicodeベースのソフトとなった。

機能

ユーザインターフェース

データ列のスパークライン表現を含むOriginワークブックの例。スパークラインを列表示に含めることによりデータを作図することなく一覧性を高めることができる。

Originは、スプレッドシートをフロントエンドとする視覚的ユーザインターフェース(GUI)を基本操作環境としたソフトウェアである。しかしExcelのような通常のスプレッドシートとは異なり、各列に列名や単位などの属性が与えられ、それらを一括して参照することができるように、Originの「ワークシート」はデータ列(内部的にはデータセットと呼ばれるベクトルデータ)を操作単位とするものである。従って計算においては、セルについての式の代わりに、列に対する計算式が利用される。

Originの機能にアクセスする別の方法として、LabTalkと呼ばれるスクリプト言語の利用のほか、LabTalkはOrigin内蔵のCC++コンパイラ言語(Origin C)を使うことにより機能を拡張することができる。その他、利用可能な言語としては、組込みのPython環境、およびRコンソール(Rserveサポートを含む)がある。

また、 VB.NET, C#, LabVIEWなどで書かれた外部プログラムからCOMサーバーを使ってOriginの機能にアクセスすることも可能である。

歴史

Originは当初MicroCal[3]微小熱量計の専用ソフトウェアとして開発され、その測定データのグラフ化、非線形の曲線フィットやパラメータ推定などに使われた。

Originはその後、現OriginLab社[4]の前身であるMicrocal Software社より1992年に一般向けソフトウェアパッケージとして発表されることになる。OriginLab社の本社は現在、米国マサチューセッツ州ノースハンプトン市(英語サイト)に所在する。

リリース履歴

  • 2020/4 Origin 2020b (9.75)
  • 2019/10 Origin 2020 (9.7)
  • 2019/4 Origin 2019b (9.65)
  • 2018/10/26 Origin 2019. データ探索のための「データハイライタ―」、Windowsのように「Originスタートメニュー」から検索、データセルの条件フォーマット、バイオリンプロット、統計アドバイザー/イメージオブジェクトカウンター/実験計画法等の新アプリ。
  • 2018/4/24 Origin 2018b(内部バージョン 9.5.5) 行列のワークブックへの埋め込み、ワークシート/行列データのプレビュー、分析ツール内の動的グラフプレビュー、マルチコアCPUを使った分散バッチ処置(アプリ)。
  • 2017/11/9 Origin 2018(内部バージョン 9.5) セル計算式、Unicode滝グラフ
  • 2016/11/10 Origin 2017(内部バージョン 9.4) トレリスプロット(英語サイト)、地質ハッチングパターン、Origin CにおけるJavaScriptのサポートなど。
  • 2015/10 Origin 2016(内部バージョン 9.3) Originアプリの提供開始。R言語のサポート
  • 2014/10 Origin 2015[5] (内部バージョン 9.2) 折りたたみメニュー、グラフのサムネイルプレビュー、プロジェクトサーチ、バブルスケール、ヒートマップ2D カーネル密度プロット(en)Python言語など。
  • 2013/10 Origin 9.1[6] パイパー・ダイアグラム(en)三角座標 3D曲面図(en)など。
  • 2012/10 Origin 9 OpenGLベース 3Dグラフィクス、直交距離回帰による陰関数フィット
  • 2011/11 Origin 8.6  64ビット版
  • 2010/9 Origin 8.5
  • 2009/10 Origin 8.1
  • 2007/12 Origin 8 SR1[7]
  • 2007/10 Origin 8[8]
  • 2003/10 Origin 7.5
  • 2002/2 Origin 7.0
  • 2000/9 Origin 6.1
  • 1999/6 Origin 6.0
  • 1997/8 Origin 5.0
  • 1995/2 Origin 4.1
  • 1993 Origin 2[9]

参考文献

関連項目

外部リンク




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