こけいらん (小蕙蘭)



●わが国の各地をはじめ、朝鮮半島や中国、台湾、サハリン、カムチャッカ半島に分布しています。山地のやや湿った林内に生え、高さは30~40センチになります。偽鱗茎は卵形で、披針形の葉を2個だします。5月から6月ごろ、花茎を伸ばして総状花序をつけ、黄褐色と白色の花をいっぱいに咲かせます。和名は、中国の「けいらん(蕙蘭)」の仲間に似て、小さいことから。別名で「ささえびね(笹海老根)」とも呼ばれます。
●ラン科コケイラン属の多年草で、学名は Oreorchis patens。英名はありません。
コウトウシラン: | スパトグロッティス・ロビイ 紅頭紫蘭 |
コクレアンテス: | コクレアンテス・アマゾニカ |
コケイラン: | 小蕙蘭 |
サワラン: | 沢蘭 |
シクノチェス: | シクノチェス・クロロキロン シクノチェス・ロディゲシー |
小恵蘭
笹海老根
コケイラン
(Oreorchis patens から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/25 17:46 UTC 版)
コケイラン | |||||||||||||||||||||
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福島県猫魔ヶ岳 2016年6月
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分類(APG III) | |||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||
Oreorchis patens (Lindl.) Lindl.[1] | |||||||||||||||||||||
シノニム | |||||||||||||||||||||
ほか |
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和名 | |||||||||||||||||||||
コケイラン(小蕙蘭) |
コケイラン(小蕙蘭、学名:Oreorchis patens )は、ラン科コケイラン属の多年草。別名、ササエビネ(笹海老根)[4][5][6]。
特徴
地下の偽球茎は卵形から卵球形になり、偽球茎から1-2個の葉と1個の花茎を出す。葉は長さ20-30cm、幅1-3cmの倒狭披針形から線状倒披針形で、先端は鋭尖頭になり、下部は葉柄状にとがり、表面はひだがある[4][5][6]。
花期は5-7月。高さ30-40cmになる花茎が直立し、10-40個の黄褐色の花を総状花序につけ、下方から開花していく。苞は長さ4-6mmの狭披針形で、先は鋭尖頭になる。萼片と側花弁は長さ8-10mmの披針形で、先端はやや鈍頭。唇弁は倒卵形になり、萼片と同長で基部近くで3深裂し、白色で紅紫色の斑点がある。距はない[4][5][6]。
分布と生育環境
日本では、北海道、本州、四国、九州に分布し[4][5][6][7]、ブナ帯林などの一定の標高以上[7]の山地の湿り気のある林内に生育する[4][5][6]。国外では、南千島、カムチャツカ、樺太、朝鮮半島、ウスリー、中国大陸に分布する[5]。
和名の由来
コケイラン(小蕙蘭)の「蕙」は、シラン属シランまたはガンゼキラン属ガンゼキランの類を表しており、本種の葉がそれらに似ており、花が小さいことによる[6]。また、別名のササエビネ(笹海老根)は、エビネ属エビネに似て、葉が狭く長いことによる[6][7]。
脚注
参考文献
- 佐竹義輔・大井次三郎・北村四郎他編『日本の野生植物 草本Ⅰ 単子葉類』、1982年、平凡社
- 高橋勝雄『山溪名前図鑑 野草の名前 夏』、2003年、山と溪谷社
- 牧野富太郎原著、大橋広好・邑田仁・岩槻邦男編『新牧野日本植物圖鑑』、2008年、北隆館
- 門田裕一監修、永田芳男写真、畔上能力編『山溪ハンディ図鑑2 山に咲く花(増補改訂新版)』、2013年、山と溪谷社
外部リンク
- コケイラン
- コケイラン
- コケイラン
- コケイランの標本(鳥取県東伯郡三朝町で1985年5月30日に採集) (千葉大学附属図書館)
- 日本のレッドデータ検索システム「コケイラン」 (エンビジョン環境保全事務局)
- 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- Oreorchis patens -The Plant List (英語)
- Oreorchis patens -eMonocot
- Oreorchis patensのページへのリンク