KKVの影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/12/02 06:31 UTC 版)
以上のように、現在のアメリカにおいては社会学(および心理学)的な統計的な手法を用いる帰納的な研究および、経済学の知見を参考に演繹的なモデルを構築し、それによって政治現象を説明することを目指す研究が行われている。これらはそれぞれ相補的なものであると考えられるが、研究を進めるための方法論的な手引としてキング・コヘイン・ヴァーバ『社会科学のリサーチ・デザイン』(Designing Social Inquiry, 1994)が執筆され、現代アメリカの政治学研究、政治学教育において、一定の存在感を示すと同時に、様々な方法論的な議論の源泉ともなっている。同書は特に、多数のサンプルに基づいて行われる定量的な研究の方法論的な特徴を明確とすると同時に、同様の方法論の定性的、質的な研究への適用の可能性を探ったものである。 同書は、特に21世紀に入ってからの日本の政治学方法論における議論や、政治学教育に影響を与え、近年では、一般学部生向けの政治学教科書でも現代政治学の方法論を定式化したものとして取り上げられることが多い。この際には、主に実証的な政治学研究において「推論」の持つ方法論的意義が示され、対象に見られる一定の「規則性」を記述する「記述的推論」と、対象に見られる「規則性」の背後にある因果関係を明らかにしようとする「因果的推論」の類型がそれぞれ示される。
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