HiRISE (カメラ)
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「マーズ・リコネッサンス・オービター」の記事における「HiRISE (カメラ)」の解説
HiRISE (High Resolution Imaging Science Experiment)は、口径50 cm の反射望遠鏡 (reflecting telescope) をレンズ代わりにもつ高解像度のカメラで、深宇宙の探査に搭載されたものとしてはこれまでで最も大きい。 その理論上の分解能は100万分の1ラジアン (およそ角度の0.2秒) であり、探査機高度の100万分の1のもの、すなわち300 km の高さから 0.3 m のものを見分けることができる。これは地球での一般的な商用衛星画像よりもさらに細かい。 HiRISE では 3種類のカラー・バンド、青–緑 (BG, 波長 400〜600 nm)、赤 (RED, 550〜850 nm)、近赤外 (NIR, 800〜1000 nm) を用いて撮影される。 画像は一列に並ぶ CCD センサで捉えられ、青–緑と近赤外では一列 4,048ピクセルだが、赤色の画像は20,264ピクセルである。 近赤外画像からは地表の鉱物群の探索が期待される。HiRISE のコンピュータは探査機の地表との相対速度に合わせてを撮影装置のデータを一列ずつ読み取りテープ状の画像として記録する。 コンピュータのメモリ容量の制限から、この実際の画像サイズは青–緑と近赤外で4千×4万、赤色で2万×4万程度となる。16.4 Gb (ギガビット) で記録された画像は地球へ転送される前に5 Gb へと圧縮される。着陸地点の候補地の地形を把握するため、HiRISEのデータからはステレオ画像も生成される。 HiRISEはボール・エアロスペース社によって製作され、データの調査はアリゾナ大学の月惑星研究所 (Lunar and Planetary Laboratory) が中心となってあたる。
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