脱離反応
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脱離反応(だつりはんのう、英: elimination reaction)は、化合物が原子団を放出してより原子数の少ない分子となる反応形式のことを言う。硫酸によってアルコールが脱水し、オレフィンとなる反応は脱離反応の好例である。反応機構別に E1反応 と E2反応 に分けられる。また反応機構的には全く異なるがカルボン酸の脱水縮合も脱離反応に含める場合があり、硫酸によりフタル酸が無水フタル酸になるのがこの例である。
- 1 脱離反応とは
- 2 脱離反応の概要
- 3 アルケンの生成における規則
- 4 関連項目
E2反応(2分子脱離反応)
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「脱離反応」の記事における「E2反応(2分子脱離反応)」の解説
E2反応は2つの分子が反応して片方は付加あるいは置換反応、もう一方が脱離反応を起こす反応機構(協奏的脱離反応)である。この反応は2分子が同時に反応にかかわるために化合物の立体配置が重要となる。また、2分子が同時にかかわるため、速度式は2次となる。 E2反応では、「脱離基の解離」「塩基による脱プロトン化」「反応炭素中心の軌道の再混成及び二重結合の生成」の3つが同時に進行する。
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E2反応
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「ザイツェフ則#立体効果」も参照 立体障害は脱離反応の生成物の割合に関係する。Zaitsev則を用いることで簡便に脱離の主生成物を推測できるが、これは必ずしも正しい結果を与えるとは限らない。tert-ブタノール下で2-ブロモ-2-メチルブタンとtert-ブトキシドイオンを反応させると、2-メチル-2-ブテンと2-メチル-1-ブテン(右画像上)を得られる。安定性は前者の方が良いが、この反応における主生成物は2-メチル-1-ブテンである。これは、2-メチル-2-ブテンがかさ高く、引き抜かれる水素が接近しにくい位置にあることと、求核剤のtert-ブトキシドイオンもかさ高いことが理由である。このように、ハロゲン化アルキルがかさ高く、かつ塩基のほうも充分かさ高い場合は不安定な化合物が主に得られる。言い換えると、より不安定な化合物が主生成物として現れるには多くの立体障害を要する。実際に、反応物として2-ブロモ-2-メチルブタンではなく、2-ヨードブタン(右画像下)を用いるとZaitsev則通り、2-ブテンが主生成物、1-ブテンが副生成物として得られる。
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