E2反応との競合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/07/21 14:29 UTC 版)
SN2反応と同時に起こる副反応(英語版)としてはE2反応がある。反応するアニオンが求核剤としてではなく塩基として働いた場合、プロトンを引き抜いてアルケンを生成する。これは反応するイオンが立体的に混み合っていて、基質がプロトンを引き抜かれやすい時に起きやすい反応である。脱離反応は温度が高いと起きやすいが、これは温度上昇に伴いエントロピーが増大するためである。これは気体状態で硫酸塩と臭化アルキルを質量分析器の中で反応させると観測できる。 ブロモエタンの場合は、生成物は置換生成物が優先する。求電子剤周辺の立体障害が大きくなるにつれて、例えば臭化イソブチルでは脱離生成物が優先する。また、塩基性が強い場合脱離が優先する。弱い塩基である安息香酸塩が基質のとき、2-ブロモプロパンと反応すると55%が置換反応を起こす。一般に、この反応では溶媒効果のあるなしにかかわらず、気相中での反応と溶液中での反応は同じ傾向を示す。
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