CQDがSOSに変わったという誤解
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/09 04:32 UTC 版)
「SOS」の記事における「CQDがSOSに変わったという誤解」の解説
そのひとつはブライド通信士がSOSを「新しい符号」と呼んだことから、CQDが古い遭難信号で、SOSが新しい遭難信号という新旧の関係にあると多くの引用者が勘違いする点である。 そもそもこの記事は「マルコーニ国際海洋通信会社の通信士」という立場での発言をもとにして書かれている。1906年の第一回国際無線電信会議でドイツは異なる無線会社間でも相互交信する義務を課そうとしたが、他社とは交信しないことを方針とするマルコーニ社と長期契約を結んでいた英国とイタリアが留保したため全会一致とはならなかった。そしてマルコーニ国際海洋通信会社は他社と交信しないためSOSを使う必要性がなく自社のCQDを使い続けた。 しかし船舶無線界の趨勢に鑑み、1911年6月より段階的に同社のこの方針は緩和され、1912年夏に開催予定の第二回国際無線電信会議では他社との相互交信に正式合意することを表明していた。そのためマルコーニ国際海洋通信会社の立場では、CQDから「新しい」SOSを使うことになるが、1908年5月1日により「無線電報取扱規程」でSOSを施行した日本のように、マルコーニ社以外の無線会社や国では初めからCQDを使用していない。CQDからSOSに変わったのではないのである。
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