CITY FOOTBALL STATIONとは? わかりやすく解説

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CITY FOOTBALL STATION

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/06 02:24 UTC 版)

CITY FOOTBALL STATION
地図
施設情報
所在地 栃木県栃木市岩舟町三谷1038-1
位置 北緯36度20分15秒 東経139度38分43秒 / 北緯36.33750度 東経139.64528度 / 36.33750; 139.64528座標: 北緯36度20分15秒 東経139度38分43秒 / 北緯36.33750度 東経139.64528度 / 36.33750; 139.64528
起工 2020年3月
開場 2021年3月14日
所有者 日本理化工業所
運用者 THE TOCHIGI CITY UNITED
グラウンド 天然芝
ピッチサイズ 68m × 105m
照明 4基
大型映像装置 ダクトロニクス[1][2]
建設費 17億円[2]
設計者 プランテック総合計画事務所[2]
建設者 大林組
使用チーム、大会
栃木シティ
収容人員
5,085人[3]
アクセス
#アクセスを参照
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CITY FOOTBALL STATION(シティフットボールステーション)は、栃木県栃木市岩舟町栃木市岩舟総合運動公園内にあるサッカー専用のスタジアムである。略称はCFS[2]栃木シティFCの主要株主である日本理化工業所の全額負担で建設された民設民営施設で、栃木シティFCの運営会社である株式会社THE TOCHIGI CITY UNITEDが運営・管理を行う。

沿革

2018年12月3日栃木シティFC(以下「栃木C」、旧称:栃木ウーヴァFC)の運営会社社長の大栗崇司(日本理化工業所代表取締役)が栃木市役所を訪れ、大川秀子市長に以下の7項目からなる要望書を手交した[4][5]

  1. 栃木市内にサッカー専用スタジアムを整備し、幣〔ママ〕クラブのホームスタジアムとするとともに、地域に開かれたスタジアムとして活用を図りたい。
  2. サッカー専用スタジアム整備に合わせ、その隣接地に天然芝のフルピッチ練習場を整備したい。
  3. クラブの選手及びスタッフ等については、活動の利便性を確保し、地域に密着した活動を行うため、近隣に住環境を用意する必要があり、出来るだけ練習場に近い場所に寮等設備したい。
  4. サッカー専用スタジアム利用者に対し、食を提供する場は必要と考えるため、レストラン等の飲食モールを設置したい。
  5. スタジアムや飲食モールの整備・運営について、基本的に民間資金で行う方針であるが、地域のチームとして積極的に活動することとなるため、各種制度を活用した助成金や補助金を含めた財政支援をお願いしたい。
  6. サッカー専用スタジアム運営には多くの人材が必要となるため、地元人材の活用を図るとともに、地元施設を活用して、専門学校開設等を含めた人材育成を行いたい。
  7. 地域に密着したクラブとしてJリーグ参入を目指す当たり、地元自治体である栃木市との緊密な連携は必須条件となるため、当クラブへの派遣対応を含めた人的、組織的な支援をお願いしたい。

これらはJリーグ参入へ向けて行政によるクラブへの支援を求めたもので、特に1番目はスタジアム建設用地提供への協力要請のニュアンスを含むものであった[4]

栃木Cは2020年1月13日の地元説明会(栃木市岩舟文化会館)で計画を公表し[6]、「日本一観客と選手の距離が近いスタジアム」を目指すと発表。同年3月に着工、翌年10月に完成予定とした[7][8][9]。この計画に即す形で、栃木市は栃木市公園条例等を一部改正し、岩舟総合運動公園内にあった有料施設(野球場、陸上競技場、サッカー場)を廃止して受け入れ態勢を整えた[10]

2021年3月14日、栃木C対水戸ホーリーホックのオフィシャルトレーニングマッチで杮落としを迎えた。

施設概要

大栗によると、名称の「STATION」には「人が集まる(場所)」という意味を込めている[2]

栃木市岩舟総合運動公園のサッカー場・野球場を再造成したサッカーフィールド1面に4基の照明塔を有する。バックスタンド中央後方に設置された大型映像装置はメジャーリーグベースボールで高いシェアを誇りながら日本のサッカー場では初採用となるダクトロニクス[2]。屋根はメインスタンド中央部のみに架かる。観客席はチームカラーの白と紺に塗り分けられている。

ホーム側ベンチにはレカロ社製のシートを採用し、ゴール裏も手すり付きのコンクリート張りの立ち見席だが、アウェイ側ベンチは通常のベンチシートを用い、ゴール裏は芝生席とするなど、ホーム側とアウェイ側の差別化を強く意識した構造となっている[2]

LUXPERIOR FOOTBALL PARK

LUXPERIOR FOOTBALL PARK(ラクスペリア・フットボール・パーク)は、栃木市岩舟町三谷1038-1にあるサッカーフィールドである。スタジアム(岩舟総合運動公園)から栃木県道282号中藤岡線を挟んで向かい側に所在する。「LUXPERIOR」は大栗崇司が立ち上げたアパレルブランドの名称。

フィールドは人工芝。スタンドはない。クラブハウスが併設され、練習場や試合会場として用いられる。

訴訟

本スタジアムの整備にあたっては、市と栃木Cとの間で完成後の固定資産税と公園使用料を市が最大で10年間全額免除する内容の覚書を交わしていたこと[11] や、工事にあたって公園の目的外利用を禁ずる関連条例の改正が後手に回っていることが市議会の一部から批判された[12]。市議会では最終的に9月定例会で市側の陳謝とともに改正案が提出され、賛成多数で可決された[13][14]

スタジアム完成後の2021年5月21日、日本共産党の早乙女利次を代表とする栃木市民50人による原告団が、同市と市長の大川を相手取り、固定資産税免除の差し止めと建設期間中の公園使用料免除の違法性の確認を求めて宇都宮地方裁判所に提訴した[15]。市側はスタジアムの有する公益性を元に手続きの妥当性を訴えたが、2022年1月27日に行われた判決公判で宇都宮地裁の大寄久裁判長は「客観的な根拠のある事実を基礎とした合理的な将来予測とは認められない」と判断し、翌年度から適用される固定資産税減免を差し止め、公園使用料の減免措置を違法とする判決を言い渡した[16]。これに対して、栃木市は判決を不服として東京高裁に2月8日付で控訴した[17] が、2023年10月18日に行われた控訴審で東京高裁(梅本圭一郎裁判長)は市側の控訴を棄却する判決を出した[18]。栃木市は上告を断念した上で、日本理化工業所に2ヶ年分の固定資産税約600万円と4ヶ年分の公園使用料約4739万円を請求すると発表した[19]

アクセス

ギャラリー

脚注

  1. ^ 大栗崇司 [@josh_club_] (2021年3月13日). "ダクトロニクスを操る男! いや、操られとるな!笑". X(旧Twitter)より2021年5月1日閲覧
  2. ^ a b c d e f g 宇都宮徹壱 (2021年5月27日). “関東リーグとは思えぬスタジアムが栃木市に作られた理由 大栗崇司(栃木シティフットボールクラブ代表)<1/2>”. 2021年5月28日閲覧。
  3. ^ a b c d スタジアム【CFS】”. 日本フットボールリーグ. 2024年3月22日閲覧。
  4. ^ a b 栃木ウーヴァ「スタジアム用地提供を」 栃木市に7項目要望、J参入へ本腰”. 下野新聞 SOON. 下野新聞社 (2020年12月4日). 2021年3月14日閲覧。
  5. ^ 栃木市役所へ要望書提出』(プレスリリース)栃木シティフットボールクラブ、2018年12月3日https://tochigi-city.com/new/2018/12/03/栃木市役所へ要望書提出/2021年3月15日閲覧 
  6. ^ 広報とちぎ 1月号” (pdf). 栃木市. p. 15 (2020年1月1日). 2021年3月14日閲覧。
  7. ^ 栃木シティFC/栃木県栃木市にサッカー専用スタジアム建設/3月中にも着工”. 日刊建設工業新聞社 (2020年1月16日). 2021年3月14日閲覧。
  8. ^ ピッチと観客 日本一近く 天然芝、5129人収容 栃木シティFCスタジアム計画”. 下野新聞 SOON. 下野新聞社 (2020年1月14日). 2021年3月14日閲覧。
  9. ^ 【施工は大林組、10月完成へ】栃木シティFC、栃木市内にサッカー専用スタジアム建設”. 日刊建設工業新聞社 (2020年3月23日). 2021年3月14日閲覧。
  10. ^ 岩舟総合運動公園の有料公園施設及び栃木市公園条例等の一部改正について”. 栃木市公園緑地課 (2020年9月29日). 2021年3月15日閲覧。
  11. ^ 建設中のサッカースタジアム、栃木市が固定資産税免除の覚書「条例逸脱」との指摘も”. 毎日新聞社 (2020年6月18日). 2021年3月14日閲覧。
  12. ^ 栃木市議会 2020, p. 4.
  13. ^ 栃木市、使用許可を陳謝 公園のサッカー利用 条例に規定なく”. 毎日新聞社 (2020年9月3日). 2021年3月14日閲覧。
  14. ^ 栃木市議会 2020, p. 5.
  15. ^ “栃木市民が市を提訴 サッカー場使用料など巡り /栃木”. 毎日新聞. (2021年5月22日). https://mainichi.jp/articles/20210522/ddl/k09/040/068000c 2021年5月22日閲覧。 
  16. ^ “サッカー場設置した会社への使用料免除は「違法」 原告側が全面勝訴”. 朝日新聞. (2022年1月28日). https://www.asahi.com/amp/articles/ASQ1W7JTHQ1WUUHB003.html 2022年1月28日閲覧。 
  17. ^ “判決不服で市が控訴 栃木のスタジアム訴訟”. 下野新聞. (2022年2月8日). https://www.shimotsuke.co.jp/articles/-/552481 2022年2月9日閲覧。 
  18. ^ “サッカースタジアム訴訟、栃木市側全面敗訴 税免除「合理性ない」 控訴審、東京高裁判決でも”. 下野新聞. (2023年10月18日). https://www.shimotsuke.co.jp/articles/-/804666 2023年12月23日閲覧。 
  19. ^ “スタジアム訴訟、上告正式に断念 栃木市「住民と対立長引くの本意でない」 住民「根本的な反省なく残念」”. 下野新聞. (2023年11月2日). https://www.shimotsuke.co.jp/articles/-/812438 2023年12月23日閲覧。 

参考文献

外部リンク


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