AAA+プロテアーゼ
トリプシンやペプシンのようなプロテアーゼは細胞外に分散してすぐにタンパク質を切り始める。しかし、細胞内で何でもかんでも切られては困るので、より制御されたシステムが必要となる。制御された細胞内プロテアーゼの1つ、AAA+プロテアーゼは、活性部位が露出しないようにできており切断するタンパク質を容器に閉じ込めてから切断する。
このプロテアーゼはリング状に並んだ2種類のサブユニットが重なった筒のような形をしており、筒の中心部分にプロテアーゼの活性中心がある。上下にある「フタ」は、ATPを消費して大きな構造変化を起こすことによって、消化すべきタンパク質のポリペプチド鎖が送り込むポンプとして働く。(似た構造を持つClpXPは30-80個のATPで100残基のペプチド鎖を送り込む) このATPaseはAAA+(AAA = ATPases Associated with cellular Activities)とよばれ、DNA二重鎖のアンフォールドするT抗原(1svm)やタンパク質をアンフォールドするp97(1oz4,1r7r)、NSF(1nsf,1d2n)でも見られる。ヒトのAAA+プロテアーゼは、ユビキチンでタグ付けされたタンパク質を選択的に活性中心に送り込む機構が備わっている。
PDB

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