40nm世代で先端プロセス開発から脱落(2010年)
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「ルネサスエレクトロニクス」の記事における「40nm世代で先端プロセス開発から脱落(2010年)」の解説
ルネサスは2010年まで世界最先端の半導体メーカーで、トレセンティテクノロジーズ(UMCと日立の合弁会社、ラテン語で「300」を意味する「Trecenti」に由来)時代の2001年3月に、トレセンティが拠点を置く日立LSI製造本部N3棟(現・ルネサス那珂工場N3棟)において、世界初となる300mmウェハの量産に成功した。2008年には、当時半導体プロセス微細化の世界最先端だったパナソニックに1年遅れで45nm/40nm世代に到達し、鶴岡工場(ルネサス山形セミコンダクタ、現・ソニーセミコンダクタ山形テクノロジーセンター)において、High-κ絶縁体を用いた40nmプロセスによるシステムLSIの量産が開始された。2009年9月にはパナソニックとの共同開発により、ルネサス那珂工場に新設した300mmウェハ開発ラインにおいて、世界初となる32nmプロセスの開発ラインを稼働させた。 2009年時点で、ルネサス那珂工場において世界初となる32nmプロセスの量産化の目途もついていたが、2010年7月29日、「100日プロジェクト」の成果である2010年度~2012年度の中期計画として、32nm/28nm世代以降の量産を台湾TSMCと米GLOBALFOUNDRIESのファウンドリ大手2社に委託することを発表。最先端プロセスの研究開発自体は継続することを表明したものの、増産投資は抑制され、ルネサスは45/40nm世代で最先端プロセス品の自社量産から撤退した。 なお、ルネサスの32nmプロセスはパナソニックとの共同開発であることから、双方の生産拠点で量産が行われることとなっており、2010年にはパナソニック魚津工場(現・タワーパートナーズ セミコンダクター魚津工場)において世界初となる32nmプロセスの量産ラインが稼働し、パナソニックの家電用LSIである「UniPhier」の製造を開始した。しかし、パナソニックの地デジテレビやガラケーを中心とする家電統合プラットフォーム「UniPhier」構想はスマホ時代に対応できず、パナソニックの半導体部門は2009年以降に巨額の赤字を抱え、2014年にパナソニックは魚津工場をタワージャズに売却(その結果、魚津工場の32nmプロセスはタワーの45nmプロセスに置き換わり、ルネサス那珂工場の40nmプロセスが再び日本最先端となった)。
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