橘家圓蔵 (4代目)
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ナビゲーションに移動 検索に移動四代目 | |
![]() 三ツ組橘は、橘家圓蔵一門の定紋である。 | |
本名 | 松本 栄吉 |
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別名 | 品川の圓蔵 |
生年月日 | 1864年 |
没年月日 | 1922年2月8日 |
出身地 | ![]() 現∶東京都品川区 |
師匠 | 四代目三遊亭圓生 |
名跡 | 1.三遊亭さん生 (1887年 - 1890年) 2.四代目橘家圓蔵 (1890年 - 1922年) |
活動期間 | 1887年 - 1922年 |
活動内容 | 古典落語 地噺 |
所属 | 三遊派 (1887年 - 1917年) 東京寄席演芸株式会社 (1917年 - 1922年) |
四代目 橘家 圓蔵(たちばなや えんぞう、1864年 - 1922年2月8日)は、明治・大正期に活躍した落語家。本名∶松本 栄吉。
概要
北品川に住んでいたため、「品川の圓蔵」、「品川の師匠」と呼ばれた。
立て板に水の能弁で、作家芥川龍之介は「この噺家は身体全体が舌だ。」と感嘆した。「嘘つき弥次郎」「首提灯」「蔵前駕籠」「お血脈」「反魂香」「釜どろ」「百川」「松山鏡」「廓の穴」「芝居の穴」「三人旅」などが得意ネタ。
地噺などを得意とした。弟子六代目三遊亭圓生の話では、「山門」で石川五右衛門が欄干に足をかけて久吉を睨みつけるのを「その顔色ってのは、噺家が永代橋でシャッポを飛ばしたようなもんで。」と警句を飛ばし、その上手さとおかしさに客席を沸かせたという。
人柄
「うちの師匠ってのは、きちんとした人でしたね。羽織なんかもなまじっかな前座にはたたませないんです。たたんでも気に入らない。たたむとこから何からじっと見てて、ちょっとでも曲がってたりなんかすると、ぱあっとひろげちゃって自分でたたみ直す。だから非常に気難しい人のように思われてたが、そういう訳じゃなくて、几帳面なんですね。」
「・・・決して、おさまったり容体ぶるってことがない、ざっくばらんな人なんです。夜なんぞは弟子たちとみんな一緒に話をしたりなんかするのが好きで、人の話を聞いてにこにこ笑いながら、時々警句をとばす。それがまたうまいんです。」
「・・・随分毒舌を吐き、ひとの悪口を言いましたが、それでいて相手を決しておこらせなかった。そこにやはり話術の妙というものがあったからだろうと思います。」
(何れも6代目圓生談)
略歴
父は浅草向柳原で古着商を営んでいた。妻は元吉原の芸者で「富桔梗(ふうききょう)」という芸者屋を営んでいた。始め人形芝居の一座で人形遣いをしていたが、足の役ばかりなので見切りをつけて落語家になる。(6代目三遊亭圓生談)
- 1879年 - 父が死別(15歳)
- 1883年 - 母が死別(19歳)、亡き父の知人の人形芝居の、西川力蔵の一座で各地を修行するも大御難で嫌になり帰京。
- 1887年6月 - 4代目三遊亭圓生に入門し、(三遊亭?)さん生を名乗る。
- 1887年7月 - 八丁堀の寄席「朝田亭」で初高座。
- 1890年9月 - 二つ目昇進し、4代目橘家圓蔵に改名。このころ師匠圓生の薫陶を受け鍛えられた。
「・・・四代目圓生はわがままな人で、高座にあがってしゃべってるうちに『ちょいとすみません、お客様、下着を着て上がりましたが、どうも暑くてしょうがないから、今ぬいでまいりますから』って、すウっとおりちゃう。そして『おい、お前、ちょいと演ってな。』ってうちの師匠があげられるんですって。・・・とにかくその時分に、うまいうまいと評判の圓生がおりちゃって、弟子があがって演じるんですから大変なことです。・・・つまりそれで鍛えられたんでしょうね。情けですよ、こわい情けですけどね。・・・『あの時は実に苦しかったけど、今思えばやっぱりそれが師匠の情けだ』ってよく言ってました。」 — 6代目圓生談
「会員の中で圓蔵が一番先に演目で困るだろう」って心配したんです。ところが、いざふたをあけて回を重ねて行くと、一番ネタがあったんでみんなびっくりしたってえます。」 — 6代目圓生談
圓生襲名
- 師匠圓生は、生前「圓生は品川(圓蔵)に継がせる。」と語っていたが、圓蔵は結局圓生を襲名せぬまま亡くなってしまった。
一門弟子
門下(弟子)の育成には力を入れ三代目柳家小さんと並ぶほどだった。
- 五代目三遊亭圓生
- 六代目三遊亭圓生
- 五代目三遊亭圓窓
- 橘家圓三
- 嘉亭圓満
- 橘家圓満
- 三遊亭圓坊
- 橘家圓十郎
- 初代橘家蔵之助
- 橘家扇蔵
- 橘家扇三
- 橘家文三
- 三遊亭圓玉
- 源一馬
- 橘家若蔵
- 橘家米蔵
- 橘家花圓蔵
- 橘家圓若
- 橘家咲蔵
- 三遊亭桃生
- 五代目橘家小圓太
- 橘家吉蔵
- 橘家圓六
- 橘家花圓蔵
- 橘家稲蔵
- 日本太郎
- 三代目三遊亭小圓朝(預かり)
- 二代目三遊亭三福
- 橘家二三蔵
廃業
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