2017年新種(富山湾)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 03:27 UTC 版)
「クリオネ」の記事における「2017年新種(富山湾)」の解説
2016年8月に富山大学大学院の教授らが児童向けの海洋教室を開催した折、富山湾の水深700m域でプランクトンを捕獲していた際初めて捕獲された。その後の調査で水深約250mから1,050mの水温2度以下の帯域に生息しているのが確認され、遺伝子解析の結果、2017年になって世界で5種目となる新種であることが確認された。体長は最大でも約5mmと世界最小で、体形は楕円形をしている。富山湾中心とした日本海の固有種とみられ、それまでオホーツク海など北海道沿岸が生息域の南限とされていた分布が限定的ではあるが拡大されることとなった。2018年の追加調査では富山湾より北側にあたる日本海の複数の地点で生息個体が発見され、日本海で独自に進化した固有種であることが示唆された。研究者によるとオホーツク海から流れ込んだ海水に生息していたものが日本海内に閉じ込められ独自進化した分化種と考えられるというが、閉鎖的環境特性と日本海の酸性化の進行速度から発見から2年足らずで早くも絶滅が懸念されているという。正式な学名や和名は今後決められ、正式決定後に魚津水族館(富山県魚津市)や蘭越町貝の館(北海道蘭越町)で公開される予定。
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