2014年の運用再開を目指した活動
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「ISEE-3/ICE」の記事における「2014年の運用再開を目指した活動」の解説
NASAが2008年に動作確認を行ったところ、13のシステムのうち12個は正常に動作し、推進剤も残っていることが確認された。2014年3月1日と2日に、ドイツのアマチュア無線局の20m電波望遠鏡がICEからのビーコン波を受信することに成功した。2014年8月に地球周辺に戻ってくるため、6月までに衛星を制御できるようにできれば、小さな軌道制御を行うことにより、L1点に再び戻すことが出来ることから、民間の団体がクラウドファンディングを使って資金集めを行い、ICEの運用を再開することになった。軌道制御を行う場合は月から高度50km以内の所をフライバイすることになる。 管制に必要な無線機の機材は1999年に撤去済みだったので改めて元の仕様書を基にソフトウェア無線で構築する事になった。2014年5月に、探査機を再起動させるために目標としていた資金12万5000ドル(約1,270万円)をクラウドファンディングで集めるのに成功。その直後、NASAもこの団体に対して、探査機との通信を確立させるために必要な技術データを提供することを公式に発表した。 2014年5月29日に、プエルトリコのアレシボ天文台を使って、ソフトウェア無線でテレメトリ受信とコマンド送信の双方向通信に成功した。 2014年7月2日、民間の団体は1987年以来初めてとなるスラスターの着火を試みたが、スラスターに推進剤を供給するために加圧する窒素ガスの不足により、このスラスターの着火は失敗に終わった。そのためプロジェクトチームは科学的データを集めて地球に送信するという代替案を考え出したが、同年9月16日に通信は途絶えた。
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