2011年11月報告書
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/21 20:59 UTC 版)
「イランの核開発計画」の記事における「2011年11月報告書」の解説
2011年11月、IAEAは、イランが2003年まで核兵器の設計を意図した実験を行い、それ以降もペースを落として実験を続けてきた可能性を示す信頼性のある証拠を査察官が発見したとする報告書を発表した。IAEAの天野之也理事は、IAEAが収集した証拠は、「イランが核起爆装置の開発関連活動を行ってきたことを示している」と述べた。イランはIAEAの発表を、「バランスを欠き、職業倫理に反し、政治的動機にまみれ、主に米国の政治圧力によるもの」と全面否定した。西側諸国専門家の多くは、IAEA報告書はメディアにより誤解されてきたと指摘している。 2011年11月、IAEA当局者は「巨大な爆発物格納容器」をパールチーンの施設で特定した。IAEAは後にこれをイランが核兵器能力を開発する実験を行っていたものと評価した。 IAEA理事会はイランの核開発計画がもつ軍事的側面の可能性に「深い、増大する懸念」を表明し、イランの更なる情報提供と査察受け入れは「必要不可欠」とする決議を、賛成32、反対2で可決した。米国は同決議を歓迎し、イランに進路変更を促すため制裁を強化すると表明した。決議を受けイランはIAEAへの協力縮小を示唆したが、イランのアリー・アクバル・サーレヒー外相は同国がNPTやIAEAから脱退する可能性は低いとの見方を示した。
※この「2011年11月報告書」の解説は、「イランの核開発計画」の解説の一部です。
「2011年11月報告書」を含む「イランの核開発計画」の記事については、「イランの核開発計画」の概要を参照ください。
- 2011年11月報告書のページへのリンク