2体目の巨人
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/03 23:15 UTC 版)
ハルとニューエルはディビット・ハナムを筆頭とする6人の興行主たちに23,000ドル(2014年時点では429,000ドル相当)でカーディフの巨人の権利の4分の3を売却する。ハルとハナムらは巨人をニューヨーク州シラキュースに移し興業を続けたが、その年の間、人の波が絶えることはなかった。この荒稼ぎに目をつけたのが、伝説の興行主とされるP・T・バーナムであった。バーナムのアイデアは「おがくずを黄金の山に変える」と評され、当時はすでに巧妙な宣伝と動物、フリークスによるサーカス団を擁していた。バーナムはそこに巨人を加えることを狙い、ハルらに50,000ドルで3か月の貸与を持ちかけたが、ハルの返事は拒絶だった。 これによりバーナムは自ら巨人の作製に乗り出し、石、粘土、乾燥卵などを混ぜて第二の巨人を作り上げてしまった。制作費は2,000ドルであり、ロッキー山脈で見つけた最古の「コロラドの巨人」だとして大々的に宣伝した。この新たに登場したペテンに対し、科学界はカーディフの巨人と同様に猜疑の視線を向ける。かつてカーディフの巨人に鑑定結果を突きつけたオスニエル・チャールズ・マーシュ教授は直接バーナムに面談し、科学的見地から化石ではないことを論拠を挙げて丁寧に説いた。これに対しバーナムは、「世間は騙されたがる」(There is one born every minute.)と返しただけだった。
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