19世紀の「世紀末」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/16 18:15 UTC 版)
19世紀にヨーロッパで用いられた「世紀末」(特にフランス語の Fin de siècle〈ファン・ド・シエクル〉)には、「世紀の末」という本来の意味に留まらない二つの含意があった。一つ目は、繁栄した時代(19世紀に即せばベル・エポック)の末期の退廃(デカダンス)である。二つ目は、一つの世紀ないし時代区分が「終わる」時に待望される切迫した変化を見越した興奮や変化への絶望である。これらの思潮により、19世紀末には「世紀末」という概念が(ヨーロッパの人々の中で)かつてないほど意識されるものとなった。 フランス語で表現した場合に、特にこうしたイメージと結びつくのは、その語がパリやブリュッセルの芸術家集団(およびその運動)と結びついていたことに由来すると思われる。そこには、ステファヌ・マラルメのような詩人、象徴主義のような芸術思潮、そしてオスカー・ワイルドの『サロメ』のような作品が含まれる(「世紀末芸術」も参照)。
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