12時過ぎの時刻表現
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 03:07 UTC 版)
しかし、日本式の考えを正子または正午の1時間以内の時刻に推し進めると、問題が起こる。例えば、「午前12時20分」という表現を正午の20分後の意味で用いると、正午を過ぎても午前を用いていることになり、原義に照らすと明らかに誤りである。国立天文台広報普及室は「このような場合は午後0時20分と言うほうがいい」としており、情報通信研究機構周波数標準課も「午前・午後とも12時00分00秒に終わる」としている。しかし現実の言語慣習としては、「午前12時20分」又は「12時20分」という言い方は頻繁に使われている。アナログ時計の盤面には(0の文字ではなく)「12」の文字があるので、時計を見ながら「12時20分」というのが自然だからである。 このような問題が起きるのは、午前・午後と12時間制の時刻を一体として考えるからでもある。両者を分離して考えればわかりやすい。12時間制はアナログ時計にあるように12時間で時刻が循環し、したがって12時=0時である。一方、午前/午後は正午の前/後であるから、両者を組み合わせれば正午と正子以外は時刻表現が一義的に確定する。 事実、英米では前記のような解釈をし、正午の前(正子の後)なら必ず「a.m.」、正午の後(正子の前)なら必ず「p.m.」と表現するので、日本式のような問題はない。つまり、12:20 a.m.は正子の20分後、12:20 p.m.は正午の20分後である。
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