龐煖とは? わかりやすく解説

龐煖

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/02 19:10 UTC 版)

龐 煖(ほう けん、紀元前4世紀末 - 紀元前3世紀半ば)は、中国戦国時代将軍道家(思弁的哲学者)・縦横家(弁論家)・兵家(軍事思想家)。龐煥(ほうかん)あるいは龐子(ほうし、「龐先生」の意)とも[1]。道家思想を修め[1]、縦横家および兵家としての著作をそれぞれ執筆し[2]悼襄王のもと名将廉頗出奔後の趙の筆頭将軍として合従軍を指揮する[3]など、文武に優れた才人であった。


注釈

  1. ^ この一篇だけ龐煥(ほうかん)という名前が用いられており、宋の陸佃は龐煖の誤字という説と、龐煖の兄という説を載せている(陸佃注「或作煖」「龐煥。蓋煖之兄」)。
  2. ^ 道家の伝説的開祖である黄帝に仮託される経典(陸佃注「陰経。黄帝之書也」)。
  3. ^ 龐煖の師である鶡冠子の論の一つ(『鶡冠子』「夜行」)。事物の本質は決まった形を取らず、玄妙なものであるとする。『管子』「形勢解」では「いわゆる夜行は心行なり(所謂夜行者心行也)」と言う。
  4. ^ 龐煖は『鶡冠子』の中の四篇に渡って、天と武の関係性を師と議論している(『鶡冠子』「近迭」「度万」「王鈇」「兵政」)。その多くは観念的・抽象的で難解。
  5. ^ 原文「是襄主之所破亡也」。あるいは「これこそが(一時は天下に覇を称えた)宋の襄公が破れて亡んだ理由なのです」か。
  6. ^ 自然(おのずからそうであること)は、『老子』に「人は地に法(のっと)り、地は天に法り、天は道に法り、道は自然に法る」とあるように、道家思想の最上善・根本原理とされた。

出典

  1. ^ a b c 『鶡冠子』「近迭」「度万」「王鈇」「兵政」「学問」「世賢」「武霊王」
  2. ^ a b c 中國哲學書電子化計劃『漢書』「藝文志」
  3. ^ a b 中國哲學書電子化計劃『史記』「趙世家」趙悼襄王四年「四年,龐煖將趙、楚、魏、燕之鋭師,攻秦蕞,不拔;移攻齊,取饒安。」
  4. ^ 陸佃『鶡冠子序』「鶡冠子楚人也居於深山以鶡冠號曰鶡冠子」
  5. ^ 『鶡冠子』「近迭」「度万」「王鈇」「兵政」
  6. ^ a b 中國哲學書電子化計劃『史記』「燕召公世家」今王喜十二年 「十二年,趙使李牧攻燕,拔武遂、方城。劇辛故居趙,與龐煖善,已而亡走燕。燕見趙數困于秦,而廉頗去,令龐煖將也,欲因趙獘攻之。問劇辛,辛曰:「龐煖易與耳。」燕使劇辛將撃趙,趙使龐煖撃之,取燕軍二萬,殺劇辛。」
  7. ^ a b 『鶡冠子』「武霊王」
  8. ^ 『鶡冠子』「世賢」
  9. ^ 中國哲學書電子化計劃『史記』「趙世家」趙悼襄王三年「三年,龐煖將,攻燕,禽其將劇辛。」
  10. ^ 中國哲學書電子化計劃『史記』「春申君列傳」春申君相二十二年 「春申君相二十二年,諸侯患秦攻伐無已時,乃相與合從,西伐秦,而楚王為從長,春申君用事。至函谷關,秦出兵攻,諸侯兵皆敗走。」
  11. ^ a b 中國哲學書電子化計劃『史記』「趙世家」趙悼襄王九年「九年,趙攻燕,取貍、陽城。兵未罷,秦攻鄴,拔之。悼襄王卒,子幽繆王遷立。」
  12. ^ 中國哲學書電子化計劃『史記』「秦始皇本紀」秦始皇十一年「十一年,王翦、桓齮、楊端和攻鄴,取九城。王翦攻閼與、轑陽,皆併為一軍。翦將十八日,軍歸斗食以下,什推二人從軍取鄴安陽,桓齮將。」
  13. ^ 中國哲學書電子化計劃『韓非子』「飾邪」「趙又嘗鑿龜數筴而北伐燕,將劫燕以逆秦,兆曰大吉,始攻大梁而秦出上黨矣,兵至釐而六城拔矣,至陽城,秦拔鄴矣,龐援揄兵而南則鄣盡矣。臣故曰:趙龜雖無遠見於燕,且宜近見於秦。秦以其大吉,辟地有實,救燕有有名。趙以其大吉,地削兵辱,主不得意而死。又非秦龜神而趙龜欺也。」


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龐煖(ほう けん)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/26 00:42 UTC 版)

達人伝-9万里を風に乗り-」の記事における「龐煖(ほう けん)」の解説

人の下に就けない性質部隊転々としていたが、実直な本質李談見抜かれ抜擢される。三千決死隊解散後は、に赴き荀子の元で学問に励むも韓非李斯後れを取っていた。その後春申君計らい兵家についたところ急速に頭角現し項燕参謀役として有為な人材になる。信陵君連合軍崩壊後は、趙に呼び戻され将軍就任する

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