齧作用を起こす細胞種
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 10:00 UTC 版)
齧作用は、T細胞、B細胞、NK細胞において、in vivoおよびin vitroで最初に報告されている。T細胞やB細胞では、T細胞のT細胞受容体(TCR)やB細胞のB細胞受容体(BCR)が抗原提示細胞で認識された抗原と相互作用することで、齧作用が引き起こされる。またリンパ球と同様に、PMN(多形核白血球、顆粒球)でも齧作用が起こり、抗体依存性細胞傷害(ADCC)の活性化に繋がる。 試験管内でADCCを開始するためにはPMNが標的細胞に接着し、抗体でオプソニン化された腫瘍細胞と密着結合を形成する必要がある事が示された。このような細胞の集積は、エフェクターと標的細胞間の相互の膜脂質の交換に先行しオプソニン化抗体がない場合には起こらない。齧作用は単球や樹状細胞でも起こる。免疫系以外では精子と卵母細胞の間で同様の膜断片の移動が記録されており、このプロセスは配偶子の融合に寄与すると考えられている。 最近ではCNSに常駐するミクログリア等のマクロファージが、出生後の発達過程で神経軸索の小さな部分を部分的に除去出来る事から、この用語が使われるようになった。
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