鼻部と皮膚の色
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 15:06 UTC 版)
「ラブラドール・レトリバー」の記事における「鼻部と皮膚の色」の解説
ラブラドール・レトリーバーの皮膚の色は複数の遺伝子の影響で決まる。劣性遺伝子の存在が数世代を経て予期せぬ色合いとなって発現することもある。このような色合いの変化はチョコレートの個体にも見られるが、イエローのラブラドール・レトリーバーにその割合が高く、この節も主としてイエローのラブラドール・レトリーバーに関する記述となっている。個体による色合いの変化が大きい場所として鼻先、唇、歯肉、脚、尾、眼周縁が挙げられ、ブラック、ブラウン、フォーン、さらにチョコレートを発現する遺伝子が存在する場合には茶褐色などの色合いが見られる。ラブラドール・レトリーバーは異なった色合いを発現する遺伝子を保有することもあり、たとえばブラックのラブラドール・レトリーバーはチョコレートやイエローの、イエローのラブラドール・レトリーバーもチョコレートやブラックの遺伝子を保有している場合がある。DNA型鑑定によってこれらの遺伝子を有するかどうかの判定が可能となっている。前記三色以外の色合いは好ましいものとはされていないが、ラブラドール・レトリーバーとして不適格と見なされるわけではない。イエローのラブラドール・レトリーバーの皮膚に見られるブラックの発色は、被毛の色を決定する遺伝子とは別物である。イエローの被毛を持つラブラドール・レトリーバーの鼻先はブラックが多く、加齢とともに「スノー・ノーズ」や「ウィンター・ノーズ」と呼ばれるピンクがかった色合いへと変化していく。この変化には暗色のメラニンを合成する働きを持つモノフェノールモノオキシゲナーゼという酵素が影響している。モノフェノールモノオキシゲナーゼの働きは温度に左右されるが、ラブラドール・レトリーバーの場合には生後二年を過ぎたころから、モノフェノールモノオキシゲナーゼの影響は減少していく。イエローのラブラドール・レトリーバーの皮膚の色が加齢とともにピンクがかっていくのはこのためである。 「ダドリー」として知られる色合いを持つラブラドール・レトリーバーも存在する。ダドリーの定義は団体によって異なり、LRCではピンクの鼻先を持つイエローのラブラドール・レトリーバーであるとし、アメリカン・ケネルクラブではブラウンやチョコレートの皮膚をしたイエローのラブラドール・レトリーバーで、眼周縁はブラックやダークブラウンではなく皮膚の色と同色の個体であるとしている。ブラウンやチョコレートの皮膚をしたイエローのラブラドール・レトリーバーの場合、鼻先などがブラウンないしチョコレートであることがダドリーの必須条件ではない。アメリカン・ケネルクラブの定義では、眼周縁がチョコレート、つまり遺伝子タイプがeebbであることが求められている。ただし、ラブラドール・レトリーバーの公式スタンダードに従えば、本物のダドリーの特徴であるピンク一色の鼻部などは、ショーにおいては失格となる。いずれにせよ本物のダドリーのラブラドール・レトリーバーは極めて希少である。
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